須藤元気によるダンスパフォーマンスユニット「WORLD ORDER」 とは?ダンス、メカトロニック・スタイルMVに迫る!

2010.11.25 Thu

 

worldorder_port.jpg
須藤元気:1978年東京都生まれ。 格闘家としてUFC-J 王者を経て、2006年現役引退。現在は作家、タレント、俳優、ミュー ジシャン等幅広く活躍。著書「風の谷のあの人と結婚する方法」は19万部を売り上げる。
WORLD ORDER須藤元気が、精鋭6名の現役男性ダンサーとともに2009年結成した7人組ダンスパフォーマンス・ユニット。音楽はオリジナリティにあくまでもこだわり、須藤元気がボーカルを務め、ミト(クラムボン)のプロデ ュース楽曲や電気グルーヴ等のエンジニアとしても活躍する渡部高士との共作楽曲を手がけ、ボーカルもつとめる。振り付けも須藤元気のディレクションのもとにメンバー全員のアイデアをカタチにしている。POP且つ センシティブなダンスミュージックと身体能力を活かしたダンス、メカトロニック・スタイルが見所。「WORLD ORDER in New York」9月にリリースされたミュージックビデオ(以下MV)新バージョンはニューヨークでゲリラ撮影を慣行。YouTubeではたちまち100万回ビューを記録する。
WORLD ORDER:http://worldorder.jp/ 須藤元気:http://crnavi.jp/sudogenki/blog/

■集団催眠に陥った世界を覚醒に導く為に誕生!「WORLD ORDER」とは?
「WORLD ORDER in New York」 9月にリリースされたミュージックビデオ(以下MV)新バージョンはニューヨークで撮影。他の国でもやっていきたいという須藤元気。ダンサーのメンバーには木村カエラ等のビデオに出演するキングタットの内山隼人、実力はトップレベルといわれる落合将人、空手でインハイ制覇実績をもちユニクロのCMにも出演する崎山清之、グリコポッキーのCM出演や振付家としても活躍する高橋昭博、ミッシー・エリオットのMVにも出演する野口量、アニメーションダンスを得意としマイケルジャクソンの専属ダンサーとしても認められた森澤祐介と錚々たる面子。
――ユニット名「WORLD ORDER」の 由来について、「世の中を支配する隠された法則、秩序、理念にインスパイアされたもの」とありますが、解りやすく教えてもらってよいでしょうか?
歴史が好きで、勉強していくと世界には隠された秩序が存在していて僕らはその枠の中で生きている事が解るんです。ある意味出来レース。貨幣システムでもそうですよね。別に肯定も否定もしていないんですが、これからやはり自然との秩序とかが大事なんじゃないのかなって。僕はそれをからかっているというか、パフォーマンスでの表現を目指しています。

――格闘家時代からの数々の華麗なパフォーマンスで有名でしたが、その頃からWORLD ORDERの構想はあったのでしょうか?
考えていましたね。高校生の頃に2つ夢があって、格闘家になる事と、ミュージシャンになる事。歴史に"IF"は無いと言いますが、もしミュージシャンだったら・・・と思った時「もっとモテたんじゃないか?!」って(笑)。男子が頑張る理由って女性にもてたいっていうのが前提じゃないですか(笑)。格闘家時代は、格闘ブームがやってきて時勢にのっていて、凄く楽しかった。本当は25歳で引退しようと思っていたのですが、ブームに乗って28歳までやりました。引退したら音楽をやろうというのは決めていました。そこからこの形になるのに3年かかりました。
格闘家時代より「入場100%、試合100%」と公言し、表現スタイルを追求していた。
――その3年間はデビューの準備に掛かった期間ということでしょうか?
誰も相手してくれなかったというか(笑)。スポーツ選手が音楽やるのって見え方的に厳しいじゃないですか。僕が逆で考えたら決して好意的な目ではみないですよ。それはみんな同じだと思います。「やりたいのはわかるけどさ~」っていう捉え方だとおもうんです。その辺のイメージ戦略は自分の中でも一つのジレンマでした。格闘界で名前を残したから音楽ができるというのも確かにあるんですが、物事は両義性があって、メリット、デメリットがあります。アーティスト活動においては、意外とデメリットが大きくて。格闘家が音楽っていうとヒップホップ?みたいな。それで「スーツ来てホワイトカラーの人がロボットみたいなダンスするんだ。ゲリラでやっておもしろいんじゃないか」って言っても百聞は一見にしかずなんですかね、「おもしろいね」って言ってはくれるけど手を挙げてくれる人はいなかったんです。それだったら自分でデモを創ろうということで2分くらいのショートバージョン「WORLD ORDER」を創りプレゼンしました。それで流れができたんです。

――YouTubeでは約120万ビューを記録してます。格闘家からミュージシャンへの転身において凄い快挙だとおもうのですが。
結構苦労したのですが、一つの最初の山を越えたのかなって。とは言えまだステージには乗っかってないですが。もともとWORLD ORDERは世界で勝負しようと考えていました。格闘家というフィルターもないし、クールジャパンの枠で考えれば日本語の歌詞も意外といけるんじゃないかなと。

世界で勝負しようというのはまだこの段階ではおこがましいというか、恥ずかしのですが、このパフォーマンスがあれば海外でも絶対いけると思っていて。言っちゃうと恥ずかしいんですが、YMO以来彼らのような存在っていないですもんね。そのポジションをとれるんじゃないかなって。あの人達のMVもちょっと変じゃないですか?あのアプローチだなって。

■WORLD ORDERはメカトロニック・スタイル!
「WORLD ORDER」
――最初からダンサーを軸にしたパフォーマンスチームを考えてたのでしょうか?
そうですね。人の繋がりで最高のメンバーと出会う事ができました。 僕もダンスをはじめてまだ1年半ですし、自分自身の技術をあげなきゃいけない。自分も演者で表現したいので他のダンサーさんのレベルまであげるため、練習は週2で3時間程度しています。撮影本番前は深夜に及ぶ事もありますね。

――MVで披露されているダンスは何というスタイルなんですか?
アニメーションダンスやロボットダンスなどミクスチャしたオリジナルのもので「メカトロニック・スタイル」と呼んでいます。

――作詞、作曲、振り付け、監督、そして出演すべてご自身でやられていてびっくりしています。
僕はあくまでアイデアマンであって発信するんですが、実務家ではないんですよ。意外と投げっぱなしだったりして、そこが僕の弱点だとわかっているんですが。MVにおいては、こういうものをやりたいと、以前仕事でご一緒させていただいた前田屋の前田博隆プロデューサーにアイデアを発信した時に、じゃどういう制作チームでやるか、ジャケ写や、アートディレクションにおいてもアドバイスくれたり。「BOY MEETS GIRL」では山田涼太郎さんと共同監督をしています。 山ちゃんはタフですね。編集は彼の自宅でやっていたのですがほとんど寝てないと思います。僕の拓殖大学の後輩ってことが途中で解って、それまで山田さんが山ちゃんになったりして。彼のおかげです。 振り付けに関してはメンバーと創っています。ベーシックなシチュエーションやコンセプトは自分で考えます。 作詞に関しては、詞で何を訴えるかというのは大事だし、作曲もやはり自分でやらなくちゃ納得いかないですよね。

■映像について。監督、須藤元気のこだわり。
――WORLD ORDERの映像表現においてのこだわりを教えてください。
ハリウッド映画の日本の描写ってちょっとおかしいじゃないですか?日本だか中国だか韓国なのかって。それを逆手に取ってわざとちょっとおかしい日本人、システマチックな歩き方でスーツ。それを見たら外人が「あ、ジャパニーズだ!」って、彼らの中での日本人のイメージするところを狙っています。

自分のエゴや我を出して「どうでしょうか」っていうのが自己表現ですが、あえてエゴや我を出さない自己表現を目指しているんです。よく言っているのが"真空状態"をつくる、本当はもっと踊りたいんだけど我慢する、クッとひいて出来たこのスペースに人が「なんだこれ?」って惹き込まれる。格闘技でいう「後の戦」ですね。実際に僕らが日本のダンスグループのような踊りをしても受けないなっておもうし、技術的にも黒人のダンサーとかに本気で踊られちゃうと勝てないですよね。日本という文化を活かしていく事、ガラパゴス的に日本を表現していけば、逆に海外では新鮮に感じてくれるんじゃないかという気がしてます。オタク文化を最大限に活かしていく事だと思ってます。日本は世界最大のサブカル王国ですからね。

――映像監督をしてみていかがでしたか?どの様に進めていったのでしょう?
僕フレーム単位で気になるんですよ。でも最近は正解はないなっていうのに気づきました。一回映画を創った事があるんですよ。短編映画「ありふれた帰省」っていう25分の作品ですが、その時本気でアカデミー賞をとってやるつもりでやってました。R246ストーリーというオムニバスの企画で(須藤元気、浅野忠信、ILMARI、ユースケ・サンタマリア、中村獅童、VERBALが監督を務めたオムニバス映画)編集時間で言うと他の方の5~10倍くらい費やしていると思います。スタッフも最初は「来てよ!」って感じだったんですが、だんだん「あ、また来たんだ」って。それで家に帰ってまた考えるんですよ。そしてまた編集マンの横でずっと作業しているんですが、グーっとやって2週間くらい経つと最初にやったのに戻っちゃってるんです。「あれっ!?」って。もちろんディテールは違ってはいますが。僕、ディテールに凄く拘るんです。日常生活では全くなのですが、作品に関しては完全に納得するまでやります。その時に芸術に答えはないんだなって。落としどころっていうのを創らなくてはならないんだなって、じゃないといろんな物が出来なくなってしまうんだなと気づきました。なので今回のWORLD ORDERのN.Y.バージョンの編集は最初に5、6時間一緒にやって、後はおまかせしました。結局僕の見てるところと視聴者が見ているところって違うんですよね。みんなは全体の空気感をグラデーションで見てると思うんですよね。グラデーションの細かいところを見だしてもキリがないっていうのに気づきました。 映像って意外と生ものですよね。お刺身もきったりいろいろやってると痛むじゃないですか。映像も撮ったら早く編集して早く出す事が大切だなって思いましたね。

「BOY MEETS GIRL」 dir: 須藤元気、山田涼太郎

――「BOY MEETS GIRL」や「MIND SHIFT」では日本カルチャーを紹介するような設定ですね。
「BOY MEETS GIRL」は外人が見たら意外と不思議な光景だと思うんですね。日本の居酒屋って見ているようで見ていないと思うので、洋風な物のない居酒屋だって決めていました。ロケーションは結局実家になっちゃったんですけど(笑)。そこで割り箸を使った王様ゲームをやったり。海外の人には何やっているかわかんなくていいんですよ。あれだけでも不思議だと思うんです。日本では割り箸でなんかゲームをやっているその絵が大事なのかなって。で、やはりカラオケ。その辺は日本の文化を意識しましたね。笑いや遊びで振り幅を持たせて、帯域幅は意識しています。内容的には男の願望を描いてます。男だけでのみに行って女の子のグループと一緒に飲めるなんて夢のような話じゃないですか(笑)。20代前半だと男だけで飲みに行ってると、女の子呼ぼうぜってなるんですよね。でもお酒飲んでテンションあがってる状態ってもう夜の11時くらいなんですよ。その時間に電話かけると酔って電話かけてきてるってばれてるから絶対こないんですよ。みんなそういう経験をしてきてるんですよね。男のそういう気持ちを表現しています。この腰を振る動きっていうのがまた意外とキャッチー、シンプルなんですけどね。

「MIND SHIFT」 dir: 須藤元気

――タイトルの「MIND SHIFT」とお寺と須藤さんが日課にしている瞑想と…なにか壮大なテーマがありそうな予感がするのですが考え過ぎでしょうか?
お寺はキャッチーだなって。マインド・シフトっていうのは今後僕らのマインドが物質世界から精神世界に移行していく時期だと言われているんですけど、本当に大切な物は決して目に見えている物だけではないと。この作品は寺に忍び込んで千手観音になるっていうのですが、オチをつけるかつけないかで悩みました。前田名プロデューサーがお寺っていうところでやるには笑いにしないと、その為にはオチがないと、とアドバイスくれて。オチをつけるなら"見つかって逃げる"というのを考えてはいたんですが、かっこいいままで終わらせたいって言う気持ちと。でも実際つけてみると完成度高くなったなって思いました。大変だったのが2つとも一日撮影だった事です。

――何テイクもするのですか?
結構やり直しますね。最後の方は緊張感溢れていました。夜中のロケだったのですが太陽が昇ってきて光が差し込むギリギリで、一番最後のテイクを採用しています。ですから魂こもってちょっといっちゃった感じで。苦しそうな表情なんですがあれは素で苦しかったんです(笑)。カット割りを絶対にしたくなかったんです。本堂にはいってアルゴリズム体操から踊りだして寄りのところまでワンテイクで、スローモーションを活かした見せ方をしています。あそこで何か入れてしまうと踊り自体がエフェクトかけてるのかなって思われるのが嫌で。踊りがものすごく不思議なので、メンバーのダンサーとしてのレベルの高さを活かしたいと思いました。

――新曲の構想はすでにあるのでしょうか?
作詞・作曲が完了して打ち込みを始めたところです。今日は丁度新曲創りに行ってたんですが、なんだかんだいって5時間ずーっとやっていました。結局リズムしか出来なかったんですが。創っている人も天才なので何も話しかけないで、僕もずーっとパソコンみてツッタ、ツッタって。次の楽曲は勝負だと思っているので、相当完成度の高い物になると思います。ここで次どうでるのかっていうので評価も変わると思うんです。今、マーケットリーダーの人たちが注目し始めてくれて、まだ一般的層までは全然行き届いてないので、次で評価を受ければ流れに乗っていけるのではと思ってます。ビデオの構想も決まっていて面白くなると思います。まだお伝え出来ないのが心苦しいのですが。

――WORLD ORDERとして今後の目標を教えてください。
やっぱりワールドツアーをやりたいですね。ミュージシャンというよりもパフォーマンス・グループという意識が強いのでスローモーションの動きとかライブでやるとお客さん湧くだろうなとか。エフェクトをかけないというのが僕らの醍醐味というか、CGを使わない生の身体表現で今後もやっていこうと思います。WORLD ORDERは格闘家以上に絶対いけると確信をもっていますね。ステージに乗るまでは格闘家の時も大変だったので同じです。

――執筆もされたりいろんな活動をされていますが、須藤さんにとって一貫したテーマは何でしょうか?
「楽しむ」って言う事が一番大事だと思ってます。表現するのは楽しいですからね!

取材中も今後やりたい事が溢れるように出てきたアーティスト須藤元気。そのアイデアの源は常に張り巡らしたアンテナと「時空を歪ませたい」という想いだった。

■WORLD ORDERデビューアルバム発売中!!
xnae10032.jpg
WORLD ORDER/WORLD ORDER(CD+DVD) (P-VINE RECORDS)
5つの質問 一問一答
Question 1: 影響を受けたものを教えてください
シャーマニズム
Question 2: この職に就いたきっかけは?
高校生の頃の夢でした
Question 3: 一番好きな映画は何ですか?
フォレスト・ガンプ
Question 4: 作業場のまわりに必ず置いているものベスト3は?
葉巻・猫・珈琲
Question5: 今おもしろいもの/事って何ですか?
暖炉に火をつける
トラックバックURL:http://white-screen.jp/white/wp-trackback.php?p=3789