「このままビル清掃員としてずっと働いていけるのだろうか?」
現在の職について悩まれる方は、かなりの数にのぼると想像できます。
他の職業への転職を考えたとしても、自分に何が出来るか、これまでの経験やスキルを活かせるのかなど、不安が募るばかりでしょう。
この記事では、そのような不安をお持ちのビル清掃員の方に向け、転職で活かせる経験やスキル、転職しやすい職業について説明しています。
ビル清掃業としてキャリアアップしたい方へのアドバイスもありますので、将来に悩まれているビル清掃員の方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
ビル清掃員が転職先で活かせる経験やスキル
体力
ビルの清掃員の仕事は、立ち仕事で動きっぱなしとなるのが基本で、体力が必要な仕事となります。
時には重たいごみや掃除用の機器などを運ぶなど、力仕事も求められるでしょう。日々の業務で身につけた体力は、どのような職業でも活かせます。
とくに体力を活かす職に転職したい場合、他の人との差別化が図れます。
忍耐力
ビル清掃は、どのような状況でも作業を遂行することが求められます。
ビル内の清掃であれば天気や気温の影響は少ないですが、屋外の仕事となると影響をまともに受け、暑くても寒くても業務を止められません。
そのような状況でもマニュアルを守り、気持ちを切らさずに作業を継続できる忍耐力は、他の職へ就いた際に役立つでしょう。
集中力
ビル清掃の作業はルーティンワークとなり、一人で黙々と取り組むことが多くなります。集中が切れると作業に影響し、周辺の清掃がおろそかになるかもしれません。
同じ作業をずっと続けてする経験で集中力が養われ、そのスキルで質のよい仕事ができるようになります。
集中力はどのような仕事でも求められるスキルであり、仕事の内容によっては強みとなりえるでしょう。
整理整頓
清掃業は、整理整頓が業務の基本です。担当エリアが乱れていればキレイに片付け、整頓することが求められます。
使用した清掃道具は元の位置に戻しておかないと、他のスタッフの迷惑となるでしょう。
職場が整理整頓されていると探し物が減り、業務の無駄が低減できます。整理整頓のスキルが身についていることを、転職時にアピールするのは難しいかもしれません。
しかし転職後の業務において他の従業員の模範となりえますので、持っていて損のないスキルといえます。
ホスピタリティ
ビル清掃員の仕事は、言うまでもなく清掃です。ごみや汚れをキレイにすることで人の役に立ち、喜ばれる仕事です。
清掃員の経験によって養われたホスピタリティ(思いやり、おもてなし)の精神は、他者との関わりを持つ仕事へ転職する際に重宝されるでしょう。
気配り
清掃員は作業する場所のすみずみまで気を配り、ていねいな仕事が求められます。
いわれたことだけを機械的にこなすだけではなく、先回りして考えられる能力も必要とされます。そのような気配りの精神は、他の仕事でも役立てられるでしょう。
清掃の技術
どの職場においても、清掃は欠かせません。清掃員を雇うような大きな会社でも、自分の身の回りの清掃は必要となるでしょう。
これまで培った清掃の経験や特別なスキルは、他の職に就いた際に清掃業務が含まれている場合、そのままスライドして活用できます。
ビル清掃員から転職しやすい業界・職種
ビル清掃員から転職しやすい業界
社会福祉事業
清掃業界のスキルや経験を活かすには、社会福祉事業が向いています。現場では清掃の技術を活かす場面も出てくるでしょうし、培ってきたホスピタリティや体力も活かせます。
製造業
自社で工場を持つ製造業も、ビル清掃員からの転職先としておすすめです。
大工場ではルーティン作業が多いため、清掃業で養った集中力や体力がアピールできるでしょう。
ビル清掃業界から転職しやすい職種
介護職
介護の現場での仕事は、ビル清掃業で身につけた経験やスキルを活かせる場面が意外と多くあります。
介護は体力のいる仕事でもありますし、集中力や忍耐力も問われる場面が多々あるでしょう。
ホスピタリティ精神を持ち、気配りのできる方にとっては、とくに向いている職種だといえます。
工場作業員
ルーティンワークが得意な方にとっては、工場作業員がピッタリです。周囲への気配りや現場の整理整頓など、ビル清掃員での経験とスキルが活かせます。
事務
ひとつのことに没頭できる集中力を持っている方には、データ入力などの事務職もよいでしょう。
コツコツと地道に作業することの多い事務作業であれば、清掃で養われた集中力と忍耐力を存分に発揮できます。
同じ業界へ転職をする場合にするべきこと
同じビル清掃員への転職を考えているならば、とくに資格を問われることはありません。清掃員は、初心者からでも取り組みやすい仕事です。
これまでの仕事ではどのように工夫して作業の効率化を図っていたかなど、経験があることをうまくアピールするのが面接では大切です。
清掃員からのキャリアアップを目指すならば、次にあげる資格の取得を検討してもよいでしょう。
建築物環境衛生管理技術者
通称「ビル管理士」と呼ばれる、特定建築物の環境衛生管理が担当できる国家資格です。
特定建築物にあたる百貨店やオフィスビル、図書館などには、必ず建築物環境衛生管理技術者を置くことが法で定められています。
この資格を持っていれば、スキルを持っている証明として清掃業の転職時に非常に有効で、管理者として上位職での就職が目指せます。
受検には実務経験と、講習の受講もしくは試験が必要です。合格率は20%程度となっており、難易度は高めの資格だといえます。
ビルクリーニング技能士
ビルクリーニング作業について必要な技能を評価される資格で、こちらも国家資格です。
資格には1級から3級まであり、1級を所持していれば現場責任者としての職を視野に入れられます。
1・2級は実務経験等が受検に必要となり、3級には受検資格がありません。
合格率は全体で3割程度と簡単な試験ではなく、所持しているとキャリアアップを目指せる資格だといえるでしょう。
清掃作業監督者
ビルクリーニング技能士1級もしくは建築物環境衛生管理技術者を所持していれば、清掃作業監督者の資格を受講できます。
清掃業者として登録する際は必要な資格となるため、持っていると重宝されます。
ビル清掃業においては、スキルや経験を積み重ねたからといって上位職を目指せるかといえば、難しい面があるのは否めません。
ビル清掃業でキャリアを積んでいきたいと考えているならば、何らかの資格取得を目指すのが近道だといえるでしょう。