「いままでマッサージ師として働いてきたけれど、本当に自分に合っているのか?」
長年仕事をしていると、「転職」の二文字が頭にちらつくこともあるでしょう。
マッサージ師として働いてきたスキルを活かせば、さらに自分に合った仕事を探せるかもしれないと考えても、おかしくありません。
この記事では、マッサージ師の経験とスキルを活かしてどのような転職先が考えられるのか、詳しく説明しています。
将来について悩まれているマッサージ師の方は、ぜひ最後までお読みください。
マッサージ師が転職先で活かせる経験やスキル
コミュニケーション力
マッサージ師は、患者とコミュニケーションを取りながら施術していきます。話しやすい雰囲気を出し、相手の心を開いてもらって施術を進めます。
うまく会話のできない高齢者や体調不良の方でも、ゆっくりとコミュニケーションを取り施術することが求められるのです。
患者に寄り添えるようなコミュニケーションの経験やスキルは、どのような職場でも重宝されるでしょう。
体力・心身の健康
全身をつかって施術するマッサージ師は、立ち仕事なうえにかなりの力を込める場面があり、非常に体力を使う仕事です。
また患者を施術するにあたり、マッサージ師自身の心身が健康でないと患者にそれが伝わり、不安感を与えてしまいます。
体力と自身の健康を保つのは、仕事も含めすべてにおいて重要です。
健康管理と体力づくりをしっかり行っている人は、転職活動も不測の事態が起こりづらく、スムーズに進められます。
臨機応変
患者一人一人の悩みや不調に合わせ、施術内容を変える臨機応変さがマッサージ師には求められます。
どのような状況でも同じ方法を取るというのは、マッサージの施術では正解とならないはずです。状況に応じて臨機応変に対応できるスキルは、経験によって蓄積されます。
その経験とスキルは、どの職場でも十分に活かされるでしょう。
誠実さ
たとえマッサージの技術が優れていたとしても、相手を思いやる気持ちがなければマッサージ師として一流とはいえません。
あまり自分とは合わない人が患者として来ても、誠実な心をもって対応することが求められます。
個人的な感情で対応を変えず、どのような患者に対しても誠実な対応を取れるスキルは、とくに接客や営業などで役立てられるでしょう。
傾聴力(カウンセリング力)
施術時に自分から一方的に話しかけるばかりでは、患者も疲れてしまいます。
患者に話をしてもらい、どういった症状なのか、ストレスは感じていないかなど、うまく聞いてあげる傾聴の力はマッサージ師には大切です。
マッサージをしてもらおうと来ている患者は、身体になんらかの不調を抱えています。それをカウンセリングしてうまく聞き出し、適切な処置を施す能力がマッサージ師には必要です。
身体の不調をきっちり把握するための傾聴力のスキルは、どの職場でも人の話を聞く際には重宝します。
医学の知識
毎日の業務によって、自分の手がける分野においての専門知識はどんどんと蓄積されます。とくに全身マッサージの業務をしていれば、全身についての医学的知識が身につきます。
こういった医学的な知識は、同業他社や医療系・スポーツ関係の職場への転職を考えている際に武器となるでしょう。
マッサージ師から転職しやすい業界・職種
マッサージ師から転職しやすい業界
スポーツ業界
これまでの経験を活かし、スポーツ業界へ転職するのはおすすめです。マッサージ師として得た知識と経験は、スポーツジムやパーソナルトレーナーとなることですべて活かせます。
エステ業界
これまで自分が働いてきた職場とは違う環境を求めるのも、悪い選択ではありません。
環境が変わっても接客や対応には大きな違いがなく、これまでのスキルを活かせるメリットがあります。
介護業界
介護業界とマッサージ師は、非常に関係が深いです。高齢者のリハビリを手伝うマッサージの指導員としてニーズが高まっているため、マッサージ師の経験を活かした働き方が検討できます。
医療機器メーカー
医療の知識やコミュニケーション力を活かし、医療機器メーカーへ挑戦してみるのもよいでしょう。
これまでの治療で取り扱っていた機器であれば、商品についての知識があるため、一歩リードした転職活動が期待できます。
マッサージ師から転職しやすい職種
トレーナー
スポーツ関係の業界でトレーナーとして勤務する道を選べば、これまでの技術や知識がそのまま活かせます。
スポーツチームの専属トレーナーやジム所属のトレーナーなど、できる仕事は数多く見つけられるでしょう。治療ではなく、予防を中心とした業務に就くのもおすすめです。
ヘッドスパニスト
体力的にマッサージ師がきついというのであれば、比較的体力的負担の少ないヘッドスパのヘッドスパニストを目指すのもよい選択肢でしょう。
頭皮は体と繋がっているためマッサージ師としての知識が活かせるでしょう。
介護業
介護施設では、マッサージの需要がかなりあります。資格があれば「機能訓練指導員」といった、施設に必要となる職を狙えます。
資格を持っていなくても、介護職員としてコミュニケーションや体力を活かした仕事は、実にたくさんあるのです。
資格がなくてもレクリエーションとしてマッサージしてあげると、利用者からも喜ばれるでしょう。
営業
接客経験やコミュニケーション力を活かし、店舗販売や営業の職につくのも選択肢としてはよいでしょう。
これまでかかわってきた医療関係の企業であれば、営業としてもとりくみやすくおすすめです。
同じ業界へ転職をする場合にするべきこと
同業でも、幅広い施術内容をもつのがマッサージ業界です。転職の際は、転職先が自分のやりたい仕事内容かどうかよく調べておくのが大切です。
また、これまでの経験が活かせる職場なのかも、判断材料となるでしょう。
面接の際は「なぜ前職をやめたのか」「この職場では何が出来るのか」をきっちりと答えられるよう自分の中で棚卸しておくと、面接の成功につながります。
もし資格を持っていないならば、この機会に資格取得を目指すのもよい方法です。
国家資格
マッサージや整体に関する国家資格は「あん摩マッサージ指圧師」、「鍼灸師」、「柔道整復師」などがあります。
いずれの資格も、所持していれば転職には非常に有利です。
ただしそれぞれ所定の学校を出なければ受験資格が得られないため、働きながらであれば夜間の学校を探すなど工夫が必要となります。
民間資格
マッサージ業には「整体師」などの民間資格もいくつか存在します。おおむね国家資格より取得の条件がゆるいのは、民間資格のメリットといえるでしょう。
ただし施術できる範囲は限定的で、医療行為をすると法律違反となるので注意が必要。