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《正面外観》(松井写真館/1933年頃)
白金台の東京都庭園美術館にて、リニューアル記念展として「アーキテクツ / 1933 / Shirokane」と「内藤礼 信の感情」が開催されている。12月25日(木)まで。

東京都庭園美術館は、1933年に朝香宮家の本邸として建てられ、その後美術館として公開されてきた。この建物は、1920年代から30年代にかけて世界中で流行したアール・デコ建築が日本で花開いた作例として国内外の専門家から高く評価されており、東京都の有形文化財にも指定。建築物の外観そのものの造形的な美しさだけではなく、空間に合わせてデザインされた内装や家具なども見どころとなっている。

リニューアルオープン後、最初の建物公開である本展では、3年に及ぶ休館中に行った調査・修復活動を紹介するため、朝香宮邸建築に携わったアーキテクツ(設計者・技術者たち)に焦点をあて、この建物が白金の地に誕生するまでのストーリーを追っている。

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内藤 礼《ひと》2014年 Photo: Naoya Hatakeyama
また同時開催されている、現代美術家・内藤礼の個展も見逃せない。「地上に存在していることは、それ自体、祝福であるのか」をテーマに探究を続けている内藤の作品は、とても静かで小さく、微かな色彩を帯びた作品たちが、“場”に息吹を吹き込む。

本展では、時間の積層や人の過ごした気配を感じる本館、そして新しいホワイトキューブの空間に、内藤の新作彫刻や絵画が命と色を吹き込んでいる。

アーキテクツ / 1933 / Shirokane アール・デコ建築をみる
内藤礼 信の感情
会期:2014年11月22日(土) – 12月25日(木)
※12月24日を除く第2・第4水曜は休館
時間:10:00 – 18:00(12月22日 – 25日は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
入場料:一般700円、大学生(専修・各種専門学校含む)560円、中高生・65歳以上350円
※小学生以下および都内在住・在学の中学生は無料
会場:東京都庭園美術館
東京都港区白金台5-21-9

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渋谷のレストラン「NOS ORG」にて、モスデザインユニット設立20周年記念展「サムロ」が開催されている。2015年1月15日(木)まで。

1995年に設立された「モスデザインユニット」は、グラフィックデザインを基盤に、ストーリーとテクスチャにこだわった作風が特徴的なアニメーションや映像制作を手がけている。NHK「あの人に会いたい」のオープニングから、コカ・コーラ、P&GといったCM、安室奈美恵らのステージ映像など、MVや装丁、CD、アパレルまで活動は多岐に渡る。

本展は、過去の仕事などを紹介するグラフィックを中心とした東京では初となる展覧会で、会期中、展示内容を更新しながら展開。大阪時代のイベント「Freedom time」のグラフィックなど、シーンの一部を担った歴史を感じられるポスターなどの印刷物のほか、よりテクスチャにこだわったグラフィック作品(新作)も展示している。

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展示作品の「Freedom time」ポスター
ライブやトークショーなども随時、行われており、12月29日(月)には「mossfes 2014」が開催。20周年記念イベントにふさわしい、一夜限りの豪華なゲストが勢揃いする。quasimodeの平戸祐介トリオ、ディジュリドゥ奏者GOMAのライブ2本立てに加え、DJは沖野修也&佐藤強志、BROKEN SPORTのダンスが華を添える。

また、トークショーでは、モスデザインユニット主宰の澤田幸が、沖野修也から依頼中の案件を現場でプレゼンテーション&ライブ修正するなど本イベントならではの内容となっている。詳細やお申し込みについては、NOS ORGのWebサイトを参照してほしい。

moss design unit 20th anniversary「サムロ」
会期:2014年11月26日(水) – 2015年1月15日(木)
時間:
12月21日(日)18:00 – 26:00
12月23日(火)18:00 – 26:00
12月24日(水)未定
12月26日(金)21:30 – 29:00
12月27日(土) – 28日(日)18:00 – 26:00
12月30日(火)18:00 – 26:00
1月5日(月) – 15日(木)18:00 – 26:00(週末は29:00まで)
※レストランでの営業のため、貸切の場合、展示はご覧いただけません
会場:NOS ORG
東京都渋谷区宇田川町4-3

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Trooper, Arlington VA 2012年 ©Charlotte Dumas
竹芝のGallery 916にて、アムステルダムとニューヨークを拠点に活動しているオランダ人写真家シャルロット・デュマの個展「ANIMA」が開催されている。12月28日(日)まで。

シャルロット・デュマは1977年生まれ。現代社会における人間と動物の関係性をテーマに扱い、これまでに警察馬や救助犬、動物園で飼育されている動物など、さまざまなシチュエーションの動物を被写体としたポートレイト作品を発表している。

日本での初個展となる本展では、米国兵士たちを埋葬するアーリントン国立墓地で、馬車馬として戦闘に駆り出されることもなくなり、兵士たちを永眠の場所へ運ぶという栄誉ある務めを粛々と行っている馬たちを捉えたシリーズ「ANIMA」より、大判プリント17点と映像作品1点を展示している。

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Ringo, Arlington VA 2012年 ©Charlotte Dumas
個展に際して「人々の暮らしにおいて彼らが取り持っていた役割やその姿は、時代の移り変わりのなかで、徐々に消えてゆく運命にある。実用性の面でも、彼らは必要不可欠な存在ではなくなってしまった。しかし動物たちの存在は、その役割だけで語ることはできない。(中略)私は、生存し繁栄するために寄り添う人間と動物、その間に存在する共存関係に魅かれる」とコメントを寄せている。

また、撮影当時の様子について「アーリントンの馬たちを、彼らの仕事が終わったあとに一頭ずつ撮影した。私とカメラの前で眠りについてゆく彼らの無防備さと、彼らが意識を失い眠りに落ちてゆく様子を写し取った。馬たちと時間を共にしながら、私は彼らの最も親密でプライベートな瞬間に立ち会っているのだと感じた」と振り返る。

人にとっての動物の存在意義や重要性を、多角的な視点から認識させる新たな作品群。ぜひお見逃しなく。

シャルロット・デュマ写真展「ANIMA」
会期:2014年11月7日(金) – 12月28日(日) 祝日を除く月火休
時間:平日11:00 – 20:00、土日祝11:00 – 18:30
入場料:一般800円、学生500円
会場:Gallery 916
東京都港区海岸1-14-24 鈴江第3ビル6F

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model: KEN KAGAMI
中目黒のVOILLDにて、東西南北から新進気鋭のアーティストが集結するアートの祭典「TOKYO ART BOOKAKE FAIR / 東京アートぶっかけフェアー」の記念すべき第一回目が開催されている。

アーティストの加賀美健とVOILLDの独断と偏見により選抜されたアーティスト陣によるZINEやグッズの販売をはじめ、展示、フリマ、パフォーマンス、DJなど、なんでもありなこのイベント。KEN KAGAMI、JOJI NAKAMURA、MOTOYUKI DAIFU、Oh!BlooD!!、ECOS、KOBAI、PNYS、MITSUKO SHIMAE(TMN)、MASANAO HIRAYAMA、おつゆちゃん、junichi fukatsu、sony 清水、mahisasamvara、高原颯時&立川愛子、ドキドキクラブ、TATA、takahiro hara、江崎 愛、小嶋真理、長谷川 有里、NANOOK、東海林 巨樹、BOMB COOLER(松藤美里&池野詩)、MASHU OKI、MA1LL(SIMI LAB)、とんだ林蘭、よりめしろめ、チーム未完成ほか、およそ30組のアーティストが参加している(順不同)。

2014年を締めくくるにはぴったりのイベント。アートをつまみに、ビールでも飲みながら楽しみたい。

TOKYO ART BOOKAKE FAIR / 東京アートぶっかけフェアー
日時:2014年12月19日(金)15:00 – 22:00
12月20日(土)11:00 – 16:30
12月21日(日)12:00 – 22:00
入場料:無料
会場:VOILLD
東京都目黒区青葉台3-18-10 カーサ青葉台B1F

槇原敬之「Fall」
dir: 須藤カンジ|pr: 秋山直樹|dop: 村松剛|l dir: 前田淳|wire stunts: 小池達朗|sty: 鶴見紘子|hm: 北郷啓介|compositor: 田中朝幸|pm: 國谷陽介|cast:仲間リサ
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※YouTubeのショートバージョンはこちら
普段は人が溢れ返る東京の街角が空っぽになり、さらには90°回転。たったそれだけで見慣れた光景が全く違うものへと変化する。そんな不思議な東京の街を、一人の女性がただひたすらに落下してゆく。彼女は何故、落ち続けているのか、いつか地面を踏みしめる時はくるのか・・・。

須藤カンジ監督が手掛けた、槇原敬之のミュージックビデオ(MV)「Fall」は、“全編に渡って人がひたすら落ち続ける”というシンプルでインパクトのあるアイデアを見事にビジュアル化した作品だ。槇原敬之がタイトルの「Fall」に込めたのは、ただ“落ちる”のではなく、“自ら意志を持って飛び込んでいく”という意味合い。須藤監督はそれを汲み取って、いつも見慣れた景色にひねりを加えることで、槇原敬之が楽曲に込めた想いが映像で表現出来るのではないかと考えた。

「1人の女性がひたすら落ちていくのですが、目は死んでないんです。ひたすら落ちて最後のオチに繋がります。槇原さんには3案提案しました。その中でイチオシのこのプランを槇原さんに選んでもらえて、さらにヒントも貰えたので、あとは真っ直ぐにこのアイディアを突き詰めていきました。

このアイデアは、思いついた時、それだけで面白いなくなりそうだと思いました。横になった背景の映像は、カメラカーにカメラを90度回転させて搭載し、撮影しました。道路を正面から進んで行く映像は普通に撮影して、編集で上下を180度反転しただけですが、それだけで落ちているように見えるのが気持ち良くて、編集をしながらずっと見てしまいました(笑)」(須藤監督)

最初は無人の東京ではなく、浅草の雷門前や新宿の歌舞伎町のように、人を感じさせるシーンも作ろうと考えていたが、制約のため撮影が叶わなかった。そこで、逆に普段の景色から人がいなくなった画に決めて、そのためにロケハンを徹底し、人がいない時間帯を背景を撮影している。

須藤監督によるコンセプト案。
※画像クリックで拡大します。
撮影期間は、背景に1日、人物のスタジオ撮影に1日の計2日間。落下してゆく女性は、グリーンバックにワイヤーアクションで撮影しており、後から背景に合成している。主演を務めたモデルの仲間リサ氏にとっては、体力勝負の撮影現場になったことだろう。身体能力が求められるうえ、体力の消耗も激しい環境において、須藤監督が「いろんな厳しい動きの中でも表情の表現など全てを完璧にこなしてくれて凄いなぁと思いました」とリスペクトを贈るほどだったという。

「ワイヤーアクションはアルファスタントの小池達朗さんにお願いしました。小池さんは人の動きをしっかりとイメージできていてこちらの要望にいろんな方法で対応してくれるんです。ワイヤーを2点で吊ったり4点だったり、仰向けうつぶせだったりなど、いろんなことを試させてもらいました。

そして、仲間さんを吊っているワイヤーの消し込み作業が大変でした。時間の制約もあったので、ポスプロ4社で消し込みと合成を平行して進めるという前代未聞の作業になってしまいました・・・。各ポスプロから上がってきた素材が最後に一つになった時は感動的でした」(須藤監督)

無人のコンクリートジャングルに溶け込むような仲間リサのコーディネートなど、ファッション性の高さも「Fall」の見逃せないポイント。須藤監督が目指したのは、“どこを切り抜いても一枚絵として成立する”ことだ。

「そこを目指す上で、衣装やヘアーメイクまで全てこだわりました。特にしっとりとした質感にはこだわりたかったのですが、幸い背景の撮影日が曇りだったので、それに合わせたライティングで人物を撮ることが出来たのが大きかったです。いろんなミラクルが重なって出来た作品ですね」(須藤監督)

■ 「Fall」の直前にワイヤーアクションで撮っていたショートフィルム「36」
須藤カンジ×DanceNotAct×秋元梢「36」
dir: 須藤カンジ|pr: 石原裕久|dop: 村松剛|l どr: 前田淳|wire stunts: 小池達朗|hm: 粕谷ゆーすけ、原大治|costume de/sty: 松下洋介|costume de: 吉田直人|headpiece de: 篠崎恵美|ad: 松本千広|compositer: 田中朝幸|casting: 雄川裕志|m: theCharmPark|pm: 岩元映保里
じつは、「Fall」の少し前に、須藤監督はワイヤーアクションを使ったショートフィルム「36」を撮っている。「それもあってこのアイデアが出たのかもしれません。1ヶ月以内に2度もワイヤーアクションの撮影をしてしまいました」と語るように、「Fall」のアイデアの源泉にもなった作品だ。

「11月に行われた「TOKYO DESIGNERS WEEK 2014」の中の「北斎漫画インスパイア展」への出展のお誘いをいただいて、プロダクションのDanceNotActさんとモデルの秋元梢さんと一緒に作った作品です。葛飾北斎の「富嶽三十六景」をテーマにアイデアを考えたら、自分の中で“宇宙の真実”というヒントに辿り着いて、その世界を純粋に映像にしました。商業ベースに乗っていない純粋な作品作りをここまでやらせていただいて、関係者の方々には本当に感謝をしています。

ずっと撮りたかった秋元梢さんとのコラボだったので、こちらもいかにファッション性の高いものになるかがキーでした。衣装もゼロから作りました。羽衣のようにたなびく素材のため、合成が前提の作品にも関わらず、グリーンバックでは撮影せずに、白ホリを使って質感を守りました。

この時に小池さんにワイヤーアクションでお世話になって、3週間後の槇原さんの撮影では撮影チーム、照明チーム共にほぼ同じスタッフで挑めたので時間が無い中でもスムーズにやれました。2015年も、一度はワイヤーアクションをやりたいです!」(須藤監督)