Hot Chip「Need You Now」
dir: Shynola|prod co: Black Dog Films|pro: Jacob Swan Hyam|ad: Ezra Piers-Mantell|ed: Leila Sarraf(Trim)|DoP: Benoit Soler|colourist: Paul Harrisson(Finish)|VFX/online: Ross McDowell
1年を通じて雨の多いイギリスを象徴するような、どんよりとした空の下。今しがた恋人との関係にピリオドを打ち、心模様も曇天のAlexis Taylor(アレクシス・テイラー|Vo)扮する男の登場で幕を明けるHot Chipの新作ミュージックビデオ(MV)「Need You Now」。まるで悪いことは続くとばかりにいきなり車上荒らしに車を襲われ、慌てて犯人を追跡する男だったが、徐々に彼を取り巻く世界は奇妙なループに陥り、ラストは意外な犯人像と、パラレルワールドをまたいで本当に追い求めていたものへと辿りつく・・・。

イギリス、ロンドンを拠点に、ポップやヒップホップ、ロックをブレンドしたエレクトロサウンドで世界を魅了する、Joe Goddard(ジョー・ゴッダード|Synth)、Owen Clarke(オーウェン・クラーク|Ba)、Al Doyle(アル・ドイル|Gt)、Felix Martin(フェリックス・マーティン|Dr)、そしてボーカルのテイラーからなる5人組バンドHot Chip。6thアルバム「Why Make Sense?」の発売に先駆け公開された本作の、パズルのようなメタ的ストーリーに迷い込もう!

本曲「Need You Now」は、1983年にアメリカのR&B女性トリオSinnamonのダンスクラッシックを、Hot Chipがサンプリングしたもので、“上手くいかない人生の中にいるなんて、夢にも思っていなかった”とささやくテイラーの美しい歌声と、きらびやかなエレクトロサウンドが、曲のセンチメンタルなムードを引き立てる。

シーンとシーンが複雑に関係し、入れ子のような構造を持つ本作を手掛けたのは、Chris Harding(クリス・ハーディング)、Richard Kenworthy(リチャード・ケンワージー)、Jason Groves(ジェイソン・グローブズ)からなるロンドンのディレクター・コレクティブ、Shynola(シャイノーラ)。暗闇の中で“不気味の谷”を越えてエミリアナが歌うMV「Tookah」や、Coldplay(コールドプレイ)のMV「Strawberry Swing」、Radiohead(レディオヘッド)のMV「Pyramid Song」、9分間のSFムービー「Dr. Easy」、映画「銀河ヒッチハイク・ガイド」のCGアニメーションなど幅広く活躍する。

「Need You Now」のテーマは“全てがバラバラになった人生の過程で、理解され、守られ、愛されていると実感する時間を描く”こと。制作に当たり、シャイノーラとHot Chipは話し合いを重ね、互いの創作への考え方や姿勢、そして美的感覚がとても近いことを確認し合った。

また、トリッキーな映像表現であることに加え、天候も優れなかったことから、撮影は思った以上に大変なものとなったようだ。「シンプルな映像制作を目指したところ、気持ちがとろけそうな結果になりました。いくつもの時系列に並んでいない現実を何バージョンも、雨と風の中撮影したところを想像してみてください」と、シャイノーラは振り返る。

Hot Chip「Huarache Lights」
dir/pro: Andy Knowles|prod co: Ralph Creative|installation de/artwork: Robert Bell|ed: Jonah Maddox|DoP: Jack WiIkinson
こちらも6thアルバム「Why Make Sense?」収録曲からのMV。アルバムの中核を成す楽曲で、「アイデアを思いついてから、あっという間に完成した」とテイラーは語っている。MVは、ロンドンのアーティスト、Robert Bell(ロバート・ベル)のライトインスタレーションにインスパイアされ、ワンテイクで撮られている。
オックスフォードシャー州とロンドンでレコーディングされ、Hot Chipのメンバーが“今まででベストアルバム!”と語る「Why Make Sense?」。ロック色の強かった前作「In Our Heads」から一転、今作はヒップホップやR&B色が濃厚な1枚になっている。

また、オプアートの第一人者であるイギリスの画家、Bridget Riley(ブリジット・ライリー)に影響を受け、Nick Relph(ニック・レルフ)がデザインした「Why Make Sense?」のアルバムジャケットは、Hot Chipいわく、“かつて誰も使ったことがないユニークな特注の印刷技術”を利用し、なんと501種類ものカラーラインナップが存在する!しかも描かれたグラフィックにはそれ以上のバリエーションがあり、その数は10万を超えるそうなので、自分にぴったりの一枚を探してみるのも面白い!
jump_towada
青森の十和田市現代美術館にて、「ジャンプ ーアートにみる遊びの世界ー」展が開催されている。8月30日(日)まで。

どうしてもぬぐい去れないものだが、使いようによっては思いがけない力を発揮する“重力”。子どもたちは、そこにはまるで重力がないかのように飛び跳ねている。子どもには重力が効かないのか、あるいはオトナたちが飛べなくなっただけなのか。いや、もしかしたら、柔らかい考えを持った飛べるオトナもいるかもしれない。

本展は、そんな、飛ぶ力を捨てずにこの星と生き続けているオトナ=芸術家たちによる展覧会。エルヴィン・ヴルム、相川勝、西京人(チェン・シャオション、ギムホンソック、小沢剛)、スプツニ子!、ナンシー関、増田拓史、森田浩彰、ポリプラネットカンパニーが参加し、この星の力と対話をしながら、いたずらにも見えるような仕掛けを美術館に巡らせる。
ジャンプ ーアートにみる遊びの世界ー
会期:2015年4月18日(土) – 8月30日(日)
※月休(月曜が祝日の場合はその翌日)。ただし、4月27日、5月7日、8月3日、10日は開館 時間:9:00 – 17:00
※5月2日 – 5日は18:00まで延長開館
入場料:企画展+常設展セット券1,000円、企画展の個別料金は一般600円、高校生以下は無料
会場:十和田市現代美術館、中心市街地ほか
青森県十和田市西二番町10-9

NIPPON47
渋谷のd47 MUSEUMにて「NIPPONの47人 2015 GRAPHIC DESIGN」が開催されている。5月24日(日)まで。

“旅”、“物産”、“地域問題”など毎回様々なテーマで、47の都道府県の個性を47の常設展示台を使って紹介してきた「d47 MUSEUM」。12回目となる今回は、シリーズ「NIPPONの47人」の2回目。日本の47の地域からグラフィックデザイナーを選出し、彼らの作品とともにその地域性にも注目するというもの。

工芸や農業など、様々な分野においてデザインが必要とされる今、都市圏のものと思われていた“デザイン”は、伝統工芸や食文化などの風土を背景とするその土地ならではの個性として興味深く見ることが出来る。そこには、それぞれの土地に根付く地元企業とそれぞれのデザイナーが対話を重ねた答えとしての、時間と風土に影響されたデザインがあると言えるだろう。
NIPPON47_works
左上から時計回りに
小板橋基希(山形)ポスター「蛙昇天」
土屋誠(山梨)リーフレット「HOKUTO FIELDNOTE」
立花かつこ(徳島)パッケージ「阿波晩茶」
長嶋りかこ(東京)パッケージ「BAO BAO ISSEY MIYAKE×Rikako Nagashima(FREE HAND BAG)」
なお5月16日(土)には、大阪と富山で活躍する2人のグラフィックデザイナー(原田祐馬、宮田裕美詠)をゲストに迎え、「d47 MUSEUM」ディレクターのナガオカケンメイが聞き手を務めるトークイベントも開催される。

その土地に住み、その土地で創作している47人の豊かな個性と、その土地の風土や環境から生まれるデザインを一堂に眺めながら、日本中に“その土地らしいデザイン”があるということを実感したい。
NIPPONの47人 2015 GRAPHIC DESIGN
会期:2015年4月3日(金) – 5月24日(日)
時間:11:00 – 20:00(入館は19:30まで)
入場料:一般500円、学生400円、小学生以下は無料
会場:d47 MUSEUM
東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ

NileKoetting
《SP 2000》2011 Photo by Kazuki Nagayama(S-14)
白金高輪の山本現代にて、ナイル・ケティングの個展「Hard In Organics」が開催されている。5月16日(土)まで。

近年、“センシング(感知、感覚)”というテーマを中心に、映像、インスタレーション、サウンドアート、パフォーマンスなどの領域を縦横無尽に渡り、精力的に制作している注目すべき若手アーティスト、ナイル・ケティング。
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《Deep Signals》2015 Video(2ch) 23min58sec ©Nile Koetting
Courtesy of YAMAMOTO GENDAI
日本では昨年、アートフェア東京にて「ESSE」と題された展示を発表し、鮮烈な印象を残している。また、学生時代より勅使川原三郎に師事してパフォーマンスを始め、現在はベルリンでコンスタンツァ・マクラス率いるドーキーパークにてダンサーとしても活動している。

本展は、新作の映像作品「Deep Signals」を軸に、ピエゾフィルムシートというスピーカーを用いてフィルムの表面にプリントされたラブレター(スピーカーの原理を発見したピエール・キュリーが妻マリーに宛てた手紙)を読み上げる作品「Piezo Electoric Effect # P.Curie」、2層のアクリル板の間に水晶が挟まれている譜面台状の作品「On Symmetry in Physical Phenomena」、圧電素子を連結させた音響彫刻、クリスタルの結晶群のインスタレーションなどにより、展示室全体が1つの舞台空間のように構成されている。
ナイル・ケティング個展「Hard In Organics」
会期:2015年4月11日(土) – 5月16日(土) 日月祝休
時間:11:00 – 19:00
入場料:無料
会場:山本現代
東京都港区白金3-1-15 3F

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《蝶を放つ》小金沢健人|2014|video, note
目白のTALION GALLERYにて、日本では6年ぶりとなる小金沢健人の個展「蝶を放つ」が開催されている。5月3日(日)まで。

1974年、東京都生まれのアーティスト、小金沢健人。長年ベルリンを拠点として活動し、多様な表現媒体を自在に駆使して、異なるイメージを重ね合わせる作品をこれまで世界各地で発表。映像表現のパースペクティブを更新しうる最も重要なアーティストの一人として注目されている。
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《けものみち(部分)》小金沢健人|2015|notebook
本展では、ノートに描かれたドローイングによって構成されるインスタレーション作品と、ドローイングのアニメーションを収めた映像作品を展示。ノートに左右対称に描かれたように見えるドローイングは、ノートをぱらぱらとめくるとアニメーションのように動きはじめる。

新作に見る小金沢の“現在形”に注目したい。
小金沢健人「蝶を放つ|Setting the Butterfuly Free」
会期:2015年4月4日(土) – 5月3日(日) 月火祝休
時間:10:00 – 19:00
入場料:無料
会場:TALION GALLERY
東京都豊島区目白2-2-1 B1