three「Eat Me」2012 撮影:加藤健
銀座の資生堂ギャラリーにて、「第6回 shiseido art egg」展が開催されている。(three展の会期は明日まで!)

今年で第6回となる「shiseido art egg」は、発表の場を求める新進アーティストに向けて、ギャラリーの門戸を広く開くことが目的の公募制のプログラム。本年は314件の応募があり、入選した3組が資生堂ギャラリーで個展を行い、展覧会終了後、3人の審査員が3つの個展の中からshiseido art egg賞を選出することになっている。

鎌田友介「After the Destruction」2011
お弁当などについてくる小さな醤油さしや、フィギュア、菓子など既存のモノを素材として、それらを無数集積、反復させることで彼らの目に映った現代社会を表現している3人組のユニット、three(スリー)、3次元の現実世界を解体し2次元につくり替え、再び3次元空間に構成することで知覚のゆがみをつくりだすインスタレーションを展開する鎌田友介、身の回りのものから生活を豊かにする小さな幸せを見出すことをテーマに、日用品などの表面(視覚情報)を消しゴムで消し、その消し屑から、元の視覚情報を立体(彫刻)に還元した小さくて精巧なオブジェや、長靴のゴム底に彫刻された恐竜、ファンデーションから生まれたヴィーナスなどを作りだす入江早耶が、それぞれ個展を開催している。

入江早耶「カンノンダスト」2010 撮影:鹿田義彦
次の機会に応募するもよし、次代を担う世代を応援するもよし。まずは3組の作品を見に行こう!
第6回 shiseido art egg
会期:three展 2012年1月6日(金) – 1月29日(日)
鎌田友介展 2012年2月3日(金) – 2月26日(日)
入江早耶展 2012年3月2日(金) – 3月25日(日)
※いずれも月休、入場無料
時間:平日11:00 – 19:00、日・祝11:00 – 18:00
会場:資生堂ギャラリー
東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階

人生はビギナーズ
2010年/アメリカ/105分/ヴィスタビジョン/ドルビーSR・SRD
監督・脚本:マイク・ミルズ|撮影:カスパー・トゥクセン|音楽:ロジャー・ネイル、デビッド・プラマー、ブライアン・レイツェル|出演:ユアン・マクレガー、クリストファー・プラマー、メラニー・ロラン、ゴラン・ビシュニック
マイク・ミルズ(脚本・監督):1966年、カリフォルニア生まれ。フィルムメーカーおよびグラフィック・デザイナー、アーティストとして活躍。「サムサッカー」(2005)で長編デビュー。CM、ミュージックビデオ(MV)の監督としても活躍し、ロマン・コッポラとザ・ディレクターズ・ビューロー(TDB)を1996年に共同創立し、Air、パルプ、Moby、オノ・ヨーコ、Jon Spencer Blues ExplosinなどのMVを作ってきた。CMでは、Levis、GAP、Volkswagen、adidas、NIKEなどを手がけている。グラフィック・デザイナーとしては、ソニック・ユース、ビースティ・ボーイズ、ボス・ホッグ、バッファロー・ドーターなどのCDジャケットを手掛けたほか、X-girl、MARC JACOBS、Supremeなどのファッション関連のグラフィックも担当。彼の15年に渡る活動を収めたレトロスペクティブブック「Graphics/Films」が2009年に出版されている。
ショートフィルム「Paperboys」、映画「サムサッカー」など日常のリアリティを今の時代の空気で描いてきたマイク・ミルズ監督の結晶ともいえる新作映画「人生はビギナーズ」が、2012年2月4日(土)より、新宿バルト9、TOHOシネマズシャンテほかにて全国公開される。

本作はマイク・ミルズのプライベートストーリーを映画化したもので、実父の75年目のカミングアウト、ガン宣告と死、そこから学んだ自身の人生における成長を見事に映画化した希望の物語だ。主演にはユアン・マクレガー(「トレインスポッティング」「ムーラン・ルージュ」)、メラニー・ロラン(「イングロリアス・バスターズ」「オーケストラ!」)、そして本作でアカデミー賞助演男優賞ノミネート、ゴールデングローブ賞史上最年長(87歳)の最優秀助演男優賞を受賞したクリストファー・プラマー(「サウンド・オブ・ミュージック」「ドラゴン・タトゥーの女」)といった豪華な顔ぶれが揃う。彼らの瑞々しくリアリティに満ちた演技には、思わず心動かされてしまうことだろう。

映画「人生はビギナーズ」予告編
あらすじ:「私はゲイだ。これからは本当の意味で人生を楽しみたいんだ」。それは母に先立たれた5年後、癌を宣告された75歳の父、ハルからの突然の告白。元々は厳格で古いタイプの人間だった父が、そのカミングアウトをきっかけに若々しいファッションに身を包み、パーティーやエクササイズに精を出し、若い恋人まで作って、新たな人生を謳歌し始めた。一方、息子、オリヴァーは、38歳にして未だ独身。友達は仕事と犬。元々の臆病な性格故か、父のカミングアウトに戸惑いを隠せなず、運命の女性、アナとの恋にも自ら終止符を打つという最悪の結末を迎えてしまう。しかし、自分の気持ちに正直に生きる父の姿を見たオリヴァーは、次第に大事なことを学んでいく。そして、父が75歳で踏み出した新たな一歩を、オリヴァーは38歳で踏み出す。
実体験を基にした「人生はビギナーズ」。どのようなきっかけから、映画作品として世に送り出そうと思ったのだろうか。

「本作を撮ったのは、僕の父が(同性愛者であることを)カミングアウトしたことがきっかけです。父は75歳で、それまで母と45年も連れ添っていました。父の人生を根本から変えたいという思いは、周囲を混乱させ、その姿は痛々しくもあり、非常に滑稽で、それでいて勇気をくれました。そして今まで見たことがないほど父は生き生きとしていったのです。僕は、その全てを書かなければならない。どんなに恐ろしくても。まだうまくいかなくても、正直になれてなくても、それを飲み込めてなくても。僕はそうすべき時が来たと感じたんです」(ミルズ監督)

■ 自身の人生の一部を映画化するにあたって
撮影現場より。左から、キャスパー・タクセン撮影監督、ユアン・マクレガー、マイク・ミルズ監督
父親の人生を通して自分の殻を破ること、誰かと共に生きることを表現したかったというミルズ監督は、その死から5ヶ月で脚本を練り上げた。ミルズ監督の個人的な体験がベースになっているが、訴えかけてくるものは普遍的なメッセージ。人生における葛藤、不安、愛、ユーモアの数々は観客を勇気づけてくれる。また、“外的”だった父親の時代、40代半ばのミルズ監督世代の“内的”な社会的時代背景も、それぞれの人にそれぞれの共感を呼ぶのではないだろうか。

「脚本制作で気を付けたことはナルシストになりすぎない、自己憐憫に陥らないこと、大事なものであることを強調しすぎないこと。それよりも、物語を自分が創っていく中で、人とのコミュニケーションを取りたいということが大前提にありました。僕が見ているもの、知っていることや人たちについて、ドキュメンタリー的な思考で本作に取り組んでいます。同時にリアルな形で自分の欲望や不安、それらは父のものでもあったのですが、感じていたものをどう表現するか、また僕と同じ世代で父のような環境にある人が抱く不安や欲求を、ドキュメンタリー映画のようなアプローチで描いていきました」(ミルズ監督)

■ パーソナルの持つ力=現代のリアリティ
撮影の現場より
アートスクール時代から日常的で普遍性があるパブリックな世界に惹かれ、エロール・モリスのドキュメンタリー映画「The Thin Blue Line」にインスパイアされてグラフィック・デザイン、映像/映画へと方向転換をしていったミルズ監督だけに、本作には瑞々しいリアリティが溢れている。それを実現した大きなカギとなったのは、役者陣だ。ユアン・マクレガー演じるオリヴァーのまるでミルズ監督そのものような佇まい、メラニー・ロラン演じるアナとの愛おしさに満ちた恋愛の描写、そして、クリストファー・プラマー演じるハルの生き生きと生命力に溢れた完璧なゲイとしての魅力。あらゆる登場人物が、等身大のリアリティを持っている。

ミルズ監督は、クランクインの前にマグレガーとプラマーへ「監督としては、キャラクターやシーンに関して自分が書いた脚本やアイデアにこだわるつもりはありません。その時々のエネルギーと意外性を信じています。リハーサルには2週間かけることを考えており、その中で演技の雰囲気と吟味を行い、誰も思いつかなかった微妙なニュアンスを表現していきたいと考えています」と綴った手紙を送っている。実際にリハーサル、そして撮影現場ではどのようなやりとりがされたのか尋ねてみた。

「例えば自分の奥さんに僕がどうしたいのかを説明するようなパーソナルなニュアンスで、クリストファーやユアンに手紙を書きました。リハーサルがとても重要で、台本をなぞっていくのではなく、キャラクターをどう表現していくのか、何がそこで表現されているのかを役者自身に考え、感覚として身につけてもらって、リアルな気持ちになってもらうことが必要でした。そのため、ユアンとメラニーにはマジックマウンテンに行ってもらい、2人が苦手なジェットコースターに乗って、恋の始まりの感覚、恐れや不安、興奮といった感情を経験してもらいました。間違ってもいいから自由に体験して、感情にリアルに向き合ってもらうことを大切にしたんです」(ミルズ監督)
「実際の撮影では、最初の5日間でクリストファーとユアンの最も重要な5つのシーンを時間軸に沿ってリハーサルをした後、順撮をしていきました。毎回、練習はあまり多くしていません。彼らは素晴らしい役者です。リハーサルで疲れさせたり、飽きさせたりしないように気を配りました。その代わり役になりきってもらうため、例えばユアンとクリストファーに2人っきりでショッピングセンター出かけてもらったりしました。1,000ドルを渡し、クリストファーに「さあ、これからあなたはゲイです。若い男の子にモテるような服を2人で買い物してきてください」と伝えました。クリストファーはスキニージーンズを買ってユアンがお金を払って・・・。リハに遅れそうになりながら戻ってきました(笑)。キャラクターとして生きる体験をしてもらいたかったんです。

メラニーに関しては、ハルの死後、オリヴァーとの絡みが始まっていくのですが、約1週間のリハーサルで、同じように5つの重要なシーンを体験してもらい、順撮りしていきました。順撮りというのはとても大切だと思います。より意味深いものが理解できるし、役者や撮影クルーにとっても共有できる体験として重要だと思います」(ミルズ監督)

■ 撮影現場より。タッグを組むのはキャスパー・タクセン
キャスパー・タクセン(写真中央|撮影監督):デンマークの国立映画学校でマーティン・デ・トゥラー監督と手を組み、撮影監督として広範囲に及ぶ共同作業を始めた。2008年カンヌ国際映画祭でワールド・プレミア上映された、短編映画「Young Men Falling」、「記憶の谺(こだま)」(2007/アンデシュ・モーゲンサラー監督)や長編アニメ作品「Princess」(2007/アンデシュ・モーゲンサラー監督)などが代表作。最近では、2010年サンダンス映画祭でエリック・メンデルゾーンが監督賞を受賞した「3 Backyards」(2010/エリック・メンデルゾーン監督)、クロエ・セヴィニー出演の「The Wait」(2010/M・ブラッシュ監督)などがある。
今回撮影に使用したのは1世代前のRED。320万ドルの予算と31日間の撮影期間を実現させるためにもデジタル・カムコーダは必須だが、ミルズ監督はデジタル・カムコーダがそもそもお気に入りだ。フィルム・カメラと違ってプレッシャーを感じることなく回しっぱなしで撮影を進めることが可能で、そして役者にとってもカジュアルな雰囲気の中、急かされることもなく演技が出来るからだ。

今回撮影監督を務めるのは、マーティン・デ・スラウ監督作をほとんど手掛けているキャスパー・タクセン。彼を起用した意図について、ミルズはこう語っている。

「僕が「人生はビギナーズ」で最も表現したかったことは、人生の冒険についてであり、自分の殻を破ることについてです。この映画は、病気や死というものを描いていますが、始まりの話であり、変化の話であり、どんなに深刻な時であろうと人生は心から楽しめるものだという話。キャスパーは活動的で若々しいスピリッツに溢れていて、エモーショナルでパワフルな撮影監督です。重い内容になりかねない作品ですが、僕はそれを望んでいなかった。それにはキャスパーの持っている才能や技術、知識の全てが必要でした。キャスパーは機材や照明が少なくてもどうすればいいのかを知っていたし、露出に関しては驚くほど正確なスキルを持っています。彼は昔子役だったこともあり、パワー溢れる彼の存在が、役者にとってもいい影響を与えていたと思います」(ミルズ監督)

■ 映画を完成&リリースしての感想
映画が完成、公開し、プラマーの演技をはじめ高い評価を得たミルズ監督。完成後の思いとは。

「特殊なストーリーの映画ですが、“小品”として扱おうとは思いませんでしたし、ましてや“キワモノ”“インディーズ映画“にはしたくありませんでした。僕は、このストーリーを一度語ってみたかったのです。そして映画を通して多くの観客に寛大になってもらって、自分を進化させ、革新的に生きて、僕の父のように深く人と関わりを持ってほしかった。
今回はリスクのある作品作りでもあったと思いますが、自分の信じたやり方でいい結果、いい作品が出来たと思っています。フィルムメーカーとして、より勇敢に挑めたし、観客ともより強くコミュニケーション通じ合えたのではないでしょうか。映画監督として自信や勇気に繋がりました。
僕にとって、映画は人々とコミュニケートする手段です。ビジュアル的なものでも映画史的なものでも美意識でもなく、人々と共有する自分なりの手法だと。だからこそ、世界との共有の仕方がとても大切な点だと思いました」(ミルズ監督)

「人生はビギナーズ」は、2012年2月4日(土)より、新宿バルト9、TOHOシネマズシャンテほかにて全国公開。クリストファー・プラマーがアカデミー賞助演男優賞にもノミネートされた注目作、ぜひとも劇場で鑑賞してみてほしい。

■ 5つの質問 一問一答
1: 一番影響を受けたものを教えてください
沢山あって答えに困るけど、ビジュアル・アートや音楽。特にロスのパンクロック/ハードコアバンドや、ブラックフライズ、トーキング・ヘッズ、バズコックス、クラッシュといったバンドに影響を受けています。シナリオを書く上で、今でも大きな影響を受けています。
2: この職に就いたきっかけは?
子供のころからアートを作っていて、映像、映画に移っていきましたが、自分のやれることをやっているに過ぎないんだと思います。世界とコミュニケートする自分なりの手段だと思います。
最初はスケートボードのグラフィックなどをやっていたんですが、それが映画作りに代わっていきました。作るものが変わってもやっていることは同じだと思います。
3: 一番好きな映画は何ですか?
一週間に3、4本観ているので1本に限定しにくいんですけど、ここ一週間で観た中だと、ハンフリー・ボガート主演の「カサブランカ」。ものすごく色々な要素が集約されていて素晴らしい映画だと思います。
もうひとつはヴィム・ヴェンダースの70年代の作品「都会のアリス」です。
4: 作業場のまわりに必ず置いているものベスト3は?
一つは窓。一日中シルバーレイクの景色を眺めています。
あとは本ですね。スイス人アーティストのフィッシュリ&ヴァイスは好きな作家。
そして、犬のゾーイ。今も足元にいて一日中一緒にいます。
5: 今おもしろいもの/事って何ですか?
森の散策。野生が好きで鹿、熊、七面鳥などによく遭遇します。動物全般にも興味を持っていて、大切に思っています。ホンマタカシさんとロスで一緒に仕事をしたりしているんですが、実際に存在しているマウンテンライオンを撮影したり、アニマルライツにも興味があるし、僕の犬に対してもリスペクトをしながら、所有物ではなくどう付き合っていくか、魂をどう理解するかを考えています。
「人生はビギナーズ」(原題:Beginners)
2010年/アメリカ/105分/ヴィスタビジョン/ドルビーSR・SRD
監督・脚本:マイク・ミルズ
製作:レスリー・アーダング、ディーン・ベネック、ミランダ・ドゥ・ペンシエ、ジェイ・バン・ホイ、ラース・ヌードセン
撮影:カスパー・トゥクセン
美術:シェーン・バレンティーノ
衣装:ジェニファー・ジョンソン
音楽:ロジャー・ネイル、デビッド・プラマー、ブライアン・レイツェル
配給:ファントム・フィルム/クロックワークス
公式サイト:映画「人生はビギナーズ」公式サイト
2012年、2月4日(土)より、新宿バルト9、 TOHOシネマズシャンテほかにて全国公開!
© 2010 Beginners Movie, LLC. All Rights Reserved.
■ X-girl×「人生はビギナーズ」
映画の日本公開を記念して、ファッションブランドX-girlとのコラボレーションTシャツの発売が決定! 映画の原題「Beginners」のロゴをプリントし、メンズとレディスのユニセックスサイズで展開される。ボディカラーはネイビーのみで、袖にはマイク・ミルズ監督デザインのX-girlロゴを配置したポップな1枚。全国の上映会場やX-girl各店舗で販売中!

21年連続で40%を超え、前回の2011年は46%という驚異的な視聴率を記録した、アメリカンフットボールのチャンピオンを決める全米最大のスポーツイベント「NFLスーパーボウル」。その高視聴率ゆえCM放映権料も毎年世界最高額となり、2012年も大会1ヶ月前の段階で既に全CM枠が完売。その平均放映権料は史上最高の350万ドル(約2億7,157円)に達したという。

そんな一大イベントであるスーパーボウルで2011年に放映されたCMの中で最も人気を集めたのが、フォルクスワーゲンのCM「The Force」だ。ダースベーダーに扮した子供と気の利くお父さんとの微笑ましいやりとりは、アメリカのみならず世界中で話題となり、2011年にYouTubeの再生回数が多い動画第9位にランクインしたほど。

そして、2012年のスーパーボウルの開催も2月5日に迫る中、フォルクスワーゲンが今年のスーパーボウルのティザーCM「The Bark Side」を公開した。大好評だった「The Force」の系譜を継ぐ、「スター・ウォーズ」を取り入れた作品なのだが、その内容とは・・・。

Volkswagen「The Bark Side」 dir: Keith Schofield|chief creative officer: Mark Hunter|ad: Kate O’Connor|c: Donna Ko|ed: Nicholas Wayman-­Harris(Union Editorial)m: Endless Noise|a: Deutsch Los Angeles|prod: Caviar|post prod: Resolution|audio post prod: Lime Studios
このティザーCM「The Bark Side」(Barkは“吠える”の意味)は、「スター・ウォーズ」ファンならずともお馴染み、シスの暗黒卿ダース・ベーダーが登場する時に流れる「帝国のマーチ」を11匹のイヌが合唱(?)するもの。“子供×ダース・ベイダー”に続く、可愛らしいものと「スター・ウォーズ」を掛け合わせた、微笑ましい作品だ。

今作を手掛けたのは、ロサンゼルスの映像プロダクションCaviarに所属するディレクター Keith Schofield(キース・スコフィールド)。最近では、股間にもう一つの顔を生やしてしまうというお下劣なユーモアが炸裂するDuck Sauceの爆笑MV「Big Bad Wolf」を手掛け、そのセンスにますます磨きをかけているスコフィールド監督だけに、この「The Bark Side」でも細かな小ネタを随所に仕込んでいる。

イヌたちをよく見ると気付くのだが、黒いイヌがダース・ベイダーのボイスチェンジャーを首からぶら下げていたり、小柄なイヌがイウォーク族のかぶりものをしていたりする。また、チューバッカ役と思しきイヌは、途中でチューバッカそのものの鳴き声で咆哮。そして終盤には、12匹目となる4足歩行兵器 AT-ATに扮したイヌまでも登場してしまう。おまけに、CM最後のタグラインが表示される際の効果音がライトセーバーのそれと同じもの。徹底したこだわりが覗える演出だ。ちなみに、登場する12匹のイヌは、40匹の雑種犬の中から選ばれた精鋭。集合撮影と、個々での撮影の素材を両方使用している。

なお、CMに合わせて公開された特設サイトも思いっきり「スター・ウォーズ」風。超有名なオープニングとメインテーマが流れ、1月27日(現地時間)に発表があるという予告が書かれている。気になる方は、Facebook、Twitter、Google+で要チェック!
日々数多くのストップモーションアニメーション作品が作られている中、今回はフィギュアやGoogle ストリートビュー、紙などを使って生み出された、素晴らしいクオリティの作品をご覧いただきたい。

「Assassin’s Creed Revelations Fan Tribute: Assassin VS Ninja!」
dir: John Huang
まず1つ目は、フィギュアを使ったストップモーション作品「Assassin VS Ninja!」だ。台湾のcounter656ことJohn Huang(ジョン・フアン)氏制作によるこの作品は、ゲーム「Assasin Creed」シリーズに登場するエツィオが忍者と闘うという内容。実写さながらに動くフィギュアや演出によって、非常に迫力溢れる映像となっている。フィギュアを使ったストップモーションといえば、何度となく取り上げているPatrick Boivin(パトリック・ボワヴァン)氏が有名であるが、Huang氏も約2ヶ月に1本というハイペースで非常に良質な作品を生み出し、自身のYouTubeチャンネルで公開している。今後の作品にも非常に注目だ。

「Address Is Approximate」
dir: Tom Jenkins|m: CInematic Orchestra「Arrival of the Birds」
2つ目は、Google創業者で現CEOのラリー・ペイジが自身のGoogle+で紹介したことでも大きな話題となった、Google ストリートビューの画像とそのコンセプトを使った作品「Address Is Approximate」だ。この自主制作映像を手掛けるTom Jenkins(トム・ジェンキンス)氏はロンドンの映像プロダクション The Theoryの設立者。共同創始者のSimon Sharp(サイモン・シャープ)とのディレクターズ・デュオ名義The Theoryとしても活動するディレクターだ。

おもちゃのロボットがおもちゃのクルマとGoogle ストリートビューを使って、ニューヨークから西海岸への旅を夢見るという今作。驚くことに、使用した照明はiMacのディスプレイの光と2つのランプ、それにフォグ(霧)ジェネレータを使用したシンプルな環境だ。ストップモーションアニメーションに使ったソフトウェアは295ドルのDragonframeという低予算で生み出された。限られたリソースの中で、カメラリグに取り付けたCanon EOS 5D MkIIを改造したスライダー・リグで制御しながら、独特の質感を出すためにシャッタースピードを2、3秒に設定して1枚1枚撮影。撮影には6日間、その後AfterEffectsを使ったポストプロダクションに数ヶ月かけて完成させている。実際にGoogle ストリートビューの画像から作られたストップモーションアニメーションはニューヨーク市街地の部分だけだが、それでも十分にGoogle ストリートビューのコンセプトを活かして、見事なロードムービーに仕上げている。

「Proteigon」
dir: Steven Briand
最後は、パリ国立高等装飾美術学校(ENSAD)の卒業生 Steven Briand(スティーブン・ブライアン)氏による作品「Proteigon」だ。この作品はブライアン氏が、グローバルに展開する映像プロダクションPartizanで2ヶ月間インターンをしている時に制作したもの。紙が平面や立体に目まぐるしくその形状を変えていく表現に目を奪われる一方、余計なものがそぎ落とされたミニマルな表現が非情に美しい作品だ。

文:野澤智
Justice「On’n'On」
dir: Alex Courtes|pr: Jules De Chateleux|DoP: Mathieu Plainfosse|motion ontrol operator: Yan Hammond|motion control ca: George Theophanous|ad: Claude Neron|ed: Jonathan Broda|sty: Joy Mattar|cast: Josephine De La Baume, Alison Abroux|prod: Division
2011年10月に4年ぶりとなるセカンドアルバム「Audio, Video, Disco」をリリースしたフレンチ・エレクトロ・デュオ Justice(ジャスティス)。今回は、Edouard Salier(エドゥアール・サリエ)監督による天地反転ミュージックビデオ(MV)「Civilization」、レコーディング風景をフィーチャーしたSo Me監督によるMV「Audio, Video, Disco」に続くニューアルバムからの新作MV「On’n'On」をご紹介!

メンバーのGaspard Augé(ギャスパール・オジェ)とXavier de Rosnay(グザヴィエ・ドゥ・ロズネ)をはじめ、全裸で横たわる女性、骸骨、宝石、幾何学的な立体、古代遺跡などが、宇宙空間を舞台に次々と登場していく。前方から色々な物が登場していくMVといえば、先日ご紹介したザ・マッカビーズのMV「Pelican」も同様の作品だ。

今作は、かつてディレクター・デュオ Alex and Martinとして、ザ・ホワイト・ストライプス「Seven Nation Army」、U2「Vertigo」、カイリー・ミノーグ「Giving You Up」、フランツ・フェルディナンド「The Fallen」、ヒラリー・ダフ「Play with Fire」など、数々のトップアーティストのMVを生み出し、デュオ解散後は個人で活動する Alex Courtes(アレックス・コルテス)によるもの。特に「Seven Nation Army」は、様々なモチーフが繰り返し前方から現れては消えていくという、「On’n'On」と同様のコンセプトで作られている。また、撮影監督には、フランス人映像作家 Yoann Lemoine(ヨアン・ルモワンヌ)の作品でお馴染みのMathieu Plainfosse(マチュー・プレンフォッス)を起用している。

コルテス監督は、2011年のトロント国際映画祭(TIFF)にも出品された映画「The Incident」で長編映画監督としてデビュー。同作の完成後、フランス、パリの映像プロダクションDivisionと契約し、今回が映画監督デビュー後初のMVとなる。今作においては、16世紀から17世紀に生まれた寓意的な静物画のジャンルであるヴァニタスを研究し、ロックのジャンルへと応用したのだという。