異業種転職のメリット
20代から50代まで、多くの人が転職を志すでしょう。年代により異なる課題があり、それぞれにメリットがあります。
本記事では、異業種転職のメリットを中心に話を進め、デメリットや成功のためのポイントを紹介します。
仕事における希望が叶えられる
前職の退職理由には給与や待遇、人間関係の不満があったのではないでしょうか。
同業種では同じ悩みを感じることがありますが、異業種転職では全く異なる環境でスタートできます。
例えば
・給与に不満を感じて前職を辞めた人は、給与アップ
・人間関係に不満があった場合は、新しい人付き合いを始めるきっかけに
また、休日や保険関連の待遇の改善も見込めるでしょう。異業種転職には自分が考える理想の転職先を探し、希望を叶えられる可能性が広がっています。
給与が上がる
業界により平均年収は異なるため、転職するだけで給与が上がる可能性があります。
またスキルアップにより給与アップを期待することもできます。異業種転職すれば、今とは全く異なるスキルを身に付けられるでしょう。
市場価値の向上
従来は1つの専門をもてば、それで十分価値を高めることが出来ましたが、現代のビジネススタイルは多くの職種や業務を組み合わせた総合的スキルが重要となっています。
そのため、複数の専門性を掛け合わせる能力が求められるようになりました。
例えば医師の場合でも、法律に強い医師は重宝されます。他にも弁護士をしながら政治に参入した人もいます。
複数の専門を掛け合わせ、自身の能力を向上させれば、あなたの市場価値が向上します。
異業種転職のデメリット
異業種転職にはデメリットも存在します。メリットばかりを追い求めるのではなく、デメリットも理解したうえで行動に移しましょう。
想像していたものと異なる場合がある
思っていたより環境が良くなかったり、理想を手に入れられない場合もあります。
想像通りの異業種転職をするには、情報収集が必要です。可能な限り多くの情報を集め、想像力を膨らませることで企業のリアルな姿を知ることが出来ます。
OBの方の話などは特に重要。「いつ」「なぜ」「どのように」を考える癖をつけ、転職先が求める人物像と自分を照らし合わせてみて下さい。
年収が下がる可能性がある
場合によって年収が下がる可能性があります。現在の職業経験が長い場合ですと、経験に付加価値がつけられ給与が高くなっているでしょう。
しかし、異業種転職をすれば、初心者と同じです。専門知識も乏しくなり、即戦力にならないかもしれません。
経験として学ぶのは良いですが、収入アップを期待しているのであれば異業種転職には注意が必要です。
年代別での異業種転職の難易度
年代別に異業種転職のイメージをお伝えします。各年代により異業種転職の成功率が異なります。
基本的に若いほうが転職しやすく、年齢を重ねるごとに難しくなります。若さだけでなく、長年の経験により柔軟な発想ができなくなるからです。
自身の年齢に照らし合わせ、異業種転職するべきか考える材料にしてください。
20代
20代は異業種転職のチャンスが大きくなります。企業は「第二新卒」の採用に力を入れているからです。
企業にとって第二新卒の採用は、教育コストがかからず戦力になる若者を採用する良い機会です。
そのため20代で転職を志す人は、採用枠が多くなり転職するチャンスが増えます。異業種転職で経験がない業種でも、採用される可能性が高いでしょう。
30代
30代の異業種転職も十分可能です。20代と比べれば、即戦力を求められる傾向が強くなります。
企業はあなたを採用後、すぐに結果を出してほしいと望んでいます。そのため自己分析や企業分析を徹底的にして、自分の能力と条件がマッチする企業を選ぶ必要があります。
30代で転職すると、その後の転職は難しい傾向があります。採用枠が少なくなるだけでなく、企業からリーダーとしての素質を求められるようになるからです。
40代
40代でも異業種転職は可能です。しかし、30代までと比較すると、かなり成功率は下がってしまうでしょう。
40代にもなると、長年の経験から「自分のやり方」を身につけているため、社風を素直に受け入れることが出来ず、独自の考え方やこれまでのやり方で仕事を進めてしまいます。
企業にとって有益な行動であれば良いですが、無益な考え方の場合は転職が難しいでしょう。自身の考え方を見直し、前向きな謙虚さを思い出す必要があります。
異業種転職を成功させるポイント
どの年代でも異業種転職が可能です。しかし、転職を成功させるにはポイントを押さえる必要があります。
異業種転職を成功させるため、以下の4点を考えておきましょう。
転職における軸を明確にする
転職における「軸」を明確にしましょう。「軸」とは、「最も大切にすること」です。
例えば「収入アップ」、キャリアアップのための「経験」などがあります。自身の転職において「最も重視するのは何か」を考えておき、志望理由等に活かします。
軸がぶれてしまうと、上手くアピールが出来なかったり、適切な回答が出来なくなってしまいあとになって後悔する原因になるでしょう。
自身の経験やスキルを整理する
資格を持っている人は、どんな資格なのか把握するのも良いでしょう。異業種転職では全く新しい環境に身を置くことになるため、明確なスキルを提示する方が面接官に伝わりやすくなります。
前職での経験もあなたの能力です。前職でどんな活躍をしたのかをまとめ、転職先に活用する方法を考えましょう。
資格によっては転職先で使えないと判断できるものもあるかもしれません。履歴書に記入するのみにし、メインでアピールする資格や能力を見つけておきます。
希望先の職種・企業理解を深める
希望先の職種を知り企業理解を深めれば転職成功しやすくなります。業種や企業の理解を深めるには、以下のような行動をしてみてください。
- 企業のホームページをみる
- 業界や業種の平均年収や平均年齢を調べる
- 会社四季報などを利用し経営状況を把握する
- 資料を取り寄せて読む
- 企業に勤める人から話を聞く
ネットで検索するだけでなく、経済関連の本で企業分析してみてください。企業のホームページに記載されている内容は覚えるようにしましょう。
企業理解を深めれば、自分のスキルが企業にマッチするか想像できるようになり、長所のアピール方法が理解できます。自分が望む仕事ではないと判断できる場合もあるでしょう。
前職のやり方に引っ張られない
異業種転職では、過去の経験をいつまでも引きずっていては自分自身の成長の機会を失ってしまう事にも繋がります。
前職で身につけた能力は、前職で活躍するための能力ですまずは新しい仕事に慣れ多くを学んだあとで、これまで培ってきたスキルや経験と合わせて新しい方法を実践してみるといいでしょう。
異業種転職では、こうした総合的な能力も企業側は求めていますので、これまでの経験全てを捨てるという事ではなく、前職と現職のいいとこどりが出来るようなやり方を模索することが肝心です。
異業種転職の成功事例
異業種転職に成功した方を紹介します。20代、30代、40代の成功例をまとめましたので、自身の年齢に合わせて参考にしてください。
工場勤務からウェブ制作へ
20代の大樹さん(仮)
大手の工場で働いていました。しかし、ベルトコンベアを流れる商品の管理といった単調な作業に飽きてしまい、転職を考えたようです。
自由を求め、独立も考えたそうですが、結果的に転職したのは、ウェブ制作を行う会社。ネットを使用してウェブ広告やホームページ制作を主に取り扱っています。
収入は減少したようですが、前の職場で多かった残業や休日出勤がなくなり、プライベートの時間が確保できるようになったそうです。
美容師から学習塾事務へ
30代で全く異なる業種へ移行したのは美紀さん(仮)
大学進学後、専門学校へ通い美容師になったのは25歳のとき。30代になるまで美容師を続けていましたが、結婚したことで収入アップと時間確保を考えたそうです。
結婚するまでに「自分のやりたいこと」を考え、結婚後は「家族のため」を考えていたそうです。
美容師の仕事では旦那様と仕事時間が重なるため子どもの面倒を見られない状況がありました。
美紀さんは旦那様と相談して入れ替わりで子育てをするようにしたと言います。
業界を変更することで収入アップし、決まった休みが確保して家族団らんできる喜びを感じているそうです。
自転車メーカーから飲食業へ
40代で異業種転職に成功したのは心さん(仮)
自転車メーカーに努め、勤労20年だったそうです。しかし自動車の売上が低下していく中で業界への不安を感じ始めます。
リストラの不安もあり、精神的にストレスだったそうです。いつまでも存在する業界は「衣食住」と考え、全国チェーンの飲食業に転職を果たしました。
前職で培った安全と安心への追求心を忘れずお客さんを喜ばせています。
独身の心さんは、貯金を貯めて定年後にゆったりと定食屋を開くのが夢だそうです。
まとめ
異業種転職は、どの年代でも異業種転職は可能ですが、より若いほうがチャンスを掴む確率は高くなるでしょう。
自身の人生設計を考え、これまでの人生とお別れする意識も必要です。40代にもなれば、周囲の人から止められるかもしれません。
確かに簡単に叶うものではありませんし、生活スタイルなども大きく変わってきますが、一度きりの人生、様々なことにチャレンジする姿勢は大切です。