転職が決まったら退職報告もしっかり行いましょう
円満退社とは、退職後にも会社や他の従業員に迷惑をかけずわだかまりがない状態で退社することです。円満退社するには以下の3点を意識しておく必要があります。
- 退職意志を述べるタイミング
- 退職時の報告方法
- 退職挨拶を確実にする
仮に円満退社出来ない場合、以下のトラブルを引き起こす可能性があります。
- 内定が決まっても退社できない
- 離職票などの退職証明がもらえない
- 不用意に引き止められる
- 退社後も引き継ぎに関する連絡が入る
- 人間関係が悪くなる
トラブルを発生させると転職しても気持ちよく働けません。転職先に提出する書類を貰えなかったり、社会保険移行ができない可能性も出てしまうでしょう。
転職するには円満退社を心がけて下さい。本記事では転職者が円満退社するための方法を紹介します。
内定から退職までの流れ
退職を行うための流れを確認しましょう。退職するためには、正しく適切な順序を追っていく必要があります。しかし若手退職者の中には、常識を知らず「辞めたいときに辞める」という人がいます。
しかし、社会にはルールがあるため、会社の都合などを考えず勝手な行動を起こせば円満退社にはなりません。
退職までの流れを知り、円満退社を目指しましょう。退職までの流れは以下のとおりです。
- 退職の意思表示
- 退職日の相談
- 退職届の提出
- 業務の引き継ぎ
- 挨拶まわり
- 退職の手続き
以下でそれぞれ解説していきます。
退職の意思表示
通常、退職日の1ヶ月から3ヶ月前に「退職意志」を示します。直属の上司に「口頭」で伝えましょう。転職が理由で退職する場合でも、それ以外の場合でも同じです。退職は「いつでも自己都合」という理由になりますので、明確な意思表示をしっかりと示さなければいけません。
曖昧な意思表示をした場合、「退職日を決定できない」「はぐらかされる」「引き止めに合う」など、転職者を悩ませるトラブルの原因にもなります。そのため、こうした問題を防ぐためにも意思表示は明確に行いましょう。
仮に「直属の上司に不満がある」などが退職理由の場合でも、しっかり意思表示しましょう。一方的に主張するのではなく、円満退社を心がけた丁寧な対応が求められます。
退職日の相談
退職意思を上司に告げれば、退職日を相談することになります。基本的に退職日は「意思表示から1ヶ月以上あと」で設定します。それぞれの会社にはルールがあるため、2ヶ月以上前や3ヶ月以上前と決められていることもあります。就労規則などで会社ルールを把握しておくと良いでしょう。
転職活動し内定をもらっていれば、転職先の勤務予定を伝えるのも良いでしょう。内定が決まっていると伝えれば、明確な退職日を設定できるはずです。
仮に内定が決まっていない場合には、本当に退職してもよいか考えてみてください。転職先が決まる前に退職日を決定しても、金銭面からストレスを抱える原因になります。
退職届の提出
退職日の1ヶ月前には会社へ「退職届」を提出します。会社によってはこの退職届は不要と言われる場合もありますが、退職届は明確な証明書類としても有効です。意思や退職の日付を口頭で伝えるだけで終わるのではなく、意思表明を可視化して円満な退職が行えるように努めましょう。
実際に合ったトラブルとして、退職届を出していないが故に、「退職したことになっていない」とされた例も多くあります。
転職先が決まっているのに退職できないとなれば、転職先企業にも迷惑がかかってしまうでしょう。そうならないためにも退職届を提出し、確実に退職できるようにしましょう。
業務の引き継ぎ
退職が決定すれば、業務の引き継ぎを行います。自身の仕事を誰が引き継ぐかを確認し、丁寧に伝えるよう努力しましょう。「退職するから後のことは知らない」と投げ出すような無責任なことをすれば、これまで培ってきた信頼をすべて失うことになります。責任を持ち最後まで仕事をやりきることで、心晴れやかに転職することが出来るでしょう。
円満退社を心がけるのは、社会人の基本です。会社内での付き合いだけでなく、その後の人間関係の構築にも関わってきます。業務の引き継ぎを丁寧に行えば、社員たちから応援されることもあるでしょう。
挨拶まわり
業務の引き継ぎが終わり、有給休暇を消化する場合があります。会社に出社せず、そのまま退職になるかもしれません。その前に、これまでお世話になった人々に、挨拶まわりをしましょう。「今までお世話になりました」の一言を述べるだけでも、受け取る人は嬉しいものです。
こうした挨拶まわりも、今後の人間関係や仕事上の付き合いなどに大きく影響を及ぼす場合があります。また、逆の立場になった場合、あなたも他者が退職するときはねぎらいの一言をかけてあげられる余裕が必要です。自分がされたいことは、他人にもしてあげましょう。
退職の手続き
正式な退職手続きを行います。会社規定により、書面が必要になる場合もあります。企業によっては、退職手続きがない場合もあるでしょう。会社規則を確認し、正式な手続きを行うようにして下さい。
退職手続きは、後腐れがないようにする大きなポイントです。書面で記載された内容はしっかりと確認してください。場合によっては法的にも効果を発揮する重要なものとなります。そのため、退職後に何かあったときのためにも、一定期間は処分せず保管しておくようにしましょう。
転職が決まった時の退職時の報告方法
退職時の報告方法を解説します。退職時に意識するポイントは、以下のとおりです。
- 退職報告するタイミング
- 報告前に準備しておくこと
- 転職報告の際に気をつけること
「デキるサラリーマン」は、退職報告もスマートです。タイミングや準備を怠らず、残る社員たちに負担を背負わせないような配慮を徹底することは大切です。スマートに退社するために「退職時の報告方法」を確認しておきましょう。
退職報告するタイミング
退職報告するタイミングは、繁忙期を避けましょう。もちろん内定をもらっている場合、繁忙期に退職する可能性もあります。しかし、可能な限り繁忙期は避けたほうが良いでしょう。忙しいときに人手が足りない場合、誰もがストレスを抱えます。
いくら自己都合とはいえ、スムーズに転職を行うためには会社の都合も視野に入れる必要があるでしょう。繁忙期を一緒に乗り越え、会社が落ち着いたタイミングで退職報告を行うと、双方気持ちよく、落ち着いて話を進めることが出来るようになります。
報告前に準備しておくこと
退職報告をする前には色々と準備が必要となりますが、その中には会社から支給されたものを返却するための準備も含まれます。一般的に返却が必要になる支給物は、以下のようなものがあります。
- 健康保険証
- 会社の備品
- 制服
- マニュアル
初任者研修などで受け取った備品類、制服や健康保険証です。大手の会社なら、返却部署が異なる場合もあるでしょう。退職報告時に返却するため、事前に準備しておかなければいけません。
逆に、会社から受け取るものがあります。
- 年金手帳
- 源泉徴収票
- 離職票
- 退職証明証
退職時に受け取る「離職票」や「退職証明証」は、補助金申請などにも使用する大切な書類です。後から会社に取りに行く手間を省くためにも、事前にしっかりと確認しておきましょう。
退職報告の際に気をつけること
退職報告時には気をつけなければいけないことがあります。中には一方的に退社してしまう人がいますが、トラブルを引き起こすためおすすめできません。「一方的な退社」とは、以下のものです。
- 退職意志を伝えずに自分勝手に会社にいかなくなる
- 退職届を机に置いて会社にいかなくなる
- 電話一本で退職したことにする
会社には退職時のルールがあります。一方的な退職は以下の問題があります。
- 上司や同僚に迷惑をかける
- 退職時に必要な書類等が貰えず困る
- 退職していないことにされる場合がある
- その後の人間関係が悪くなる
自分は人間関係を重視していなくても、書類上で困ることがあります。保険証などを返却していなければ、転職後に移行手続きができません。自分が困る結果を招きやすいため、早めに退職意志を示し上司や同僚と話し合うことが重要です。
スケジュールに余裕をもち相談しながら退職日を決定し、引き継ぎや挨拶を丁寧に行えば円満退社しやすくなります。
引き止められた際の対処法
上司などに引き止められる場合があります。上司により引き止め方法は様々ですが、主に以下のものがあります。
- 情に訴えかけてくる
- 報酬を上げると約束される
- 異動などで環境変化を打診される
上司の言い方によりあなたに受け入れたい気持ちが生まれるかもしれません。しかし受け入れても現在の職場環境が変化するわけではありません。以下のように対処し転職できるようにしてみてください。
- 謝りながら退職日を決める
- お礼を言いながら退職日を決める
- キャリアアップなど前向きな目標を告げる
上司も人間ですので、情に訴えかければ引き止めを阻止できる可能性が高まります。例えば手土産を持っていき「今までありがとうございました。退職日は◯日でよろしいですか」と提示しましょう。それでも引き止められる場合、上司の意向に添えない旨を謝ります。
「お礼」や「謝罪」をされれば、上司も話を聞く姿勢が整う可能性が高く、あなたの退職意思を受け入れてもらいやすくなります。転職先の内定をもらっている場合は、事実を述べるだけでも退職するしかないと判断されることが多いようです。
退職の挨拶について
退職の際に黙って去ることは避けましょう。円満退職を行うためには先ほども説明したようなあいさつ回りが大切です。そのため、まずは挨拶まわりをする相手を考えておきましょう。
本来は「全員に挨拶」を心がけるのが基本ですが、現実的に「全員」というわけにはいかない場合もあります。
実際に対面して挨拶するべき相手は「上司」「同僚」「取引先」です。その他の人々には、社内メールなどで退職挨拶を行います。それぞれ説明します。
同僚への挨拶
同僚へ退職挨拶すると、円満退社でき以下の効果が期待できます。
- 円滑な引き継ぎが可能になる
- 退職日までに会話しやすくなる
- 退社後も人間関係が続く可能性がある
同僚は一緒に仕事した「仲間」です。可能な限り全員に挨拶しましょう。中には退職時に宴会などでスピーチを求められる場合もあるかもしれません。
退職日を明確に示し円満退社を心がけます。同僚へ挨拶しなければ、以下のトラブルを引き起こす可能性があります。
- 退職日を過ぎても引き継ぎ内容の連絡がくる
- 退職したことを知らない同僚から連絡がくる
- 退職後の人間関係が継続しない
丁寧に挨拶しておけば、あなたが退職することをしっかりと理解してもらえます。業務上の質問がある場合には、退職日前に連絡をもらえるでしょう。
同僚への挨拶は円満退社するために必須ですので、丁寧に声をかけてまわりましょう。
取引先への挨拶
退職意思表示をした段階から、引き継ぎが完了するまでに「取引先へ挨拶」をします。あなたの業務の引き継ぎを、誰が担当するか伝えなければいけません。
また、引き継ぎ後に一人で出向き、挨拶をするのも良いでしょう。
メールでの退職挨拶例文
多くの人に挨拶をする場合、一斉メールを送信することがあります。基本的な例文は以下のとおりです。
【例文】
私事で恐縮ですが、一身上の都合により◯月◯日をもって退職することになりました。最終出社日は◯月◯日の予定です。
これまでお力添えとご協力いただいた皆様には、心より感謝申し上げます。最後になりましたが、皆様の今後のご健勝をお祈りしています。
まとめ
円満退社をするには、とにかく挨拶まわりが必須です。「人と人の縁をつなぐ行為」とも言われ、退社後も人間関係を結べるようになるでしょう。
退社は「自己都合」で行うものですが、社内に残る人々に迷惑をかけることは避けなければいけません。これまで働かせてくれた企業に敬意を払い、共に頑張ってきた同僚や上司をねぎらい笑顔で退職することが大切です。
「終わり良ければ総て良し」という言葉の通り、円満退職を行うためにはこの最後の瞬間まで気を引き締めて行いましょう。