MV「Vanishing Point」は、落下してくるバーをタイミングよく押して遊ぶゲーム(「BEATMANIA」などの”音ゲー”)のために創られた”BMS”というフォーマットの映像作品。ファン以外には聞き慣れない言葉だが、ネット上で独自の進化を遂げており、自作のBMSを公開して楽しむコミュニティなどもある。今回はcubesato氏(音楽家)からの依頼でコラボレーションが実現した。本MVの画角が正方形なのも、BMSの規格のため。当初は16:9か4:3で作ったものをトリミングしようと思ったが、”こんな比率で作る機会は滅多にない”と思い、正方形の映像制作にチャレンジしたという。 使用ソフトはAfter EffectsとCINEMA 4D。
「正方形であれば画面の中心にオブジェクトを置いた時にとても美しいだろうということから、全体を通して画面の中心を活用しています。また、常々日本のアニメーションに見られる独特の表現法に興味を持っており、その要素を違う形で実現したいという試みもあります」
After Effectsでの作業画面
「最初に音楽を聞き込みました。全ての音に動きを割り当てるために楽器ごとに注目しながら何度も聞き込み、その上で時間軸にそって制作しました。全体の流れを決めるコンテなどは切っておらず、基本的に”前のカットからどう変化させるか”という観点で制作しています」
本作品の制作には4週間を費やした。なかでも苦労した点は、3Dと2Dの組み合わせ方だという。
「3Dの映像に2Dのグラフィックをオーバーレイさせた共存は容易ですが、2Dのカット、3Dのカットと完全に分かれた状態での共存は空間の見え方の違いなどから苦労しました。一部には影などを表示せず、一見2Dのグラフィックに見えながら3Dで作っているカットもあります。また、”球”はどこから見ても同じ見え方をするので、その点も利用しています」
■映像制作の第一歩はFlashだった
“Madrix” Cut and Paste Tokyo 2009にて。 テーマ: Natural selection
「映像を実際に作ったのはFlashが最初でした。本来映像制作のツールとは少し違うので入り口としては変わっていると思いますが、軽快な動作と試行錯誤の容易さは、「動き」というものに対して理解を深めるプロセスとしてとても良かったと思っています。その後AfterEffectsを使用しはじめ、現在では3Dソフトも使っています」
「動きと、音の力を借りてオブジェクトに質量、感触を与えることを試みましたが、それが伝われば幸いです」と語る細金氏。コマ送りで見ても面白いように創られているそうなので、ぜひ試してみよう。 ほか、細金氏の作品たちはWebサイトにて。
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