よくある塾講師から転職したい理由
以下には塾講師を辞めたいと思う理由を5つ紹介します。塾講師の悩みは「待遇」「人間関係」「考え方」など、多岐にわたります。
自身の考えと企業方針の違いなど、理想と現実の間で揺れる人が少なくありません。それぞれ解説します。
1 生活習慣が乱れやすい
勤務時間が昼からになり、夜中まで業務に追われます。昼は授業準備や保護者対応、授業後は生徒対応や教室整備をします。
業務時間は決められているものの、朝方まで仕事をしている人も珍しくありません。夜型の生活が中心になり、体調を崩しやすいと言えます。
2 給与が低い
「生徒のため」と考え、一生懸命に働きます。自分以上に生徒や保護者を意識するあまり、仕事に打ち込む時間が長くなります。真剣に打ち込む人ほどサービス残業が多くなり、給与が低いと感じる傾向があります。
3 人間関係に悩む
塾講師は仕事柄、生徒や保護者、他の講師や上司などの人間関係に悩みやすい職業です。コンプライアンスを意識するあまり、異性の生徒や講師との接し方がわからず悩みます。
また、年齢差がある学生が相手であるため、ジェネレーションギャップを感じます。
4 家族と休みを合わせられない
塾講師の業務は、カレンダーとは逆になる傾向があります。学校が休みになれば業務が増え、夏休みなどの長期休暇時は繁忙期です。
講師に家庭がある場合、家族との休みを合わせにくい傾向があり、遠方への旅行などができません。
5 教育ではなくビジネスである
最も多くの塾講師の悩みは「ビジネス」を意識することによるストレスです。講師を目指す人は「教育」を考えて講師になります。
しかし、実務は「売上」を考えたものばかり。企業の目的と理解しても、感情的に悩んでしまうことが多いでしょう。
転職市場における塾講師の立ち位置
塾講師の転職市場で、どのように見られているのかを知る事で冷静に、そして、現実的に必要なスキルや身に着けておくべき経験や資格などが明確になるでしょう。
市場価値は高くはない
講師として「教える立場」を経験し、自信に溢れて転職を志す人もいますが、実際には資格もなければ技術もいらないため、転職市場における塾講師の市場価値は高くありません。
「教える能力」が高いのは勉強面だけなので、社会的に必要とされる長所を明確にしなければいけません。
自身の強みははっきりと際立たせよう
塾講師は「人間関係のスペシャリスト」です。しかし、目視できない能力であり、他人に示すのが難しい能力でもあります。本記事を参考に、自身の強みを際立たせるよう努力しましょう。
年齢が上がると難易度は上がる
「年齢」は塾講師に限らず、転職の難易度を向上させます。年齢が高くなるほど転職できる職種は減り、選択肢がなくなります。
正社員で募集している企業は、年齢制限を設けていることが多いためです。決断を早くし、行動する勇気を持ちましょう。
転職においての塾講師の強み、身につくスキル
塾講師の経験、スキルをどのように転職時に活かせるか、5つの強みをご紹介します。
コミュニケーション能力
生徒や保護者、他の講師との連携によりコミュニケーション能力が磨かれます。他業種と異なるのは、年齢がとも関係を築ける点です。主に小学生から保護者を対象にするため、ほぼ全ての年齢層と対話できる能力が身につきます。
コーチングスキル
生徒の学力を向上させるには、家庭環境に指導を加えなければならない場合があるでしょう。保護者指導を行い、子供にも大人にも理解できる指導力が求められます。
そのため、説得力ある説明ができるようになり、コーチングスキルが身につきます。
プレゼンテーション能力
夏期講習など、通常授業とは異なる授業プランを提案することがあります。社員同士でプレゼンし、保護者にプレゼンします。生徒にも納得させるため、説明が必要な場合も多いでしょう。
各年齢層にわかりやすくプレゼンできる能力が身につきます。
マネジメント能力
塾講師のマネジメント能力は、集団授業で培われます。複数の生徒を勉強に向かわせ、「成績向上」を目指すからです。それぞれの生徒の目標は異なりますが、共通目標を掲げて全員で目標を達成させなければいけません。
講師にはリーダーシップが求められ、多くの人を動かす能力が身につきます。
チームワーク
塾講師はチームワークを発揮します。自身が担当する教科だけでなく、他教科の担当講師と連携をはかる必要があるからです。
例えば国語が苦手で数学が得意な生徒がいます。数学の宿題を多くすると、国語の勉強ができません。生徒の能力に合わせ、教科担当の講師が連携をとって宿題量を調節するなどを行います。
各担当講師と協力し、チームワークが磨かれます。
塾講師から転職がおすすめの職種
塾講師からの転職、キャリアビジョンでおすすめする職種を3つご紹介します。
営業職
他人を納得させる「トーキングスキル」を活かし、営業職では重宝されます。初対面の客に対し、説得力あふれる会話ができるからです。
また、プレゼン能力は商品を説明するときに発揮されます。相手を納得させ売上をあげられる人物として転職先が受け入れます。
事務職
塾講師を通して身につくスキルには「事務処理能力」もあります。生徒の成績や個人情報をデータで管理しなければいけないからです。
無意識に事務的な能力が身についているため、事務職に転職するのは難しくないでしょう。
企画・開発
頭脳を活かして「企画・開発」を志す人もいます。塾講師として人を喜ばせたいと感じるからでしょう。
アイデアや発想力を活かして人を喜ばせる想像ができる能力が、塾講師にはあるのです。企画・開発にはプレゼン能力も必須であり、塾講師の得意分野です。
塾講師から転職可能な業界
塾講師から転職・キャリアアップする際に、検討すべき転職が可能な業界を4つご紹介します。
教育業界
塾講師の中には「教員免許」を保有している人もいます。教員免許は10年ごとの更新であるため、30代になる前に教員に転職する人が多数です。
人材業界
相手のことを考える能力があるため、人材業界にも需要があります。塾講師で身につけたスキルは、人材派遣業などで重宝されるでしょう。相手の心に寄り添い、適切な提案ができる能力をそのまま発揮できる業界です。
IT業界
深い知識を身につければIT業界への進出も可能です。時代と共に変化する情報を学習し、プレゼンします。
IT業界では、コミュニケーションが課題になる人材が少なくありません。そのため、塾講師経験者は人間関係をまとめる役割を担いやすいでしょう。
コンサル業界
「コンサル」と聞くと難しく感じる人が多くなります。しかし、塾講師の「運営者」は、コンサル業と同じです。講師に指導方針を伝え、課題を適切に対処します。どの業界でも「人を動かす能力」は重宝されます。
まとめ
塾講師は、資格や技術など目視できる明確な長所が存在しません。しかし、「人間関係のスペシャリスト」と呼べるほど、対人能力に優れています。
転職を志す場合、目視できる資格などを保有すると更に転職しやすくなります。
プレゼン能力やコミュニケーション能力など、どんな業界にも対応できる能力が身についています。
能力を可視化させ、明確に自身の能力を見つめてみてください。多くの業界があなたを求めているはずです。