仙台からの転職上京時で感じる違い
仙台は豊かな自然が豊富で、季節ごとに様々な景観を楽しめます。しかしそんな見慣れた景色が東京では一変します。
大きなビルや夜でも明るい街並みに驚くかもしれません。また、東京と仙台の違いは他にも多くありますので、代表的なものをご紹介します。
言葉の違い
仙台での訛りは「仙台弁」といいますが、大阪弁などに比べると東京ではあまり知られていないのではないでしょうか。
地元の言葉は東京では通じないという経験は地方出身者なら誰でも経験する事ですが、コミュニケーションを取るうえで言葉は大切です。
標準語もしっかり身につけ、状況に応じた使い分けが必要となるかもしれません。
文化の違い
東京と仙台には大きな違いがあります。それは震災の被害です。東日本大震災では、仙台も大きな被害に見舞われました。まだまだ復興が進んでいない場所も多くあるでしょう。
文化の違いというよりも、地域ごとのこうした震災に関する考えなどは大きく異なります。実際、東京都民は震災の事を真剣に考えている人の割合は非常に少ないのが現状です。
こうした危機管理における意識は、大きく異なる部分と言えるでしょう。
人柄、性格の違い
仙台は比較的大きく発展している土地のため、ポジティブで明るい方が多いイメージを持たれています。また、前述した通り他地域と比べ仙台を出る人が非常に少ないため、排他的傾向が強いでしょう。
良く言えば仲間意識が強いと言えますが、新しいものへの拒絶や受け入れ難さも兼ね備えていると言えます。日々進化し続けている東京という土地とは、全く異なる性質を持っているでしょう。
給与等の条件の差
仙台での平均年収は300~350万円程度とされています。
業種やキャリアにより異なりますが、東京と比較するとやはり低いでしょう。東京の平均年収と比べるとおよそ1/2前後の差があります。
最低賃金などの違いによる影響も大きく、結果としてこれほどまでに大きさ差が生じるという結果になってしまいます。
仙台から転職上京するメリット・デメリット
仙台から東京へ出た際の違いや差などは理解できたでしょうか。文化や食など、様々な部分での違いに戸惑う事もあるでしょう。
実際に生活すると他にも色々な違いに驚くかもしれません。ここでは、そんな違いの中でのメリット・デメリットをご紹介致します。
メリット
大都市東京は「怖い」というイメージが強いですが、実は悪いことばかりではないんです。中でも転職するうえではこれ以上ないほどのメリットが揃っています。
求人の幅が広い
とにかく特徴的なのが求人の幅の広さです。仙台では、基本的に特定の業種、企業などの求人がほとんどという傾向にあります。
それは人の流れがないという特徴から、あまり人員が変動しないため起こりますが、東京の企業では人の移り変わりが激しいです。そのため、様々な業種の求人を見つけることが出来るでしょう。
求人数自体が多い
東京は求人の数が圧倒的に違います。仙台の全求人と比べても2/3まで届かないでしょう。
都内だけでも多くありますが、東京都下まで広げるとその数はありすぎて計測不可能ともいわれています。日々更新されていく求人情報は、毎日変わるため正しい計測が出来ないほどです。
インプットの機会がある
新しい知識、情報、世間の話題など、履いて敵な地域色が濃い傾向にある仙台では難しい部分もあるでしょう。
しかし、全国から人の集まる東京では、自然にインプットの機会が増えていきます。自分から向かわなくても、ナチュラルに自分を成長させることが出来るのが仙台と東京の大きな違いの一つとなるでしょう。
デメリット
メリットもあればデメリットもあります。
東京に出てきたからこそ生じるデメリットとは、一体どんなものかを把握し、予防や回避の準備をしておきましょう。
競争が激しい
東京の求人は非常に高い競争率があります。仙台での平均的競争率の1.5~2倍以上の激しい競争率となっており、たやすく職が決められるという事はあり得ません。
しかし、仙台などの地方出身者のみを募集している企業も数多くあるため、そういった企業は狙い目になります。
内定まで時間がかかる
仙台での内定決定までの期間と比較すると、東京での内定決定期間は長くなります。場合によっては1~2か月以上掛かるという事も少なくありません。
一つの求人に対する応募者数が多いため、直ぐに絞ることが難しいという問題があり、そのせいで内定決定まで非常に時間を要します。
知り合いがおらず寂しい
排他的地域色が濃い仙台の方は、新しい友達や知り合いを作るのに苦労するという話しもあります。そのため、高い確率でホームシックになり帰省を考えるという方も少なくないのではないでしょうか。
新幹線では2~2時間半で移動可能なので、頻繁に返っているという方も多くいます。
物価・家賃が高い
「東京と地方は物価が変わる」という話をよく聞きますが、実は仙台と東京の物価はさほど差がないのが現状です。
平均的に東京の方が高いという部分はありますが、それほど大きな差があるという事はないでしょう。しかし、家賃などはどうしても東京の方が圧倒的に高くなりますので、仙台の家賃相場は参考になりません。
仙台から転職上京するまでにやっておくこと
違い、メリット・デメリットが理解出来たら次に東京へ上京するための準備に入ります。「何が必要?」「行く前にするべきことは?」など、一つ一つを解消していきましょう。
上京費用の用意
上京費用は必ずだれでも準備すると思いますが、その平均はどのくらいか考えたことはあるでしょうか?
東京に上京するのであれば、仙台の一人暮らしの人が使用する一か月の平均生活費の2倍はあると安心です。可能であればそれ以上あるといいでしょう。
とにかく手持ちのお金があればあるほど東京での生活は安心を得られるでしょう。
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転職先の確保
まず何よりも重要なのが転職先確保でしょう。仕事がない状態で東京に行くと、準備した上京費用はすぐになくなってしまうでしょう。
そうなると生活自体が出来なくなってしまいます。安定した生活を送るためにも、まずは転職先確保をし、余裕のある費用を準備した上で仙台から東京へ向かう事をオススメします。
手続きの処理
転職の際には、必ず様々な手続きが必要となります。
転職先企業に提出する書類はしっかり準備されていますでしょうか?
前職場で何かやり残した処理などはありませんか?
スムーズな新生活のためにも、多少の手間はかかりますが、まずはこうした事務的処理は完璧に完了させておく必要があります。
仙台から転職上京した人の体験談
実際に仙台から東京へ上京した方の体験談です。
やはりネット上のどんな情報よりも、こうした実際のリアルな声が一番参考になるのではないでしょうか。
宮城県仙台市出身・27歳建築関係/男性
よく仙台は排他的な感じがするとほかの地方の友人に言われていたのですが、自分はそんな風に思ったことはありませんでした。
しかし、東京に上京した事をきっかけに、今まで自分がいた世界はすごく狭かったんだなという事を思い知らされました。
まず自分のコミュ力の低さに驚きました。初対面の人と何話せばいいか分からないし、好きなイベントごとも自分一人で行く勇気なども出ず。せっかく東京に来たのに上京当初は仕事以外はずっと部屋に閉じこもっていました。
このままじゃいけないと奮起して積極的に会社の飲み会などに参加し交流していくうちに、友人も増え今では充実した生活を送っています。
排他的なんてあまり思ってなかったし、言われることに嫌な気持ちにもなっていましたが、新しい世界に飛び込むことが怖くなるほど狭い価値観で生きてたという事を実感しました。
東京に上京した事で自分の知らない扉が開いた気がして、素敵な経験になったと思います。
宮城県仙台市出身・28歳医療関係/男性
生まれも育ちもずっと仙台で過ごし、今まで県外にすら出なかった私ですが、東京に憧れ転職を期に思い切って上京することを決めました。
印象として残っているのは人の多さです。仙台もどちらかといえば都会だなんて思っていましたけど、比較の必要もないほどの人ごみに圧倒されてしまいました。仙台が都会なんてまだまだでしたね。
後は、色々なお店もあり毎日楽しく過ごしています。それにやはり東京は賃金も高いので、家賃は仙台に比べ高いけどそれでも生活に余裕が出来ました。
親への仕送りもちゃんと毎月出来ますし、貯金もやれています。
物価が高いと言われてますけど、色々なお店があるのでその中で安い雑貨屋さんや服屋さんも多くありますし、仙台にいたころよりお金に関することをしっかり考える事もできるようになったと思います。
宮城県仙台市出身・24歳会社員/男性
上京して2年たちますが、未だに頻繁に実家に帰ったりしています。
元々東京に行っていたいとは思っていたのですが、いざ実際に来てみると直ぐにホームシックになりました。
仙台とは全く違う環境で戸惑うばかりで新しい友人などもできず、休みの日や少しでも時間があれば地元の友人に会いに行ったり実家に戻ったりしています。
こういうところが地元愛というべきなのか排他的というべきなのか悩みますね。
東京が嫌だとかは全くないです。給料も高いしお店もいっぱいあるし何でもできるので楽しいんですが、私個人的にはやっぱり慣れ親しんだ地元が一番だなと思っています。
まだ2年なので東京に馴染めていないからかもしれませんが、これからどうなるかはまだちょっと分かりません。
まとめ
体験談から分かるように、やはり仙台は特有の地元愛が強いのかもしれません。
排他的と言えば聞こえは悪いですが、新しいものの吸収よりも今あるものを大切にしようとする気持ちが、結果として排他的な感覚となっているのでしょう。
仙台からの上京者は、半数以上がある程度東京で経験を積んだら地元に戻るというデータもあります。
排他的という事ではなく、地元を愛し親しみのある土地だからこそ、東京よりも居心地よく感じるのかもしれません。