六本木で最新メディア・アートに邂逅!「第12回文化庁メディア芸術祭」
2009.02.06 Fri
第12回文化庁メディア芸術祭
日本と世界から選りすぐりの最新メディア・アートを紹介する「
第12回文化庁メディア芸術祭」が、2009年2月4日(水)より東京・六本木の国立新美術館にて幕を開けた。国内外問わず話題の作品が勢ぞろい。それでは注目の作品たちをご紹介!
■優秀賞はUKのエコ映像。エンターテインメント部門
「Carbon Footprint」製作チーム 代表 Matt CHANDLER(マット・チャンドラー)さん(左)
様々なメディアをプラットホームとする作品を対象としたエンターテインメント部門。優秀賞を受賞した"Carbon Footprint(カーボン・フットプリント)"は、ディスカバリー・チャンネルのために制作された映像作品。制作はUKのCGスタジオJellyfish Pictures。道端にポイ捨てされた空き缶が50年かけて腐食していくさまを精妙なCG技術で描いている。Jellyfish Picturesの
Webサイトではメイキング映像が公開中。ほか、映像ではHonda の"Drop"、NIKEiDの"If you were a boy,"キャンペーン映像「エスコート」(江口カン監督/KOO-KI Co.,ltd.)、星新一原作のSFドラマ「きまぐれロボット」などが推薦作品となっている。大賞はビョークもお気に入りだという新しい楽器「TENORI-ON」が受賞。
■短編が充実!アニメーション部門
「KUDAN」木村卓監督
今年の応募作では、短編が充実していたというアニメーション部門。会場では受賞作「つみきのいえ」(加藤久仁生監督/ROBOT)、「カイバ」(湯浅政明監督/マッドハウス)、「KUDAN」(木村卓監督)、「DREAMS」(荒井知恵監督)らの絵コンテなどメイキング映像などを展示している。木村監督は受賞作について「制作期間は2年間。3DCGアニメーターの山岸宏一氏がアニメーションを担当してくれました。自宅で作業を行っていたのですが、ハイスペックすぎてマシンから熱風が吹くほど苦労しました(笑)」とコメントしてくれた。日本では短編CG作品の上映機会が少ないので、ぜひこのイベントにて見るべし!
また、実は300以上の映像作品が上映され、映像フェスティバルとしても楽しめる本イベント。受賞映像作品はもちろん、「アヌシー国際アニメーション映画祭」、「アルス・エレクトロニカ」など世界の映像フェスティバルから寄りぬいた優秀作品も上映される。日本ではなかなか見る機会の少ない作品も多い。世界の最先端の映像作品に触れてみよう。
■激戦のアート部門はインターナショナルな顔ぶれ
"touched echo" 作・Markus KISON(ドイツ)
アート部門に応募された1,000作品のうち、400作品が海外からの応募だったという。優秀賞を受賞した「touched echo」は、ドイツ・ドレスデンで1945年に起こった空襲の記憶を現在に伝える作品。前方に広がるドレスデンの街を見ながらテラスの手すりに肘を曲げ耳に手を当てと、肘から骨伝導で爆撃の音が聞こえてくる。テクノロジーを使い、人の記憶や良心に訴えかける哲学を持った作品だ。他にもスクリーンに向かう観客の前にユーモラスなグラフィックが現れるMarcio AMBROSIO(マルシオ・アンブロシオ)のインタラクティブアート「Oups!」も展示されている。
■おどろきの新技術を紹介「先端技術ショーケース'09」
「Panorama Ball Vision(パノラマボールビジョン)」橋本典久(科学技術振興機構 さきがけ研究者)
ほか、スクリーンを飛び出した新しい映像メディア表現のテクノロジーを紹介する「先端技術ショーケース'09」も開催中。320個のLEDを搭載した6本のアレイを高速回転させ、残像として球体映像を見せる「パノラマ・ボール・ビジョン」やレーザープラズマで3D映像を空中に投影する「空中に描くデジタル映像」など、気になるテクノロジーが紹介されている。そのほか、学生だからこそできる斬新なアイデア溢れる作品を展示する「第14回学生CGコンテスト」も開催する。
■クリエイターによる講演会も開催
「Open Reel Ensemble」
和田 永、佐藤 公俊、朝倉 卓也、山下 連、岡野 沙有
会期中には、クリエイターのナマの声が聞けるシンポジウムやワークショップも。受賞者と審査員によるシンポジウムでは、岩井俊雄、中村勇吾、田中秀幸らが出演するエンターテインメント部門(14日)や、さそうあきら(「マエストロ」)、ちばてつやらが出演するマンガ部門(11日)などが注目される。
日本のメディア・アートの特徴は、アートとエンターテインメントの垣根が低いことだと文化庁メディア芸術祭実行委員会は語る。たくさんの文化から良いところを吸収し、新しいものを生み出すという日本文化ならではのものかもしれない。世界のアートに触れるとともに、日本のメディア・アートとは何かを考えさせてくれるよい機会だ。開催は2月15日(日)まで。
■「第12回文化庁メディア芸術祭」
日程:2009年2月4日(水) – 2月15日(日)
入場料:無料
休館日:2009年2月10日(火)
時間:10:00~18:00(金は20:00まで)
会場:国立新美術館
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
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