藤子不二雄×ハンナ・バーベラ!? SHASHAMINのお仕事の巻。

2011.01.28 Fri

 

SHASHAMIN(シャシャミン)、別名“サザ波先生”の描くイラストやアニメーションはヒップホップ・アーティストとのコレボレーションでご存知の人も多いだろう。近年では広告の世界やアーティストとして個展を開くなど活動の幅を広げている。今回は、長年のパートナーであり所属事務所ODDJOB RECORDSの代表を務める藤井進午氏もお招きし、そんなSHASHAMINの素顔に迫ってみた!

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(左)藤井進午:ODDJOB RECORDS代表。
(右)SHASHAMIN:スチャダラパー「スチャダラ外伝」のジャケット制作を皮切りにイラストマンガ業として静かに開業。その後ロゴデザイン、挿し絵、キャラクターデザイン等のさまざまなドローイングをマメにこなしコナシで現在に至る。近年はミュージック・ビデオ等のアニメーション映像や、キャラクター・デザイン、イラストレーションなどを制作し、活動の幅をさらに広げている。また2009年には初の著作「おしゃべりデリ坊、東京ド真ん中配達中」も発表し、TVドラマにもなっている。OFFICIAL WEBSITE
■ 目指したのはディズニーではなく、ハンナ・バーベラ。
――SHASHAMINさんがアニメーションを手掛けられるようになったのはODDJOBに所属してからですか?
藤井進午(以下F):SHASHAMINが入ったのは3、4年前くらいですね。

SHASHAMIN(以下S):ハンナ・バーベラみたいなのをやりたいっていうのと、当時、アニメーションCMが少ない印象だったんです。で、僕もシンゴくん(藤井)もアニメのCMが好きなんですよね。「桃屋」とか「ビオレU」とか。でも、タレントさんが出てるCMやタイアップの歌ばっかりで、アニメのCMって「桃屋」と「メンメンメガネのよいメガネー♪」(メガネドラッグ)くらいしかなかったんですよ。で、そういうのをやりたいなぁ、やらせてもらえないかなぁと思って。

ORANGE RANGE「ヤーヤーヤー」
dir: SHASHAMIN|2010年
途中に出てくるビデオカメラキャラは2人の大好きな“映画泥棒”(映画盗撮防止キャンペーン「No more 映画泥棒」に登場するキャラクター)のパロディ。冒頭に登場する骸骨キャラクターはオレンジレンジのツアーグッズ、カーフレッシュやTシャツとしてフィーチャーされている。
――2010年、映像作品ではオレンジレンジのミュージックビデオ(MV)「ヤーヤーヤー」を手掛けられましたね。
S:なんだろ、簡単につくったアニメみたいなチープな感じのテイストでやろうかなぁって思ったんです。僕はもともと漫画家になりたかったんですけど、アニメーションやろうと思ったのはシンゴくんと出会ってからなんです。一緒にコラボする感じで。ハンナ・バーベラの「チキチキマシーン猛レース」とか、「宇宙家族ジェットソンズ」の辺りがお互い好きなんです。あの感じ、今ないんですよね。で、ああいうのやりたいなぁっていうところから始まって動画制作を始めたんです。

F:最初はうち(ODDJOB RECORDS)所属のAFRAたちのジャケットを描いてて、じゃ、ミュージックビデオ(MV)でアニメーションやろうかって始めたんです。

S:わかんない分気軽に考えていて、やり始めたら「こんな大変だったんだぁ・・・」と。

AFRA & INCREDIBLE BEATBOX BAND「MOUTH MUSIC feat. TAKKYU ISHINO,SHINCO」
dir: SHASHAMIN & easeback|2006年
SPACE SHOWER Music Video Awards(以下MVA)2007年度BEST CG/ANIMATION VIDEO賞受賞。なんとアニメーションは一部韓国のプロダクションに発注し制作されている。
F:目指したのもディズニーじゃなくて、ハンナ・バーベラなんですよね。ディズニーっていうのは最高級の芸術という感じで、淘汰されたすばらしい才能が・・・。

S:そう、優秀な人たちがお金と時間と手間をふんだんにかけてやってる。

F:ハンナ・バーベラは量産型なんですよ。だから、カットが変わると色が違ったり、絵が違ったり、目をつぶってたりとか(笑)。それアリだなぁって。どっちかっていうとそっちのほうが親しみがあったんです。

S:よく見ると大して動いてないんですよ。走る時も手を動かさないんです。足だけ、タタタタタタッって。子供の頃はそういう特徴のアニメなんだなと思ってたんだけど、描いてみて分かった。あれは全部動かしたくないから、足だけ動かしてるんだなって(笑)。

F:あと、アップ多めだったり(笑)。家とかも線だけとか、味なんだなぁと思ったら違うっていう(笑)。

S:その端折り方が凄く好きで。なので僕たちも、ちょっと、何ていうんですかね、お茶目な手抜きでいこうかなって(笑)。

――SHASHAMINさんの感性と「ヤーヤーヤー」の楽曲の雰囲気がとても合ってますね。
S:オレンジレンジは倉石一樹さんを通じて話がきたんですけど、やってみたら意外に合って。

――制作過程ですが、一枚一枚描いているんですか?
S:一枚一枚手書きですね。

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SHASHAMINはプロジェクトが終わったら原画などをすっぱりと処分して次にいくタイプ。これらのラフ画が残っているのはほぼ奇跡らしい。飼っていた猫にも名前を付けず「ねこ」と呼んでいたりと、意外と執着心のないエピソードも。
F:ただでさえ痩せているSHASHAMINが、この仕事で更に痩せていましたね。

S:描いたのをひたすらスキャンして、After Effectsで動かしていきましたね。

――何枚くらい全部で描かれたんですか?
S:何枚だったかな。忘れてしまいましたがこの袋1つぶんくらいです(上記写真参照)。この量だと大したことないですよね。

――今はFlashとかAfter Effects上で動かしていく事も出来ると思うんですけど、あえて手で書いた理由というのは?
F:やっぱりチープ感ですよね。最近うちにいるFlashアニメーターと一緒にやることも多いんですけど、今回はアニメーションで少しホラーテイストのものをやりたいなって思ってて。そしたら、白黒の感じを出すのはやっぱり手書きがいちばんいいなぁと。ベティブープとかそういう方向ですね。

S:Flashのアニメも好きなんですが、基本手書きの方がブレとか味が出てくるので。

――今回お題として楽曲「ヤーヤーヤー」が与えられて、そこからどう企画を練り上げていったんでしょうか?
S:こだわりとか、こういうのしたいというのは特にないんですね。ただ、全体的にレトロなアメリカンテイストは変わらないんですけどね。オレンジレンジの話がきた時も、2人でどうしようかって考えて、あれこれ相談しながら進めていった感じです。

F:チープなアニメテイストだから、楽でいいかなぁって思ってたら、実はすごく大変でした。

――MVのストーリーはどういう感じなんですか?
F:あっ、もう、ほんとに、あの(ぐふっと笑って)。

S:ちゃんと話しますか(笑)?

――ちゃんと話してください(笑)。
F:あ、あの特にないんです(笑)。オレンジレンジさんから自由に作ってくださいと言われたので、じゃあホラーでいこうって。ホラーって大体まず女の子が襲われるじゃないですか。ホラーの方程式に“可愛い女の子が、絶対オバケに食べられなきゃいけない”というのがあって、まず女の子が食べられて。で、最後は「ああ助かった!」かと思いきや、まだまだ次があるよっていう“To be continued”な終わり方なんですよね。そのフォーマットは外さないようにしています。

S:わりとキャラクター優先なので、ストーリーというよりはキャラクターたちが前面に出るように自由に作っていますね。

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オレンジレンジ「ヤーヤーヤー」原画より
F:最初はハンバーガー君にしようかと話してたんですが、ハンバーガー君って既にいるなぁっていうので、サンドウィッチ君に決まったんですよ。で、サンドウィッチは一週間もすれば腐るだろうとか、いろいろな設定をしていきました。

S:あ、思い出しました!実は結構意味ありました。オレンジレンジと関係はないんですけど、個人的な話で、結構サブプライムローンで仕事的に苦労したんです。決まってた仕事が流れたり。で、どっかに「アメリカちきしょー!」みたいなとこがあったんですよね。アンチグローバリズムとか、いろいろ難しいことがあるみたいで、それはまぁよく分かんないんですけど。で、ちょっとそういう気持ちがあったんで、一応アメリカの象徴、アメリカンフットボールに食われるけどそこから脱出したいっていうような裏テーマを入れたんです。まぁ、オレンジレンジとはまったく関係ないし、サブプライムローンでうちらが儲かんなかっただけじゃないかっていう、まったく何の深い思想性もないもので。

――まさかサブプライムローンが関係してるとは思いませんでした(笑)。

■ 藤子不二雄とアメリカンテイスト
――SHASHAMINさんの原体験には、やはりバーベラのようなアメリカアニメの影響が強いのですか?
S:やっぱりアメリカンテイストはベースにあって。アメリカのクリエイティビティは上質だと思うんですよ。でも、ちょっと言われたりもするんですよ、「いまどきアメリカ?」とか「アメリカのやり方がヒドイ」だとか。アメリカのことをあまりよく思ってない人もいて。だから、好きなんですけど気にはしてるんですよ。確かにいい面ばっかりじゃないです。でも、クリエイティブで見ると、映画とかやっぱりアメリカがいいなぁって。映画のオープニングやエンディングとかで、うまーくアニメを使ってるのとか。あのアメリカの洒落てる感じがすごい好きですね。

――エンターテイメントしてますよね。
F:トイ・ストーリー3」の上映前の短編映画で「デイ&ナイト」っていう10分くらいのアニメがあるんですが、線画のキャラクターの中が思いっきり立体視CGという遊び心と技術の両方の凄さを見せられて、アナログで立体に見せようとしているところなんか、ビューマスター(60年代に流行ったおもちゃの3D写真ビューワ)とかを思い出して。

S:最近3D映画が本当に始まったじゃないですか。「アバター」とか。あんまり興味なかったんですね。で、「トイ・ストーリー3」も(3Dじゃなくて)いいのになぁとか思いつつ、見に行ったらメガネかけろって言われて。で、よかったんですよ「デイ&ナイト」。見てみたら。僕らが好きなのって古いアナログさと、新しいデジタルの混ざってる感じで、まさにそういう感じ。3Dの奥行き感にも驚かされて。線画の主人公のお腹の中で昼と夜が敵対するんだけど、喧嘩しながら仲良くなっちゃって、入れ替わっちゃうっていう。それが10分間に渡りかなりのスケールで。

F:その技術を使ってる本編のもっと凄いの見てくださーいって(笑)。

S:この辺のエンターテイメントの構成と遊び心。「アメリカはやっぱり好きだな」っていうのがありますね。

――その一方で、世代的にも日本の藤子不二雄アニメや漫画の影響はどうなんでしょう?
S:本当はそっちを見て育っているので(笑)。僕は住んでいるところが川崎なんですけども、ちょっと行ったところに藤子不二雄両先生が住んでいたんですよ。同級生が藤子不二雄Aと藤子・F・不二雄の真ん中に住んでたり。だから、親しみがあって、トキワ荘とかあの辺も好きで。(アメリカも日本も)どっちも好きなんですよね。

F:アメリカの人から見ると、SHASHAMINの作風は日本が少し入ってると思うんですよ。ミクスチャーですよね。

S:アメリカのアニメも好きなんですけども、コテコテ過ぎるのはそんなに好きじゃないのもありまして。例えば、日本人の顔ってやっぱりノッペリしてて。アメリカ人キャラクターは鼻が高くてアゴが割れているとかあるんですけど、あれってデフォルメじゃなくて本当にいるんですよね。リアルに。あれを日本でやれっていってもおかしいんですね、あんなのいないので。どっかで日本テイストっていうか平面っぽくならざるを得ない。どこかでバランスを取っています。そのままアメリカみたいのをやろうとは思っていないですね。ノッペリ平面もすごく好きなので。

スバル「ルクラ」TV CM
dir: 児玉裕一|character design: SHASHAMIN
S:アメリカの感じっていうのはどこか意識的にやっているんですけど、日本っぽさっていうのは本当に無意識ですね。「アメリカンテイストでよろしくお願いします」っていう依頼が来たとして、そのつもりで描くんですけども日本っぽくなってしまったり。例えば、先日やったスバル「ルクラ」の仕事で、僕がキャラクターデザインでL.A.の会社がパペット製作を担当。それでキャラクターのラフ画を描いて送ったんですね。アメリカのチームはラフ画を基に、更にパペット用の絵を描く人がいて、その絵を送ってもらったんです。そうしたら、やっぱり全然違うんですね。僕もアメリカンテイストにしたつもりなんですけども、僕のアメリカンと向こうのアメリカンの度合いがやっぱり違って。例えばラッコだと、日本の印象だとラッコってちょっとヘモッとしててポコポコポコっていう感じで、イメージが漫画の「ぼのぼの」なんですよ(笑)。でも、向こうの人のイメージだと獣が入ってて、爪はすごく爪っぽいし、牙とかあって、すごく肉食な感じ。「リロ&スティッチ」みたいな。日本だとあれを「可愛い!」って正直ちょっと思わないじゃないですか。

F:かいじゅうたちのいるところ」みたいに、足にウロコ生えちゃってる感じ(笑)。獣は獣なんです。

S:そうそう(笑)。たぶん、ファンシーって日本の文化だと思うんですよね。

F:だから、向こうでキティちゃんとかセーラームーンとか流行ってて、逆に最近紫とかピンク使い出したのはちょっと日本の影響があるんでしょうね。

――たしかに欧米の子供が「可愛い!」って抱っこしている赤ちゃんの人形が、すごくリアルで怖かった記憶があります(笑)。
S:キャベツ人形とかですよね。目も瞳孔とかちゃんと描かれてたり、あれ全然かわいくない(笑)。あと、シンゴくんは好きなんだけどファービーとかね。そこの越えられない壁っていうか。

■ 転換期と「Cafe de 鬼(顔と科学)」。
F:以前、SHASHAMINがうちの息子と娘を描いてくれたんですけど、息子がアメリカンで娘がちゃんと日本というか、ポンタヌキ(笑)。SHASHAMINはそういうほうが必然的に得意なんだよね。

S:そっちのほうがやっぱり(笑)。あと、言うまでもないことなんですけども、元々僕は日本の漫画好きだし、不条理モノとかが大好きで、正直アメリカンタッチとかって10代の頃は全くなかったんです。日本の漫画のパロディや不条理をアニメにする、ものすごい人っているんですね。天久聖一さんが作画を担当した電気グルーヴのMV「Cafe de 鬼(顔と科学)」(監督:ピエール瀧)で、日本の昔のアニメのパロディみたいな、「これ以上のもの作れない!」っていうものを作ったんですよね。僕、もうドンピシャすぎて「もういいや!」って思って。あんなことをやりたかったんですね、僕はたぶん。でも、たとえやってもあそこまでいけなかったんですね。不毛な感じがして。僕らはやっぱりそれなりに目立ちたいというのがあるので、「そこはいいや」って。

F:たしか「Cafe de 鬼(顔と科学)」が2005年のMVAで「BEST ANIMATION VIDEO」を受賞して、2007年で僕らのが受賞していて。結構「Cafe de 鬼(顔と科学)」を意識していて。僕らはやっぱりアメリカンな感じでいこうと。

S:アメリカンテイストなタッチのアニメは、蓋を開けるとあんまりいないんですよ。本当は僕よりもうまい人とかいっぱいいると思うんですけどね。

F:一方では、柳原良平さんのアンクル・トリスみたいな絵を描く人はいるんですよね。

S:若い人なんて、ハンナ・バーベラとか意外と知らないですから。若い方からくることもないですし(笑)。

――SHASHAMINさんのタッチに影響されて、ハンナ・バーベラ隔世影響があるかもしれませんね。では「Cafe de 鬼(顔と科学)」がある意味ひとつの転換期だったっていうことですか?
S:僕、個人的には本当そうでした。

F:でも、結構みんなあれ見たとき「おぉー!」ってなってましたよね。

S:あれ見て、宇川さん(宇川直宏)とかも、みんな衝撃を受けているんで。電グル自体がもう先輩っていうか、高校の時から、まだ「人生」っていう名前で、ナゴムレコード所属で、新宿ロフトとかでバカみたいな格好してライブしたりしてた頃からファンなんです。

F:でも、この間TABLOIDで(石野)卓球さんに会って、「最近テレビ見てて、これSHASHAMINっぽいなぁって思ってたら本当にSHASHAMINで。すごいね、いいよね」って褒めてくれたんですよ。でも、本人に会ってそんなこと言われたら照れちゃいますね(笑)。

――経歴をみていると、そういう音楽カルチャー的な背景もすごく感じるんですが。
F:SHASHAMINは、実はスチャダラパーの秘蔵っ子。スチャダラパーのいちばん売れたシングル「今夜はブギーバック」が入ってるアルバム「スチャダラ外伝」のジャケットもやったりとかしてるだけでなく、「カートゥーンズ」っていうスチャダラのポッセのラップグループにも所属してて。だから、SHASHAMINはラップ好きなんだろうって思ってたら、その当時でラップのアルバム1枚しか持ってなかった(笑)。

S:3枚3枚!3枚持ってました(笑)。スチャダラパーのDJのSHINCOが同級生なんです。高校の時の。SHINCOから流れてきた文化はものすごく大きいですね。ほとんどと言ってもいいかもしれない。10代は。

F:この間、日比谷野音でスチャダラが20周年記念ライブやったんですよ。それでゲストが木村カエラちゃん、RIP SLYME、HALCALIだったり。その中にSHASHAMINが「コロコロなるままに」っていう、コロコロコミックでスチャダラパーが連載してた時に歌ってた曲で、フィーチャリングゲストで登場して(笑)。

S:でも、基本的には何ですか・・・賑やかしですね(笑)。大したことしてないですよ。スチャダラが「今夜はブギーバック」やる時に「次のゲストは、小沢健二くーん!」って言って盛り上がるわけですよ。「キャー!」ってなって。「・・・の、実家の近くに住んでいる、佐波圭一くん!」って言われて、お客さんが「何だよ・・・」ってなってるところに僕が出てくるっていう。それを3回もやらされるとか、そういう程度です。そういう程度です(笑)。

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NTT docomo「ドコモのオマケ カエラきせかえパーツ」
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■ セルアウトなんて関係ない。だって可愛いんだもん。
――さっきも話に出てきましたが、スバル「ルクラ」のキャラクターデザインやdocomoの木村カエラのキャラクター制作といった広告分野でも活躍されていますね。
F:結構みんなジャンル分けするけど、僕らなんかは一緒だったりする。可愛いと面白いが一緒だったり。

S:例えば、ヒップホップとかにセルアウトっていう言葉があるじゃないですか。でも、思い返してみると、子供の時はあんまりそんな深いところまで突っ込んで見てなかったと思うんですね。例えば「ポパイ」とか、アメリカのほうれん草協会みたいな組織の広告のためのアニメなんですね。「ほうれん草をもっと食べてくれ」っていう。ほうれん草を売るためのプロパガンダなんですが、子供の時はあんまり気にしてなかった。それにほうれん草食べてたかっていうと別に食べてもいないんで。どっちかっていうと、そういうところで見ていないというか。でも自分が描いたキャラクターの商品、買ってもらいたいですけども(笑)。

F:あと、正直僕らのアニメをなるべくみんなに見てもらいたい。ッサブカルチャー好きしか見ないっていうよりも、田舎の中学生や普通の子供たちにも見て欲しいし(笑)。そういった媒体考えると、やっぱりCMなどのパブリックなメディアが日本では主流なので。

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2010年11月26日 – 2011年1月9日にオランダ・アムステルダムにて開催された個展「HOTEL GALAXY」。「ホテルギャラクシー」という架空のホテルのポスター展というテーマ。フロントマンが子供でポーターが犬であったりと、子供の頃の想像が溢れ出した世界観となっている。藤子・F・不二雄の漫画「21エモン1」の敵キャラクターが経営しているホテルからインスピレーションを得た。
――SHASHAMINさんにとって、絵を描くってどういうことでしょう?ちょっと答えづらいかもしれないですけど。幼少時からずっと描いてるわけですよね。
S:あの、将来何やろうかってやっぱり考えるじゃないですか。いつの頃からか。で、絵の職業をやろうと思ったのは小学校5年生くらいなんですね。そこはわりとはっきり覚えていて。

――小5の時に何があったんですか(笑)?
S:たいしたことじゃないです。小5の時に、探偵・手品師・漫画家のどれかになりたかったんです。分かりますよね、この小5の男子センス(笑)。結局、漫画からすごい影響受けてる。

F:漫画の付録でついてくる探偵特集とかそういうのもね(笑)。

S:まぁ、漫画は誰しもが好きだし。探偵は憧れというか、「名探偵コナン」とかも今の子供も好きなわけで。手品師も当時流行ってたんですね。一応憧れてちょっとは目指してたんですけど、探偵はどうやって目指したらいいか良く分からなくてダメで、手品師もちょっと色々やったんですね、手品グッズとか買って。それでやったけど、出来ませんと。でも、漫画は何となく子供でも出来るじゃないですか。なので、子供の時から漫画はちょこちょこ描いてました。それで、なんか分かんないですけど「大人になってもサラリーマンとか出来ないな」って、小5の時に思ったんですね。

――それもそれで小5にしては早い“気づき”だと思うんですが。育った環境の影響でしょうか?
S:全然!実家は八百屋なんですけど、何も関係ないですね。

F:この見た目通りですけど(笑)、人と争うのは嫌だ、肉体労働も嫌だっていう消去法で考えていったらっていう(笑)。

S:生存本能って馬鹿に出来ないと思いますよ(笑)。危機を感じたのかもしれないです。子供の時から本当にヒョロヒョロだったので。漫画家になっている人の何%とかって喘息持ちが多いんですね。小林よしのりさんとか、根本敬さんとかもそうだったかもしれない。だから、子供ながらに危機感っていうんでもないんですけど、何かあると思いますね。「こういうのやんないと生きていけないかも」みたいな。その時は、サラリーマンとか絶対に無理だという感じがあったんです。それが結局は大人になっても同じで(笑)。大学行ったんです。その時ちょっとジャーナリストとかになりたかったのかな、分かんないけど。一応、同級生のSHINCOもジャーナリズム大好きなんですね。ポリティカルなのとか大好きで。それでああいうヒップホップやってるんですけども。で、僕も好きで本当は社会学部入りたかったんですけど、入れなくて。青山学院大学経済学部卒です。

――じゃあ、その経済学部時代も描き続けて?
S:そうなんですが、4年生くらいになると就職活動とか凄いじゃないですか。無理ですよ(笑)。本当にもう何十社も履歴書送って、リクルートスーツ着てなんて。僕なんか着たってチンチクリンに決まってるんですね。「面接の達人」とかって本読んで、こう、しっかりやるとか。敬語も使えなかったんですね。当時、大人と喋ることが出来なかったんで。今もそうなんですけど。

F:話は逸れるけど、八百屋やってたお父さんも人見知りなんですよ(笑)。

S:そう(笑)!社交的じゃない(笑)。うちの親父、全く社交的じゃないのになぜか八百屋始めちゃったんですよ。だから、やっぱり地元の顔にはならず。10年頑張りましたけれども、スーパーに負けて潰れちゃいました。だから、僕自身もそんなに社交的っていうわけでもないので、描く方でいきたいなっていうのがありましたね。

F:それでちょうど友人たちがデビューしだして、そのジャケットとか色々やりだしたっていう。

S:だから、ちょっとスチャダラパーに拾ってもらったっていうところがありますね。ちょっとっていうか、かなり。描くことはもう、生存本能ですね(笑)、本当に。小学生の頃からの。

――今後やっていきたいなっていうことはありますか?
S:何ですかね、どっちかっていうと「こういうのやりたい!」っていうよりは、今やっていることをもうちょっと上手くなりたいなっていう感じです。ちょっとだけ先のことくらいしか、あんまり考えてないですね。毎回、仕事やると以前のフォーマットがちょっとだけ使えないこととかが多かったりするんですね。前回はIllustratorで描いてて今回は手書きみたいに。毎回違っちゃうんで「もうちょっとこうしたいな」っていうのがあるんですね。誰しもそうなのかも分からないですけど。そこで、もうちょっと上手くなりたいなっていうのはありますね。

F:うちの希望としては、SHASHAMINのオリジナルのキャラクターでアニメができれば。

S:元々は漫画描きたいっていうのがあったので。2011年は漫画描きたいなって思ってて。藤子不二雄とか本当に好きなので。今、あの辺のってあんまりないですよね。漫画を描いて、その漫画をアニメにもして。何か可愛らしいのを作りたいなっていうのはありますね。

――それはちょっと楽しみですね。その構想している漫画を、言える範囲で教えてください。
S:家族モノが好きなんですね。シンゴくんも“不器用な家族の愛の形”を描いたものが大好きで(笑)。

F:寅さんとか、映画「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」とか、映画「リトル・ミス・サンシャイン」とか(笑)。

S:家族で、親が親として体を成していないんだけれども、なんとかファミリーで力を合わせて困難を乗り越えていくっていう。

F:大した困難じゃないんだけど、みんな一生懸命だから感動する(笑)。基本的に、コーエン兄弟とかもそうですよね。家族で誘拐した人が死んじゃってドツボにはまっていってどうしようみたいな。そういう“不器用な家族の愛の形”が好きなんです(笑)。

S:僕も「サザエさん」が好きだったんです。あと、アメリカの「ザ・シンプソンズ」も好きなんですね。特にファミリーものっていうカテゴリーで見てるわけじゃないんですけど。「あ、そういうの好きなんだな」って思って。

F:うちの3姉妹」とかも面白いもんね。フー、スー、チーっていう3人の子供の。お母さんの苦難から始まってるんです、本当に子育て奮闘記で。それが今テレビ東京で人気があるんですよ。アニメなんですけど。

S:あとは、「あたしンち」とかも大好きで。だから、家族モノとかがいいかなぁっていうのがありますね。あとは、やっぱ藤子不二雄と宮崎駿が好きなんですね。それも「何が好きなのかな」って思うと、化け物とか変なのが出てくるじゃないですか、宇宙人とか。ああいうのがひょっこりいるのが、漫画とかの良さなので、ちびっちゃーいのがいたりとか、気持ち悪いのがいたりとか、そういうのが入った漫画にしたいっていう感じはあります。

■ 5つの質問 一問一答

1: 一番影響を受けたものを教えてください
マンガ家
2: この職に就いたきっかけは?
これしかなかったんじゃないですかねー
3: 一番好きな映画は何ですか?
今年見たなかでは「恋はデジャ・ブ
4: 作業場のまわりに必ずおいているものベスト3は?
①替えの筆ペン ②暖房器具 ③なんらかのフィギュア
5: 今おもしろいもの/事って何ですか?
Tumblrです

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