■2010年9月オンエアプログラム「アイデアの光るミュージックビデオ」
NYから来日中だった川村氏。忙しいスケジュールの合間を縫ってご協力いただいた
ここまで低予算で面白いビデオはあまりないんじゃないかな。シンプルなアイデアの大切さがすごく判る秀作。手に文字を描いただけというめちゃめちゃ緩い設定なのに、実はすごく計算されたコリオグラフィーで最後までワクワクしながら見られる。
2.READYMADE FC ft YAEL NAIM「THE ONLY ONE」 dir: RAMON & PEDRO
おもちゃの電車にカメラを載っけて撮影するというシンプルなアイデア。子供のおもちゃなどアナログなプロップで作られた世界がすごく音楽にマッチしていてとても素敵。技術に頼らず、人の手で創られたあったかい雰囲気も素晴らしい。
3.The White Stripes「Fell in Love with a Girl」 dir: Michel Gondry
誰もが一度は考えるネタだったと思うんですが、一番最初にここまでその後越えられないほどのクオリティでやったのが凄い!最初の入り方から、レイアウト、構成もきれいでレゴを使ったビデオで出来るもの全部やられちゃったって感じですね。僕も「日々の音色」でWebカム使うならこの後誰も越えられない物をつくろうという思いがありました。
4.YUKI「センチメンタルジャーニー」 dir: 野田凪
CGじゃなくて本当にスタジオにそっくりさん(?)を集めて並べるというアナログなアイデアが素敵。最後にバラバラに動いて去っていくところはおまけなのかな?でもすごく効いてる。
5. Oren Lavie「Her Morning Elegance」 dir: Oren Lavie, Yuval & Merav Nathan
コマ撮りは好きでよく使う手法です。そんな創り手の視点から見て、とってもクオリティが高い作品。展開のさせ方が秀逸なのとコマ(静止画)でみたときも絵になっている。上から見下ろして撮影するのって昔からよくあるけど、その制限の中で出来るアイデアを被らずに展開してきちんと世界を作っていて、「あ?これやりたかったな」って思いました。
6.Justice 「DVNO」 dir: SOME
モーショングラフィックものって普段あんまり反応しないんですが、狙ってる70s、80sの企業ロゴパロディーの質感がすごくうまく描けてるのと、それだけに絞って表現した根性が素晴らしくて好き。こんな風にひとネタだけで見てる人を飽きさせずに作りきるって難しいんですよね。
7.Jamie Lidell 「New Me」 dir: Oliver Laric & Aleksandra Domanovic
定点カメラの映像をグリッドに区切って、それぞれ別時間のはずなのにダンサーは皆シンクロしてるという脳が痺れるようなビデオ。アイデアはシンプルだけど実はとてつもなく複雑な構成が面白い。あと、僕はどうやらグリッドやらマスゲームものが単純に好きなようです(笑)。
8.AC/DC 「Rock N Roll Train」 dir: Phil Clandillon、Steve Milbourne
エクセルを使った変わった作品。アスキーアートって昔からあると思うんですが、これはビデオじゃなくてきちんとエクセルをダウンロード出来る仕組みまで作られているのがよかった。ビデオというフォーマットそのもので実験してる点がいいですね。曲とどう関係あるのかは不明なのでそこはちょっと微妙ですが…。
公式MVではないけど、デスクトップものということでこちらのMVも併せてご紹介。
「Apple Mac Music Video」 dir: Dennis Liu
アップルのデスクトップでできることだけで作られたビデオ。やられました!手元にある物を使って工夫を凝らしたDIYな作品たちはキュンときちゃいます。以前SOURの企画でこれやろうと思ってたら先越されちゃいました。
9.Ok Go「Here It Goes Again」 dir: Trish Sie、Ok Go
Ok Goは素晴らしい作品が一杯ありますね。聞いた話ではバンドのビデオに対しての意識が相当高くて、これなんかは自分たちで撮影したらしい。こういうバンドが増えるといいですね。「WTF」も「This Too Shall Pass」も「A Million Ways」もいいですが、こちらはYouTubeにDIYミュージックビデオを載せるという市場を開拓したという意味で記念碑的作品。
10.The Get Out Clause 「Paper」 dir: 不明
お金がなかったので、ロンドンの街中に設置された防犯カメラの前で演奏して、あとで警察から回収できたテープをつないで編集したビデオらしいです。撮影手法自体にアイデアがあって面白い。
11.Chemical Brothers 「Star Guitar」 dir: Michael Gondry
説明はいらないですね。これはめちゃくちゃ研究しました。大好きです。
12.SHITDISCO 「OK」 dir: Price James
紙ものが大好きなので、これは外せない。ポップアップブックでできるアイデアを全て使って、すごく巧く構成してる。手でほんとに動かしてるアナログな感じが◎。
13.Fatboy Slim「Praise You」 dir: Spike Jonze
有名すぎるけど、これは衝撃だった。ヘタクソだったり緩いってこと自体がアイデアになるんだという発見や、ドキュメンタリーという手法の持つ魔法を教えてくれた。いま俗に言う「Viral Video」をYouTubeとかができる遥か以前にすでにとんでもないクオリティで実現しちゃってる。
14.REM 「Imitation Of Life」 dir: Garth Jennings
これも何度も何度も見て勉強させてもらった大好きな作品。シンプルなアイデアだけど、本当にすごく丁寧で緻密に構成されている。この、どうやって計算したんだ!?感は見習いたい。それぞれの場所で起きてるイベントもいちいち面白くて全然飽きさせない。やー、すごい。
15.Franz Ferdinand 「Can’t Stop Feeling」 dir: Russell Weekes
ワイプを使ったすごくシンプルなアイデアだけど楽しくて最後まで見ちゃう。パソコンで簡単に作れちゃいそうなくらい単純だけど、面白いアイデアがあれば素晴らしいビデオになるという好例。
16.Fatboy Slim「Gangster Trippin」 dir: Roman Coppola
アイデアっていうか、ただひたすらいろんな物を爆発させているだけ。でも楽しい。企画書には’Blow stuff up’とだけ書かれてたらしい。「え?」って感じの爆発させる物のセレクトもいいですよね。
17.栗コーダー カルテット「おじいさんの11ヶ月」 dir: 佐藤匡(ユーフラテス)
佐藤雅彦研究室時代からの友人で今Euphratesにいる佐藤くんの作品。一つの素材のループでどこまで映像を展開できるかという実験性と、映像がつながったときの気持ちよさが秀逸。同じく彼が作ったこれの元ネタを大学生のころに見てめちゃめちゃくやしかった。
18.Cornelius 「Drop Do It Again ver.」 dir: 辻川幸一郎
辻川さんの作品はどれも素敵ですがこれは特に好き。曲とのシナジーも素晴らしいし、その上ミニマルな美しさがすごい。
19.Radiohead 「House of Cards」 dir: Fabien Baron
カメラなしで3Dスキャナーだけで作られたビデオ。これも撮影手法自体に新しいアイデアを盛り込んだのが素晴らしい。さらにはただスキャンするだけじゃなくて、あえてノイズが出る風に工夫したりと、ただ新しいテクノロジーを使ったマスターベーションにならないよう作り込みをしているのがナイス。
20.Sour「日々の音色」 dir: 川村 真司
手前ミソですいません…。これも始まりは「Webcamでファンをつないでビデオを作る」というシンプルなアイデアでした。頑張りました。
■選考会議を終えて
他にも選びきれないほど沢山魅力的な作品はあったが、今回の基準は”やられた感”そして”アイデアのみでなくちゃんとエンターテイメントしている作品”という基準に沿って川村氏の独断と偏見で20選頂いた。
「ギークなアイデアのまま終わっている作品は惜しいなと思いました。アイデアだけでなくどれだけ最後までみせられるかが重要だと思います。また、最初をちょっと見ただけで心をつかまれるかどうか、最後までグイグイ引っ張ってくれる構成かどうかも大切ですね」(川村氏)
リピート放送は9月7日(火)の15:00から、9月19日(日)の26:00からとなっている。実際に放映されるラインナップなど、詳細は公式Webサイトにて。white-screen.jp版と違う、VMCで放送されるラインナップもぜひチェックしてみよう!
■「GREAT WORKS selected by white-screen.jp」
放送チャンネル:音楽専門チャンネル「ミュージックビデオ専門/VMC」
放送日時:毎月第1水曜日24:30-25:30(初回放送)。リピート放送は翌週火曜日15:00、翌々週日曜日26:00
番組URL:http://www.v-music.ch/program/genre/monthly/gworks.html
放送チャンネル:音楽専門チャンネル「ミュージックビデオ専門/VMC」
放送日時:毎月第1水曜日24:30-25:30(初回放送)。リピート放送は翌週火曜日15:00、翌々週日曜日26:00
番組URL:http://www.v-music.ch/program/genre/monthly/gworks.html
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