DVDマガジン「stash63」特集記念、タングラム・矢吹誠監督インタビュー

2010.02.09 Tue

 

 

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矢吹誠氏プロフィール:1997年CGデザイナーとして活動を始めCMをメインにさまざまな映像を制作。2003年、赤地剛幸氏らとVisual Design Studio タングラムを設立。企画、演出、制作までをトータルで行う映像ディレクター、アートディレクターとして活動している。
世界から選りすぐった、最先端のモーショングラフィックス、VFX映像が楽しめるマンスリーDVDマガジン「stash」、第63号が2010年2月10日(水)リリース!今回はボーナスフィルムとして、映像プロダクションTANGRAM(タングラム)所属の映像作家、矢吹誠監督によるショートフィルム「AS ONE」、「WHITE BOX」、「MANAKAI」を収録。海外メディアでも評判の高い3作品を、矢吹監督に解説して頂いた。

■矢吹監督が3作品徹底解説
「MANAKAI」(2008年)
タングラムにてCMやCI制作のほか、アートディレクターも手掛ける矢吹監督。年に一度、クライアントワークから離れて自主作品を制作している。それらの作品は世界最高峰のCGの祭典「SIGGRAPH」で4年連続入賞を果たし、2009年にはドイツのクリエイティブエージェンシー「SEHSUCHT」とマネジメント契約を締結するなど、世界的な評価に繋がっている。

――今回収録された作品を解説して頂きます。まずは「MANAKAI」(2008年)から。これは矢吹監督の自主制作作品ですね。
コミュニケーションにおけるジレンマをテーマにした”コントラストプロジェクト”の2作目で、1作目の”scope”、3作目の”CONFINE(S)”と3部構成になっています。”MANAKAI”のテーマは主観と客観、そして変化していくこと。自分が思う自分と、人が見る自分にはギャップがあって、人間は他人と関わることで変わっていく。第1作の”scope”では自分の殻に閉じこもっていた存在が、”MANAKAI”では他者と出会うという内容を表しています。制作期間は2週間です。

「white box」(2009年) 出演者はクライアントのデザイナーさん
――次は「white box」(2009年)。動画共有サイトVimeoにアップした作品が海外メディアで紹介され、矢吹監督を世界に知らしめた作品ですね。
これは実はクライアントワークなんです。僕らへの要望は”既成概念に囚われない家づくりの映像化”ということだけで、尺やイメージなどすべて自由に制作させて頂きました。箱を動かすと風通しが良くなったり、光が入ったりして、デザイナーが家に関わることをどうやってイメージしていくかを表現しているんです。

心がけたのは、見る人になるべくイマジネーションを膨らませてもらえる作品にするということ。説明的でなく、全体を通して感じられるように、隙間をつくって説教臭くならないように気をつけています。登場するモチーフも、イメージが固まらないように、最小限で”これは木だ”とわかる程度にしています。制作はタングラム内部でほとんどのことを行いました。赤地がスタイリングや美術を行い、照明やオフライン編集も自社で行っています。3DCGはないものを具体化したり、イマジネーションを表現するのに一番やりやすい表現方法だと思いますね。

「AS ONE」(2009年) ”AS ONE”は一つになるという意味
――最後は「AS ONE」(2009年)。アブストラクトなイメージの動きが心地よい作品です。
テーマは”自然、エコ”です。建築的な要素も入れて、自然環境と社会を繋げる作品にしたいと考えました。実態のない”エコ”について考えてみようという試みです。制作期間は3週間。この作品はvimeoで8万ビュー、「white box」は14万ビューのアクセスがあり、海外から取材や仕事のオファーを頂くことが増えました。「コンテスト」でもそんなに見てもらえることはないので、動画共有サイトの力はすごいですね。

――個人作品とクライアントワークの違いはどのようなところですか?
クライアントワークでは視聴者にメッセージを間違いなく伝える必要がありますが、個人作品ではコンセプト決めから自由に行えるところですね。制作に関しては、クライアントワークでは演出やアートディレクションを行うので実際の3DCG制作は行わないのですが、個人作品では全て自分で制作しています。

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雑誌「CGワールド」の表紙において、カメラマンの半沢健氏とヘアメイクアップアーティスト冨沢ノボルらとコラボレーションワークを行っている。矢吹監督はアートディレクターを担当。テーマは自然、動物、植物と人間の融合。
――矢吹監督が映像制作において重きを置いているポイントは?
CG制作においては、複雑で精密なモデリングを作るというより、単純なオブジェクトを組み合わせて複雑に見せています。これにはプログラムも使いますね。また、僕の作品では、音楽がとても大切な要素となっています。既にある曲を使わせて頂くこともありますが、そうでない場合は、作曲家の方にイメージ画を渡して曲を起こしてもらい、仮曲を元に映像を制作していくんです。あとは静と動など、映像の”間”ですね。

――外国の方からはどのような意見が寄せられますか?
自分ではあまり考えたことがないのですが、外国の方からは作品がすごく「日本っぽい」と言われます。もしかしたらロジックでなく、感覚で作っているからかもしれませんね。また僕の作品に三角のモチーフが頻出すると言われますが、これは面を構成する最小限の形なんです。

個人作品においては、アイデアを考えている時が一番楽しく、「自分を追い込んで制作するので、制作はものすごく辛い」と語る矢吹監督。2010年4月に「AS ONE」の第二弾となる作品を制作予定とのこと。次回作も楽しみだ。

■他にも見所満載!「Terminal Bar」のステファン・ネイドルマン監督新作
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ほか、フリップ形式のコミックを部屋いっぱいに敷き詰め、指で一つづつめくっていったショートフィルム「VIDEOGIOCO」や街中に配置したダンボール人形をモチーフにしたコマ撮りアニメ「CARDBOARD」など、アイデアが冴え渡る映像作品も見どころ。stashの中で最も高い人気を誇るMV作品たち。今回もショートフィルム「Terminal Bar」で知られるUSの映像作家、ステファン・ネイドルマン監督が2ヶ月をかけて一人で創り上げた新作MVロマナ・フォールズ「I Say Fever」や、カナダのクリエイティブ・スタジオ、ウィ・ワー・モンキーズによるモノクロの幻想的MVランド・オブ・トーク「It’s Okay」など、見ごたえのある作品が揃っている。

ほか、ノーム・ムーロ監督が15人のオーストラリアのアクロバットチームとタッグを組んだワセリンのCM「Amazing Moisture」、Warp Films×フレームストアによるDJゲーム「DJ Hero」のオープニング映像、THE MILLのスタイリッシュなVFXが冴え渡るUKの新ドラマ「Misfits」のCMなど、海外クリエイティブの最先端を収録!ご予約、詳細は公式サイトにて。

矢吹誠監督に5つの質問 一問一答
Question 1: 影響を受けたものを教えてください
今まで出会った人すべて
Question 2: この職に就いたきっかけは?
マックとの出会い
Question 3: 一番好きな映画は何ですか?
時計じかけのオレンジディープ・ブルー
Question 4: 作業場のまわりに必ず置いているものベスト3は?
メモ帳、ゾウの置き物、中身の確認ができないCD-R(ゴミ)
Question5: 今おもしろいもの/事って何ですか?
臨時バーテンダー
「stash 63」
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ご予約・ご購入はこちら
発売日:2010年2月10日(水)
商品番号:NODS-00063
価格:4,410円(本体価格:4,200円)
収録分数:本編:約49分 特典映像:合計約28分 [BEHIND THE SCENE:約19分 ボーナス・フィルム:約9分]
制作年:2009年 製作国:カナダ
付録:HECQ(BEN LUKAS BOYSEN)のサンプル楽曲 (MP3)、40ページ・ブックレット
発売元:Stash Media Inc. 販売元:(株)ニューズベース
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