アニメでシクヨロ!夙川アトム×助川誠×デビルロボッツが語るアニメ「ちゃいちーのろーたーくん」

2009.12.22 Tue

 

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「ちゃいちーのろーたーくん」 毎週木曜日に@ぴあにて更新中。同時にビデオポッドキャストも配信中。iTunse Store内の特集「iTunes リワインド2009」のPodcastベストオブ2009ビデオ新作ベストの第1位に選ばれたばかり!
往年の業界用語ネタなどが持ちネタの芸人、夙川アトムが脚本・声の出演を務めるショートアニメ「ちゃいちーのろーたーくん」。業界人に憧れる小学生「ろーたーくん」の楽しい日常が紙芝居形式で綴られる、かわいいキャラクターと業界用語のギャップが楽しい作品だ。今回は謎に包まれた「ろーたーくん」制作の裏側を探るべく、本編の制作者である夙川氏とデザイン会社GRAPHの助川誠氏、キャラクターデザインの「デビルロボッツ」キタイシンイチロウ氏にお集まり頂き、お話を伺った。

■「ろーたーくん」誕生までの経緯
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左からキタイシンイチロウ氏、助川誠氏、夙川アトム氏 @デビルロボッツオフィス
まずは夙川氏と助川氏の出会いの経緯を説明しよう。二人の出会いは7年前に遡る。VJユニットSYNCSとして京都の老舗クラブ「メトロ」を拠点に活動していた助川氏に、夙川氏が「コントライブの映像をやってほしい」と声を掛けたのがきっかけだった。二人は上京後再会し、お互いがデザイナーと芸人として独自の道を歩んでいる事を知る。ところで、業界用語ネタはどうして生まれたのだろうか?

「以前所属していた事務所に、本気で業界用語を使ってる先輩がいたんです。その方に”ゴミ捨ててきて。エルモミーゴ(燃えるごみ)で”と言われた時に、業界用語でネタを作ってみようと思いました。とは言っても僕の業界用語は言葉をただ逆さにしているだけの事が多いので、とんねるずさんに「違うよ!」と直されたり、ヒアリングも出来ないので、マチャアキさんの言うことはわからない。今では本気で業界用語を使う人はほぼ絶滅状態なんですが、一部テレビ局や音楽業界にはまだいるという噂を聞きます(笑)」(夙川)

始めはおかしな業界人をちょっとバカにする目的で始めた業界ネタだったが、ネタが有名になるにつれて夙川氏自身にも業界のイメージが付いてしまった。いわゆる”ミイラ取りがミイラ”的状況だ。業界用語以外のネタもやりたいという思いがあっても、イメージが付いていると突然辞めるのは難しい。そのとき、ぴあの担当者小林美姫女史と知り合ったことで、その思いが転がり始めた。ぴあから”業界用語ネタの本を作らないか”という打診があり、本を作るという話をふくらませているうちに、「業界用語ネタを自分以外の誰かに一任すれば状況が少しマシになるかもしれない。そのためにはキャラクターが必要だ」と思いついたのだ。

■キャラクターに命が吹き込まれる瞬間
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これが初稿の「ろーたーくん」。「一瞬(D)と迷いました」(夙川)
いきなり本にするのではなく、もっと面白いことができないかと考えた結果、紙芝居形式のアニメーションへと方向転換することになった。そしてアニメーションの企画が始まったが、夙川氏も助川氏も、キャラクターづくりは初めての経験だった。

「キャラクターを作るために、例えばルパンとか、亀仙人とかバランスが取れている既存のキャラクターたちを参考にしました。とりわけ名前を決めるのが難しかったですね。最初は”敏腕のろーたーくん”なんてアイデアもありました」(夙川)

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上段のトーフ親子がモチーフになっているものが夙川氏と助川氏によるパイロット版のイラスト。下段がデビルロボッツによる同シーンの絵コンテ。 
以前から「デビルロボッツ」のかわいくて毒があるキャラクターに惹かれていた二人は、「トーフ親子」を意識したキャラクターでラフを仕上げ、デビルロボッツに依頼。後日キャラクター会議を行うことになった。その当日、二人を驚かせたのは、キタイ氏がその場で「ろーたーくん」の登場人物のスケッチをすらすらと描いていくことだった。

「もう一瞬でした。僕らが文字で書いた設定を説明していく段階で、10分もかからずに、今とほぼ同じデザインをその場で描いてくれたんです。あまりに早すぎてビックリしました」(夙川)
「キャラクターデザインなどに関する場合、僕はいつも打ち合わせ中に大体決めてしまうことが多いんです。その場で詰められるところまで詰めてしまう。バミルのキャラクターを描いたときに一番盛り上がりましたね。今回は丁寧で細かい設定があったので、描きやすかったです。手描きの仕事じゃない場合は次の打ち合わせまでにIllustratorでパスをきって着色したものを用意しちゃいますね」(キタイ)

打ち合わせの場で、4パターンの「ろーたーくん」がキタイ氏から提案され、”一番品の良い子(C)”が選ばれた。それから数ヶ月後、ぴあでオフィシャルWebサイトが立ち上げられ、毎週木曜日に@ぴあとpodcastで配信されることになったのだ。

■「ろーたーくん」制作現場に迫る!
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バラエティに富んだネタは、二人でアイデアを出しあって制作していく。「ついったー」のエピソードでは、普段穏やかな原案出し作業には珍しく「ブーボーがロハスかどうか」について長い議論に及んだそうだ
実際の「ろーたーくん」の制作現場はどのように進められているのだろうか?

「1話の脚本・絵コンテを作るのに、要する時間は1時間ほど。途中のエピソードは調子に乗って画の枚数が多い話になってしまい、更新に間に合わなくなりそうになりました(笑)。近頃は、更新に間に合うような制作フローを考えてます。”ネタ振り”の不要な宮沢賢治の詩「あめ」や「ドレミの歌」など、既存のネタを使ったものを考えたりしています」(夙川)

夙川氏と助川氏による絵コンテが完成すると、アニメーションユニットの「リトルロケッツ」が原画を制作。キタイ氏が仕上がった絵の監修を行って修正を施した後、助川氏にデジタルデータで送られ、音入れと編集段階に入る。「ろーたーくん」での録音は、絵が出来上がってから声を入れるアフレコがほとんど。絵を参照しながら夙川氏の声を吹き込んでいく。この録音・編集も助川氏が行っており、最も難しいのは編集だと語る。

「声録りは1時間程度で終わりますが、”間”が難しいんです。キャラクターごとの声を絵に合わせて置いていくんですが、微妙な間が面白さを左右してしまう。ちょっとした間で俄然面白くなったり、空気感が伝わったりするので、Final Cut Proと睨み合ってやってます」(助川)
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キタイ氏の描いた絵コンテ「最初のエピソードは自分が絵コンテを書き、それに沿ってリトルロケッツが原画制作していました。今は僕は最後の監修だけ行っています。例えばブーボーがノースリーブだったものを長袖にしたり」(キタイ)。体格のいいブーボーがノースリーブだと確かに暑苦しい。


■今後の展開は「ろーたーくん展」開催?!
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「一時期、文字を全部逆さに見てしまう職業病になったことがあります」(夙川氏)
最後に、「ろーたーくん」の今後の野望を聞いた。

「ろーたーくんは舞台と違うので、毎回新鮮です。DVDや本などを出したいですね。あと、イベントとか。等身大の着ぐるみを使って。フィギュアも欲しい(笑)」(夙川)
「全部終わったら、吉祥寺のマンガカフェ”CAFE ZENON”で個展”ろーたー展”をやりたいね。店員さんが、結んだセーターをプリントしてるTシャツ着て(笑)」(キタイ)
「キッチンのゴミ箱は”エルモミーゴ”で!メニューが全部さかさまに書いてあって、業界用語で注文しないと料理が来ないとか(笑)」(助川)

ちなみに3人それぞれのお気に入りのエピソードは、夙川氏が絵にインスパイアされた「あめ」、助川氏が初登場キャラの声をいろいろ試した「いぬ」、キタイ氏が”一番絵が動いている”「うんどうかい」を挙げている。みんなに愛される新キャラクター、ろーたーくんから今後も目が離せない!

© DEVILROBOTS/夙川アトム/ぴあ
5つの質問 一問一答
Question 1: 影響を受けたものを教えてください
夙川:シティボーイズ
助川:大学の先輩たち
キタイ:アニメ

Question 2: この職に就いたきっかけは?
夙川:ほかの仕事ができないから
助川:理系で行きたい学部が限られていた→京都工芸繊維大学→MACとの相性が人より良く、グラフィックデザイン・映像の道へ
キタイ:上京

Question 3: 一番好きな映画は何ですか?
夙川:ザ・カップ~夢のアンテナ~
助川:なくもんか
キタイ:ニキータ

Question 4: 作業場のまわりに必ず置いているものベスト3は?
夙川:コーヒー、タバコ、おやつ
助川:その時必要なもの以外は何もない…
キタイ:いも焼酎

Question5: 今おもしろいもの/事って何ですか?
夙川:口ロロ(クチロロ)
助川:「gawa-gawaの活動」
キタイ:デザイン
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