WeWereMonkeysの幻想的世界はいかにして作られるか?MV Land of Talk「It’s Okay」

2009.11.10 Tue

 

Land of Talk’s “Its Okay” dir: Davide Di Saro、Mihai Wilson (WeWereMonkeys)|pro: Marcella Moser|dp: Dominic Schaefer|exec pro: Cherie Sinclair|prod: The Field
浮遊感のあるダークな映像が魅力的なミュージックビデオ(MV)、Land of Talk「It’s Okay」。幻想の世界の中、天まで届く長い髪をなびかせて馬を駆る謎の人物…。このMVを制作したのは、カナダのクリエイティブ・スタジオWeWereMonkeys(ウィ・ワー・モンキーズ以下WWM)。グラフィカルなアニメーション、浮遊感のある3D映像が融合したMVは、どのように制作されたのだろうか?

■MVの制作は繰り返し曲を聴くところからはじまる
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WWMは2007年にカナダで結成。現在はディレクター/VFXアーティストのMihai Wilson(ミハイ・ウィルソン)とDavide Di Saro(ダビデ・ディ・サロ)、プロデューサーのMarcella Moser(マルセラ・モーゼル)の3人で活動している。もともとMV制作プロダクションやデザイン・スタジオなどで活躍していた彼ら。WWMとして最初のMV作品alajube「Le Crabe」で、いきなり2007 MTV People’s Choice Video Awardにノミネートされた経歴を持つ。

WWMのMV制作は楽曲を繰り返し聴くことから始まる。楽曲のフィーリングとムードから本質を掴む鍵を探し、メンバーでアイデアを出し合ってブラッシュアップしていく。本MVのコンセプトは、ギリシャ神話に登場するアマゾーンの国の女王アンティオペー。彼女は一族の最後の生き残りで、避けられない最期へ向かって馬を走らせている。どこまでも長く伸びる髪はメンバーの会議で出たアイデアの一つで、後になってからマンガのヒーローからインスパイアされたものだと気づいたという。

本MVの制作期間は2ヶ月。まず彼らがこだわったのは、アンティオペーの衣装。「彼女の衣装は”アジアの歴史風”とか、特定のスタイルにはしたくなかったんだ。だからサムライからインスパイアされた革の鎧を作ることにした。素材には着古した革ジャンとかシルクのキモノとかガウンとか、いろいろなものを使った。全部手縫いで、二日間かかって作り上げたんだ」と語る。

■2Dと3Dの融合
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乗馬シーン撮影風景。朝4時に起き、早朝の光の中撮影した。
実写撮影では、バンクーバーの機材ショップにてREDを1週間レンタルし、カナダの郊外ランビーまでドライブ。超軽量のグライダーに乗り込み、馬の走るシーンやカラスが飛ぶシーンをを撮影した。これまで2Dのコラージュ作品を主に手がけてきた彼らにとって、実写素材の使用は新しいチャレンジだったという。

「実写を使ったのは、映像の深みを表現するため。馬の素材はロトスコープ化し、3Dの髪を付け加えることにしたんだ。2DパーツではAfter EffectsとPhotoshopでロトスコープ、キーイング、マットペインティング、コンポジションを行った。3DパーツではCinema4Dを使って髪の毛や動物、風景の一部を制作する、というようにそれぞれ使い分けているんだ。新しいチャレンジだってけど、知らないことを覚えるのは大好きだからすごく楽しかった。あと、グライダーから撮った空撮映像はグラグラするので、スタビライゼーションで固定しているよ」と語る。

上昇する重力、そしてゆっくり破壊されていく世界が曲のダークな雰囲気と結びついて、現実ではありえない世界観を生み出した本作品。もともとアニメーションにバックグラウンドを持つ3人だが、現在はメディアミックスと実写に興味があるという。今後も新しいテクニックとテクノロジーを取り入れた作品を見せてくれるだろう。

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