左:水崎淳平氏、右:水野貴信氏
神風動画:CGアニメプロダクション。水崎氏が京都在住時に設立。studio 4℃を経て、京都で活動していたメンバーとの再会を機に本格始動する。現在は演出、制作、デザイナーらを抱える計11人で構成。
神風動画:CGアニメプロダクション。水崎氏が京都在住時に設立。studio 4℃を経て、京都で活動していたメンバーとの再会を機に本格始動する。現在は演出、制作、デザイナーらを抱える計11人で構成。
■日本アニメ界の才能が集結!安室奈美恵MV「Dr.」
安室奈美恵「Dr.」
「アニメーションMVには、ケン・イシイ「EXTRA」(森本晃司監督)のようにエポック・メイキングな作品が何年かに1作のペースで出現するんです。僕も「EXTRA」からは多大な影響を受けていて、あれから10年以上経った今、何か1つここで区切りを作らなくちゃいけないと思っていたんです」(水崎)
水崎氏はクライアントとの初顔合わせの際、オリエンも受けていない状態でMVのイメージボードを持参した。神風動画には”打ち合わせには手ぶらで行かない”というポリシーがあるという。それは制作に対する情熱を表すとともに、クリエイターが責任を持って良いものを納品するためにイニシアチブを取りたい、という意思表示でもある。受注する側が先手を打つことにより、クライアントと対等な位置からクリエイティブの話を始めることができるため作戦だ。
■総勢40人!会社の枠を超えた日本アニメ界のコラボレーション
この1シーンには3組のクリエイターが集結。安室奈美恵はサンライズ、少女は名古屋在住のアニメーター、背景はスタジオじゃっくによる。
「制作決定から5日で絵コンテとキャラクターデザインを終えて、”もしOKじゃなかったらここで終わります!”って説得しました(笑)。企画者の佐藤秀一さんのストーリーが壮大でしたし、僕も一度広げた風呂敷を小さくするのは性に合わないので、この規模でやりぬいてやる!という意気込みだけで乗り切りました。各パート別に得意とするアニメーション業界に声を掛けていったんですが、狙いは人物の感情をしっかり出すこと。今回は納期が殺人的に短かったので、主人公を一番想定しやすいデジタル的な表現とし、表情の演技で優しさや温もりを出すことを目指して依頼していきました」(水崎)
制作に関わったクリエイターは総勢40名。それぞれのクリエイターの特性を把握し、的確に依頼した水崎氏のディレクション能力は驚くべきものだ。その依頼先は、いずれも日本アニメーション界の第一線で活躍するクリエイター。特に肝となる人物のアニメーションは元神風動画の森田修平監督率いる「FREEDOM」チーム(サンライズ/アニメーション制作会社)しかいないと思い、オファーしたという。カップヌードルのタイアップで話題を呼んだ「FREEDOM-PROJECT」。そのOVAシリーズで培った、CGキャラクターを表情豊かに表現するノウハウは彼らにしかできないものだった。ほか、作画はテレコム・アニメーションフィルム、背景は劇場版「ポケットモンスター」などを手がける「スタジオじゃっく」や映像作家の「木霊」など。これだけ多くの会社、多くのクリエイターが参加するとイメージの統一においても一仕事になりそうだが、水崎氏はその秘訣を「キャラクターデザインが一人の人間(鈴木理恵/神風動画)であるということと、自分が監督としてかなり細かい指示を行ったからかもしれません。」と語る。
■画創りの妥協なきこだわり
NAMIE AMURO 「Dr.」 (p)(c)2009 AVEX ENTERTAINMENT INC.
「スケジュールの時点で皆さん”無理ですよ!”っておっしゃってたんですけど、こうやって完成させることができました。制作中に思い出していたのは、僕が多大な影響を受けた森本(晃司)さんの”勝つイメージしか持たない”って言葉ですね。森本さんって、失敗したらどうする、とかいうルートがないんです。勝った時の道しかイメージしてない。やっぱり”EXTRA”の人だから(笑)」(水崎)
アニメーション制作会社ではありがちな徹夜や休日出勤をほとんど行わないワーキングスタイルを誇る神風動画にとっては前代未聞の制作現場となったことは想像に難くない。まさに”妥協は死”なエピソードだ。
■インディーズアーティストとのコラボMV「The Last Piece」
「TxHxC × The Last Piece 木島恭介編」 dir: 水野貴信 本作品はiTunes storeで4月29日(水)発売開始!
「『The Last Piece』シリーズは、ずっと前から構想があって、企画側から紹介された曲のうち、これなら面白いのが作れると思って今回コラボレーションしています。今後も違うアーティストと組んで、ストーリーを見せるシリーズ作品として制作していきます」(水野)
「The Last Piece」では、ダイナミックな構図やキャラクターのユニークな動きなどに、神風動画の看板である3DCGを手書きタッチのように見せる表現が効果的に使われている。この手法が生まれたのは1998年の神風動画設立とほぼ同じ頃。水崎氏が3DCGでの表現を模索していた際に追求していたもので、99年にCGコンテスト「WavyAward99」で世に知られることになった。以降、神風動画はその表現の第一人者として知られている(現在、一般的な3DCGソフトでは「トゥーンシェーダー」というプログラムとしてソフトに組み込まれていることが多い)。
ダイワCM「次世代編」 dir: 水野貴信 (c)DAIWA
「手書きのアニメに比べると、どうしても一枚一枚の画にありがたみが出ないデメリットもあるんですけどね。上手いアニメーターが手書きで動かした作品を見ると敵わない面がある。でも研究しているうちに、一枚一枚考えたパースやバランスが取れるノウハウも生まれて、マイナス面も克服してきました」(水崎)
本作の制作のために、水野氏はこれから1年間、コマーシャルワークをやらずに、オリジナルにのみ集中していくという。会社としては大胆な試みだ。
「これには神風動画として、少人数で短期間、低予算の体制を開発する狙いがあるんです。これまでの神風動画のやり方だとどうしても予算や手間が大きくなってしまうので、大きい案件しか受けられなくなってしまうかもしれない。それだと遊び心のある仕事を逃してしまう可能性もあると思うんです」(水野)
■クリエイティビティのヒミツは鎖国?!
HIFANA「WAMONO」 (c)2005 W+K東京
「一言で言うと鎖国です(笑)。例えば冷静に考えるとチョンマゲって意味不明ですけど、外国の方には面白がってもらえたりしますよね。そんな風に変わった立ち居地にいたいというか。だから最新のアニメーション作品や他スタジオの動向を研究せずに敢えて凝り固まった姿勢になってみている。自分のスタジオがどう見られているかということは意識しても、表現の面においては流行を追うことはしないんです。もしかしたら置いていかれる不安もあるんですが(笑)」(水崎)
妥協の無い姿勢とあくなき好奇心、チャレンジ精神を併せ持つ彼らは、現代に生きるサムライか?!日本からしか生まれ得ない彼ら独特の表現で、これからも日本のアニメーション業界に神風を吹かせてくれるに違いない!
・神風動画
5つの質問 一問一答
Question 1: 影響を受けたものを教えてください
金田伊功さん(水野)
映画「アキラ」(水崎)
Question 2: この職に就いたきっかけは?
動くものが好きだから(水野)
森本さんのミュージックビデオ「EXTRA」(水崎)
Question 3: 一番好きな映画は何ですか?
クローバーフィールド/HAKAISHA
(水野)
クローバーフィールド/HAKAISHA
(水崎)
Question 4: 作業場のまわりに必ず置いているものベスト3は?
ブラックブラックガム(水野)
ルービック・キューブ、ヒヨコ、携帯電話(水崎)
Question5: 今おもしろいもの/事って何ですか?
BMX(水野)
ガソリンで走る全長1m近いラジコン(すごくうるさい)(水崎)
Question 1: 影響を受けたものを教えてください
金田伊功さん(水野)
映画「アキラ」(水崎)
Question 2: この職に就いたきっかけは?
動くものが好きだから(水野)
森本さんのミュージックビデオ「EXTRA」(水崎)
Question 3: 一番好きな映画は何ですか?
クローバーフィールド/HAKAISHA
クローバーフィールド/HAKAISHA
Question 4: 作業場のまわりに必ず置いているものベスト3は?
ブラックブラックガム(水野)
ルービック・キューブ、ヒヨコ、携帯電話(水崎)
Question5: 今おもしろいもの/事って何ですか?
BMX(水野)
ガソリンで走る全長1m近いラジコン(すごくうるさい)(水崎)
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