「記憶に残るブック&マガジン」(ビー・エヌ・エヌ新社) 編集・インタビューを手がけた深沢慶太氏は、STUDIO VOICE編集部を経て、現在Numero TOKYOやAXIS等で活躍中のフリーエディター&ライター。
さて、編集者とは何だろう?深沢氏は「編集者とは、本や雑誌を作る担当職のこと…だけではないのだ。印刷物に限らず、ウェブや広告、TV番組の企画はおろか、新語や流行をも作り出してきた自作自演の仕掛け屋。(本文より)」と言う。編集者は常に時代を先取りし、自分が楽しい、新しいと思ったものを読者に伝える伝道者。それは時に誰かの価値観すらもひっくり返してしまうこともある。
この本に登場するのは、いずれも独自のビジョンを持ち、人々の記憶に残る雑誌や書籍、プロジェクトを手がけてきた編集者たち。「風とロック」のクリエイティブディレクターで、今も自主制作でフリーペーパーを作り続ける箭内道彦。元スタイリストという経歴を持つ「Numero TOKYO」の編集長、田中杏子。日本のユースカルチャーをいち早く海外に紹介した雑誌「TOKION」を創刊したルーカス・バデキ・バルコ。雑誌「BRUTUS」にて茂木健一郎や杉本博、またBRUTUS史上最も売れた「井上雄彦特集」を手がけた鈴木芳雄。スタイルのある雑誌「コンポジット」、「Invitarion」を創刊した菅付雅信。TSUTAYA六本木などのブックセレクションを手がける幅允孝。写真投稿雑誌「アウフォト」を創刊し、現在はフォトグラファーとしても活躍する米原康正。ベストセラー「磯野家の謎」、サブカル雑誌「Quick Japan」を創刊した赤田祐一。講談社の「Hot-Dog Press」編集部に在籍し、現在はおしゃれ園芸雑誌「Planted」編集長を務めるいとうせいこう。
読み応えのあるインタビュー記事からは、編集者たちの強烈な個性と信念の渦が滲み出ていて、雑誌や書籍から刺激を受けていた気持ちを思い出させてくれる(ネット漬けの人間にも!)。読み終わった頃には、きっと書店に刺激を求めに行きたくなってしまう、そんな一冊だ。
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