空間×身体×テクノロジー。NYのマルチメディア・スタジオ”TRONIC”

2008.10.10 Fri

 

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TRONIC:クリエイティブ・ディレクターJesse Seppi(ジェシ・セッピ)とアート・ディレクターVivian Rosenthal(ヴィヴィアン・ローゼンタール)が2001年に設立。これまでNikelab.comやSONYなど大規模なCM作品などを数多く制作しているほか、映画やインスタレーションなど幅広く活動している。
NYをベースに活動するマルチメディア・スタジオTRONIC(トロニック)。もともと建築を専攻していた彼らの作品は、2Dのグラフィックと3DCGを巧みに用い、厳格なコンセプトに基づいて新しいテクノロジーをフルに使ったもの。設立から7年を迎えたTRONICの、これまでの活動や物創りにおける哲学について創立者のヴィヴィアンに聞いた。

―― お二人は建築を勉強されていたんですよね。なぜ映像の道に?
TRONIC(以下C): ジェシと私が出会ったのはコロンビア大学の大学院で建築の研究をしていた頃です。クラスの最初の日に、私たちは建築、映画、テクノロジー、アニメーションと、いろんなことについて話し合ったのを覚えています。それは10年経った今でも変わっていません。私達はデジタルと身体的空間が交差するところについて共同論文を書き上げました。それはトロニックとしてその後も探求し続けているテーマなんです。

大学院に行く前、ジェシはTHOM MAYNEが経営するモーフォシスという建築事務所で働いていました。モーフォシスでは早期から様々なプロセスをデジタルで行っていてジェシもそれらに携わってました。建築デザインのプロセスやプレゼンテーションは実はアニメや映画に近いものだったんです。何かを別の形に”翻訳する”ということ。デザインのための翻訳作業が私たちにとって新しい体験で、視覚的であり直感的な映像は、逆に建築では出来ない事でもあったんです。

■ミクロとマクロの間の”シフト”を探求!
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Discovery Channel “NextWorld” dir: TRONIC
“GE BUILDING BLOCKS”やターゲット、SONYHDNAのような作品でミクロとマクロの間の”シフト”(移り変わり)を探求している。
―― お二人のお仕事はミクロな視点とマクロな視点で構築されているのが印象的です。微粒子が集まって大きくなり、意味を持つという。このアイデアはどこから来るものですか?哲学的なものすら感じます。
T: ミクロとマクロの間の”シフト”(移り変わり)を探求することが私たちの制作を通しての目的なんです。この大きさの移り変わりって私たちの住む宇宙に特有で、存在そのものですよね!だから凄く興味を持っています。私たちは粒子のシステムを、大きさの移り変わりを表現したり、抽象概念を表現することに使いました。私たちの視覚は抽象化されていても何を描いているのか、オリジナルなものを定義できますよね。

トロニックの哲学は「空間」、「身体」、「テクノロジー」が交わるところにフォーカスしています。人間は将来、空間をどんなことに使うのか?それはどんなもの?インターフェースはどんな風になっているのか?表象と現実が崩壊して一つになるのはいつ?

私たちの作品はクリーンで無機質な感じがするかもしれませんが、実はとてもオーガニックなのです。トロニックの作品を説明するとき、造語「SYNTHETIC MANIPULATION」をよく使います。テクノロジーとシフトによって、デジタルと身体的なもの、無機的と有機的なものを合成操作するのです。私達はデジタルで無機的な方法でオーガニックなものを表現することにとても興味があります。私たちはこの二つの共存する関係が好きなんです。

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TARGET “MARBLES” dir: TRONIC
TARGETは最先端な広告で知られているブランド。午前、お昼、午後6時の3回店頭のLEDで上映されるムービーは、CGで作られたマーブルが重力と、身体的な制約を受け展開するアニメーション。


■7年間で変わったこと、変わらないこと。
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HITACHI/ WIRED MAGAZINEのフェスティバル「NEXTFEST」のプレゼンテーションムービー。形がない水を表現するのにコンテナの形を与えた。
―― 2001年にトロニックを始めてから、変わったことと変わらないことを教えてください。
T: 当時、モーション・グラフィックスはすごく実験的なものとして始ったんです。今ではご存知のように企業やブランドのプロジェクトに使われていて、すごくコマーシャルな表現となりました。ほとんどの場合、モーション・グラフィックスのコマーシャリズムは良い方向で使われていると思います。デザイナーが生計を立てると同時に、自分の表現を行うことができるチャンスだし、その上このブランド化された世界に自分の意見をすることだってできるんですから!

トロニックを始めたころ、私たちの作品は半分以上が自主制作の実験映像やインスタレーションでした。クライアントはその作品を見てプロジェクトのオファーをくれたんです。最近は、アート・プロジェクトを作る時間がなくて…。でも、アートと商業作品のバランスを取り戻すための制作に取り掛かりたいと考えてます。

―― 具体的な計画はありますか?
T: コンテンポラリー・ダンスグループとTRONICのコラボレーション・プロジェクトがあります。すごく楽しみです!モーション・キャプチャーと彫刻のアニメと躍動する身体の動きから、クリエイティブ・プロセスを視覚的に見せるんです。現在はこのプロジェクトのスポンサーを探しているところです。革新的なことがやりたい日本の企業と一緒にやることができたらいいですね。もし興味があれば、私たちにご連絡ください!

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SONY “HDNA” dir: TRONIC
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52インチのHDプラズマTVで上映されるため、THE HDX3 FORMATで制作された。
―― ちなみに、いつも1日何時間くらい働いているんですか?
T: 長すぎる位(笑)。なのに全然時間が足りません!!! というか、もう何年も1日に十分な時間があったことがないんです。

―― 心中お察しします…。それでは最後に、クリエイティブのヒミツのスパイスを教えてください。
T: 他の人が自分達のやっていることに何を言おうが、例え作品が誰かのものに似ていようが気にしすぎないこと。自分の意見とスタイルを見つけて、それに従うこと!

―― ありがとうございました。

建築、デザインなど多彩なバックグラウンドから生まれる、ハイブリッドなTRONICの作品たち。今後もさらなる進化を遂げてくれることを期待!

TRONIC(トロニック)

TRONICに5つの質問 一問一答
Question 1: 一番影響を受けたものを教えてください
両親
Question 2: この職に就いたきっかけは?
アート・インスタレーションをやってから。
Question 3: 一番好きな映画は何ですか?
ブレードランナー
Question 4: 作業場のまわりに必ず置いているものベスト3は?
ヘッドホン/音楽/大きなスクリーン
Question5: 今おもしろいもの/事って何ですか?
踊ること
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