映像業界必須イベントInterBEEその内容とは…

2007.11.27 Tue

 

Inter BEE 2007(国際放送機器展)が11月20日より4日間千葉県・幕張メッセで開催された。 放送局、プロダクションの関係者をはじめ、映像・サウンドクリエイターや学校関係者など多数が訪れた。 映像関係者には見逃せない展示会になった事は言うまでもない。

今年のInter BEEの展示スペースは幕張メッセの海側のホール2~8を使用しており、 「過去最大規模」との発表もあったように、754出展社(前年比21社増)、展示規模2,013(同127増)した。 2011年7月の地上デジタル放送完全移行に向け、制作設備更新の最終段階に入ったこと、来年に迫った北京オリンピックにむけた取材機材の選択などの要因が重なり、各社のブース面積も、例年並みかやや大きめになっているようだ。

出展の増加は、放送のデジタル移行によるものだけではないようだ。インターネット配信における動画利用の拡大により、これまで動画を扱うことのなかった新聞社などもWebサイトで利用を始めている。 米国ラスベガスで毎年4月に開催されるNAB(全米放送機器展)では、地方局、ネットワーク局、CATV、衛星放送といった放送分野だけでなく、インターネットの動画配信分野、携帯&モバイルへの動画配信分野などを巻き込み、数年前からは参加者10万人超のエレクトロニクスショーへと変貌している。 遅ればせながら日本でも、放送分野を越えた映像制作総合機器展としての胎動が始まったようだ。

会場の幕張には強風が吹き荒れ冬の到来を感じさせてくれる、時間をかけて会場に行かずともその雰囲気が分かるように、注目ブースをいくつか紹介しよう。

■Production Premiumを中心としたワークフローを提案
[アドビ システムズ]

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アドビ システムズは、今夏にバージョンアップした映像制作スイート製品であるAdobeCreative Suite 3 Production Premium(以下Production Premium)を中心に、同社製品を使った映像制作ワークフローを提案した。また、映像制作ターンキーソリューションAdobe OpenHDを提供する、日立ハイテクソリューションズ、Too、クレッセントの3社がパートナーコーナーに出展、Matrox、AJA Video Systems、Blackmagic、Bluefish 444のカードを使用したシステムを紹介した。

ブースでは、Production Premiumを使用したワークフローの概要のほか、ノンリニア編集ソフトウェア Premiere Pro CS3を使用した松下P2ワークフロー、ビジュアルエフェクトソフトウェアAfter Effects CS3の新機能概要、Flash Videoによる映像配信とAdobe MediaPlayerについてのデモを行った。アドビのワークフローの特徴として、企画段階から撮影、編集、インターネット配信、携帯動画再生まで一貫したソリューションを提供できる事をアピールした。

会期2日目はプロダクションの白組が、Adobe After Effects活用事例として、11月3日から公開されている映画『Always 続・三丁目の夕日』のメイキングを公開するセッションを実施した。 このほか、Inter BEEでは初となるライブ動画配信をAdobe Flash MediaServerを使用して、 フラッシュコンテンツ「Inter BEE TV」を構築。 出展者インタビューなどのライブ映像、収録映像を公開した。

■DIGISUPER 86AFなどでHDズームレンズラインアップを強化
[キヤノン]

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キヤノンは、HDズームレンズラインアップに追加した新製品として、HDTVカメラ対応スタンダードズームレンズDIGISUPER 27、HDTVカメラ対応フィールドズームレンズDIGISUPER 86AFDIGISUPER 100AFを出展した。 DIGISUPER 86AFとDIGISUPER 100AFは、従来製品であるDIGISUPER 86 xs、DIGISUPER 100 xsにキヤノン独自のオートフォーカス機構とシフト式光学防振機構を採用したズームレンズで、それぞれ86倍、100倍のズーム倍率となる。オートフォーカス機構に、位相差センサーを採用することで、フルハイビジョンでの合焦精度を高めたほか、高速フォーカス合わせや高速移動物体へのフォーカス追従が可能になった。常時AFと一時AFを切り替えて使用できる。 カメラレンズで定評のあるシフト式光学防振機構も、放送用により高精度・高性能にして内蔵。レンズ内のブレセンサーで揺れや振動を検知して、補正光学系を光軸に垂直に移動させてブレを補正する。レンズ材質に使用しているUDガラスや蛍石による色収差補正、像面湾曲収差補正とともに、映像の品質を向上させることにつなげている。 DIGISUPER 27は、スタジオ用27倍ズームレンズ。従来製品のDIGISUPER 25 xsで定評のあるデジタルサーボシステムを進化させ、サーボ時の静穏特性を損なわずにズームスピードを向上させ、 ズーム全域駆動時間を0.5秒にした。サーボ特性は、好みに応じてカスタマイズすることも可能。 このほか、普及型HDズームレンズラインアップに新たに加わったKJ20×8.5B KRSDもデモした。

■REDカメラなどを交えHDのワークフローを紹介
[アップルジャパン]

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アップルジャパンは、ノンリニア編集スイート製品であるFinal Cut Studio 2に含まれる各製品を中心にHD制作ワークフローを提案した。 Final Cut Pro 6には、エンコード/デコードを繰り返しても世代劣化が少なく、10bit 4:2:2画質のHDをSD並みのファイルサイズで取り扱える編集コーデックProRes422や、異なるフレームレートや解像度、コーデックを混在できるオープンフォーマットタイムラインなどの新機能を搭載した。ブースでは、ソニーの XDCAM EXを用いたネイティブ編集や、松下のAVCIntraのProRes 422編集のデモも行っている。Motion3は、3D空間でのエフェクトが可能になり、ペイントツールを強化している。エンコードソフトウェアのCompressor 3は、エンコーディング速度を向上させた。サウンド編集ソフトウェアのSountrack Pro 2は、サラウンド音源の編集も可能にしている。Final Cut Studio 2のソフトウェア群に新たに加わって注目を集めているのがColor。近年、DI(デジタルインタミディエイト)によるカラーコレクションが脚光を浴びているが、Final Cut StudioにColorを搭載した事で、編集前、撮影段階からカラーグレーディングを行う事が可能になりそうだ。

■SxSメモリーカード実現でいよいよテープレスの時代へ
[ソニー]

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ソニーは、「HD FOR ALL ソニーが拓くHDソリューション第2章」をテーマに、最新HD制作機器・ソリューションを出展した。注目を集めたのは、11月から出荷を開始したSxSメモリーカードを使用するXDCAM EXカムコーダPMW-EX1、コンパクトフラッシュ同時記録を可能にした業務用HDVカムコーダシリーズだ。 MW-EX1は、高速な新記録メディアSxSメモリーカードを使用したメモリーカード専用カムコーダ。小型ハンディカムコーダーでありながら新開発の 1/2型CMOSセンサーExmorを3枚使用することで画質の問題をクリアしている。 業務用HDVカムコーダの新ラインアップはInter BEEの直前の11月14日に発表され、 1/3型3クリアビッドCMOSセンサーExmorを搭載し、レンズ交換が可能なハンディタイプとなる。 取り外し可能なコンパクトフラッシュスロットを採用し、HDV 1080/24p・25p・30pのプログレッシブ記録が可能。 このほか、11型有機ELパネルを使用し、広色再現性、高速応答性、広視野角を生かし、高コントラスト で忠実な黒の再現が可能なビューファインダーを参考出展した。

■トムソングラスバレーのシステムと連携したワークフローを紹介
[カノープス]

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カノープスは、トムソングラスバレーのシステムと連携した、放送局向けの報道編集ワークフローとポストプロダクション向けの映像制作ワークフローを紹介した。 報道制作ワークフローは、素材取り込みから編集、送出までのトータルソリューションを提案。 ブースには、北陸朝日放送に納入した完全テープレスでノンリニア化したシステムを再現した。 VTR収録や回線収録のスケジュール収録を行うインジェスト端末EDIUS Ingest Stationを使用して取り込んだハイビジョン映像をK2 EDIUS Shareで素材共有。 西日本コンピュータが構築した報道支援システムで取材予定管理から原稿作成、ニュース運用までのサポートをしながら、複数のHD対応ノンリニアビデオ編集ワークステーションHDWS-1100/HDWS-1100MIPで編集をしていく。 最終的な映像送出は、K2 Media Serverからリアルタイム入出力が可能な収録/送出システムK2 Media Clientで行うという流れだ。 映像制作ワークフローのコーナーでは、来春発売予定の素材共有サーバEDIUS Work Group Serverを出展。グラスバレーのデジタルメディアカムコーダーIntensity DMC 1000、ソニーのXDCAM EX、松下のAVC Intraを使用し、HD対応ノンリニアビデオ編集ワークステーションHDWS-3000/HDWS-3000MIPで編集するワークフローを実演した。編集ソフトウェアEDIUS ProでのAVC Intra、XDCAM EXはオプションで対応するが、当面はターンキー限定で提供するという。 ユーザーからの要望が多くあることは認めており、ターンキー製品以外での対応も検討しているが、対応時期などの詳細は未定という。

■撮影周辺機材とともにサポートする
[ボーゲンイメージング]

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ボーゲンイメージングは、Manfrottoビデオサポート製品、GIZZOビデオサポート製品、KATAカメラバッグ製品、Refrecmediaクロマキー製品を出展した。 ブースでは、Refrecmediaクロマキー製品をデモした。ビデオカメラのレンズ先端にRefrecmediaのライトリングを装着。クロマット布にライトリングの光を照射することによってクロマキーを実現する。ライトリングは、ブルーのものとグリーンのものがあり、それぞれを使い分けることにより、グレーのクロマット布がブルーバック、グリーンバックとして機能する。 ビデオサポート製品は、ManfrottoのFIG RIG 595Bに注目が集まった。FIG RIG 595Bは円形フレームを採用し、その中心にハンディタイプのビデオカメラを取り付けることが出来る。円形フレームを車のハンドルのように保持することで、安定した撮影が可能になるという。円形フレームに装着するクランプにより円形フレームごと三脚に取り付けることを可能にしているほか、クランプにライトやマイクのホルダーを取り付けることができる。オプションには、円形フレームに直接取り付けることが可能なカメラのリモートコントロールスイッチもある。

■クリエイターの制作スタイルに合わせたHD制作環境を提供
[ブラックマジックデザインジャパン]

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ブラックマジックデザインジャパンは、Macintosh、WindowsでHD編集を可能にするBlackmagic Design社製のキャプチャカード、コンバータ群を出展した。 Intensiy Proは、小型のPCI Expressカード1枚にHDMI入出力を各1系統と、ブレイクアウトケーブル端子を搭載する。プレイクアウトケーブルは、HD/SDアナログコンポーネント、NTSC/PAL/S-Video入出力、アナログオーディオ入出力、S/PDIF出力に対応しており、HDMI出力を持つHDカメラやアナログビデオでのHD編集を可能にする。DeckLink HD ExtremeもPCI Expressカードのソリューションだが、こちらは10bit/8bit 4:2:2 HD/SD-SDI出力2系統とHD/SD-SDI入力1系統と、ブレイクアウトケーブル端子を搭載する。 DeckLink HD Extremeのプレイクアウトケーブルは、HD/SDアナログYUVコンポーネント、NTSC/PAL/S-Video入出力、2ch XLRアナログバランスオーディオ入出力、2ch AESデジタルオーディオ入出力、RS-422デッキコントロール、リファレンス入力に対応しており、ベータカムSP/デジタルベータカムから HDV/HDCAM/HDCAM SR/D-5など幅広い映像機器を接続可能だ。
Multibridge Proではブレイクアウトボックスによるネイティブ2K編集が可能なソリューションとなる。3Gb/s SDI、SDI、HDMI、アナログなどに幅広く対応しているほか、10bit/8bitのデュアルリンク4:4:4やシングルリンク4:4:4/4: 2:2と互換性も確保している。Multibridge Eclipseは、3Gb/s SDIを使用したより高度な制作環境を提供し、2K 2048×1556デジタルシネマ編集をリアルタイムで行う事が可能になる。 このほか、デュアルレートHD/SD-SDI入力12系統とSDI出力24系統を持つルーティングスイッチャーWorkgroup Videohubや、3Gb/s SDIをサポートし、3D LUT、5.1サラウンドモニタリング対応6ch RCAアナログオーディオ出力を備える2K/HD/SD対応モニタリングソリューションHDLink Proも展示した。

取材・文:秋山謙一(イメージアイ)・WS編集部
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