作者の川村真司氏に聞く!世界を驚かせたWebカムMV、SOUR「日々の音色」のヒミツ
2009.07.13.Mon
Category : Features / Interview
Zealot Co., Ltd / Neutral Nine Records SOUR"日々の音色"
dir: 川村真司 + Hal Kirkland + ナカムラ マギコ + 中村将良
インターネットで話題沸騰のミュージック・ビデオ(MV)、SOUR「日々の音色」はもうチェックした?Webカム動画を駆使し、シームレスにモチーフが移動する驚きの作品だ。全世界で話題になっているこの作品の作者は、NY在住のアーティスト、川村真司氏(前回の記事は
こちら)。本の上に虹が浮かび上がるパラパラ絵本「RAINBOW IN YOUR HAND」など、ユニークかつボーダレスな活動をしている注目のアーティストだ。川村氏に、本作品の制作の裏側などについて聞いた。
本作の構想はまずMV制作にはつきものの予算問題と、距離的な問題がハードルとなった。しかしその制約を逆に生かそうと考えた時、このアイデアを思いついたという。企画構想から完成まで約3ヶ月が費やされたという本作品、実際の制作はどのように進められたのだろうか?
「コンセプトが決まってからは、様々なサイズの映像のグリッドを出力してそこに考えられる限りのアイデアをどんどん書き起こしていきました。その中で良さそうなものをFlashで簡易的にアニメーションに起こして曲とのタイミングを計ります。そのアニメーションを元に、自分たちで演技したものを撮影して編集しました。細かい振り付けを検証するためです。そうしてビデオのプロトタイプを作成し、キャストに送って振り付け練習をしてもらいました」
出演者については、NYを中心として国際的なキャスティングを行ったほか、SOURのブログや
mixiコミュニティで日本からのボランティア出演者を募集した。実際の撮影では、精度の高い演技を引き出すためにプロトタイプのビデオがかなり役に立ったという。ビデオを見ながら演技を行ってもらい、web camを通した映像をiShowUを使って録画していった。本番では、80人近い各キャストごとに数十テイクもの撮影が行われた。編集にはAfter EffectsとFinal Cutを使用している。
「撮影後は、バラバラの素材を編集で定められたグリッドにはめていき、あまりにも動きがずれている箇所などを微調整していきました。それぞれのキャストの個性や、アナログ的な緩さを大切にしたかったので、なるべく編集にたよらず実際の演技で動きがシンクロすることを重視して作業を進めました」
本MVにおいて、この複雑な構成を可能にしたのは撮影前の綿密なプランニングがあってこそ。人と人の繋がりの大切さを感じさせる壮大な作品は、こうして完成したのだ。
MV「日々の音色」に込めた想いを聞いたところ、"色々な価値の氾濫する世の中で、本当に大切なものは何?全ての違いを受け入れたら自分自身の音色を奏でよう"という歌詞を引用して語ってくれた。
「この歌に込められたそんなメッセージが、今の時代の気分にすごい合ってるなぁと感じています。一人一人の個性を引き出しつつ、それらをつなぎ合わせて一個の大きな表現を作りあげる、今まさにネットで起きていることの縮図を今回web camを使う事によって表現できたように思います。そうした今の時代だからできるようになった自己表現や、人との新たなつながり方の可能性を感じてもらったり、でも結局はどんなに技術が発達しても最後は人と人とがつながれることがいつの時代も変わらず一番うれしくて大切なことなんだなぁって見た人が想ってもらえるとうれしいです」
■前作「半月」も要チェック!
SOUR ”半月" dir: MASASHI KAWAMURA + MASASHI SATO
前作「半月」は、手の動きだけを使用した、ちょっとダークでシュールな独特の影絵MV。。広告批評誌「2007ミュージックビデオベストテン」に選ばれるなど、話題を呼んだ。撮影は川村氏と佐藤氏が黙々と自分の手の影だけを撮影して制作した。今回の作品とはまったく逆の、"閉じられた偏執的な世界の面白さ"を感じる作品だ。こちらもぜひ見てみて欲しい。
MVを手がける時は、「その曲の世界観を体現しながらも、音とかけ算されて新しい表現になるようなアイデアを映像に盛り込むよう心がける」という川村氏。何度見ても新しい発見がある本MV、世界を驚かせたそのアイデアをじっくりお楽しみください!
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MASASHI KAWAMURA