~天国から地獄まで~ホテル・エレベーター・インスタレーション「Civilization」
2009.06.18.Thu
Category : WS Pickup
"Civilization" dir: Marco Brambilla|prod: Crush
ホテルとは、日常から離れた空間を提供する場所だ。しかしこのたびNYにオープンしたStandard Hotel(スタンダート・ホテル)のエレベーターに乗り込むと、天国(もしくは地獄)に誘われてしまう始末。これはビデオ・アーティストのMarco Brambilla(マルコ・ブランビヤ)によるビデオ・インスタレーション「Civilization」。エレベーターの中は暗闇になっており、上昇や下降に合わせてHDモニタに天国や地獄の映像が映し出される仕組み。「ビデオの壁画」をコンセプトに、なんと500以上の映像クリップをエレベーターの動きと同期させてコラージュ。ダンテの「新曲」をブランビヤ流に表現。
ビデオ・アーティストとしても活躍しているブランビヤ氏にホテルのオーナーがビデオ・インスタレーションを依頼したのがきっかけ。ブランビヤ氏はリドリー・スコット門下生であり、シルヴェスター・スタローン主演の映画「デモリション・マン」の監督で知られる映像作家。カナダ・トロントの映像プロダクションCrushとタッグを組んで映像制作を行った。仕事の速さでは定評のあるブランビヤ氏。今回一番時間をかけたところはコラージュする映像素材のリサーチとサンプリング。メジャーなものから知られざるものまで膨大な映像ソースをカタログ化する作業に3ヶ月を要した。それらの映像素材をエディットして新しい作品を作っていく様は、まるでサンプリング音楽の制作現場のようだったという。Crushはブランビヤ氏のエディットを毎週チェックし、6週間をかけて500以上の素材がそれぞれ独立してループする映像を制作した。最初はゲームエンジンを使ってエレベーターとシンクロさせようと試みたが、クリップをコラージュする方法には機能せず断念。映像をループさせる方向に転換した。完成した映像は、地獄→煉獄の底→煉獄の真ん中→煉獄の上→天国→地獄の底の6つのセクションに別れており、エレベーターの動きに合わせて2分半でループするようにプログラムされている。
壮大な映像絵巻がエレベーターで体験できる本作品。ちなみに、エレベーター酔いを起こさないための対処もバッチリ行われているという。NYに行く機会があればぜひ体験してみたい。