ビジュアル・マッピングが世界を映像のカンバスに変える!映像集団「AntiVJ」
2009.06.10.Wed
Category : WS Pickup
映像を投影する受け皿の選択肢が加速度的に増えている。映像が投影されるスクリーンはもはや白くてフラットなスクリーンだけではない。高層ビルから歴史的建造物、さらには車まで、あらゆる物体がスクリーンとなっているのだ。そうして新しいフォーマットにチャレンジしていくアーティストたちの中でも、とりわけアグレッシブな姿勢で知られるビジュアル集団が、ヨーロッパで活躍する「AntiVJ」。彼らの辞書に普通の設備やテクニックという文字は無い。ビジュアル・マッピングのテクノロジーのもと、小さなオリガミから160mの住宅まであらゆる環境で精巧な映像投影で魅せてくれる。データ・マッピング、トラッキング、AR、立体視、ホログラムなどあらゆるテクノロジーを取り入れ、新しいビジュアル・トリップに挑み続る彼らの活動について紹介しよう。
■ビジュアル・マッピングとは?「Light Up Bristol」
"Light Up Bristol" 2008年、AntiVJは拠点をブリストルに移している。
AntiVJのメンバーは現在4人。設立者のEmovie(イームービー)ことOlivier Ratsi(オリビエ・ラツイ)を筆頭に、ブリュッセル在住の
Legoman(レゴマン)ことYannick Jacquet (ヤニック・ジャケ)、フランス人の
crustea(クラスティ)ことJoanie Lemercier (ジョアニー・ルメルシエ)、AaltoことRomain Tardy(ロマン・タルディ)だ。ラツイが心から組みたいと思ったアーティストとだけコラボレーションするビジュアル・レーベルである。彼らの作品に欠かせないビジュアル・マッピングは、映像を投影する対象の座標データを記録し、例えばホンモノの窓やドアから何かが飛び出したりという2Dと3Dのコラボレーションを可能にするテクノロジー。VJやビデオ・アーティストの間でポピュラーになってきたが、一般的な認知度はまだ低い。
この「Light Up Bristol」は、2006年12月ブリストルで行われた彼らのアーリーワークス。イメージのデザインなどをアードマン・アニメーションが手がけた、公営住宅の壁面を映像で飾り付けるプロジェクトだ。投射するファサードのサイズは横160m×縦10m。そこに全長120mものイメージをプロジェクターにて投影した。上映には20,000ルーメンのプロジェクターを6つ使用。プロジェクターはそれぞれ1,024×768なので、投影されたのは6,144×768のハイ・ディフィニション映像。ギガバイトサイズになったビデオファイルの制御のためにサーバーを2つ使用し、VJソフトArkaos 3.6にてビデオのコントロールを行っている。
■ハンパないシンクロ感!ビジュアル・マッピング進化形
AntiVJ - Crea Composite: Nuit Blanche Bruxelles AntiVJは20分のパフォーマンスを披露。
「Light Up Bristol」より2年後に行われた「Nuit Blanche Bruxelles」は、彼らのビジュアル・マッピングの進化系。キャンバスは歴史ある建造物。レンガの1つ1つまできっちりとマッピングしてアニメーションされており、ムービーでは実際に建造物が変形しているように見えるのがスゴい…!本作品ではLegoman率いるビジュアル・チームCrea composite(クレア・コンポジット)とコラボレーション。スケジュールがタイトだったために、なんとテストもなしにやり遂げたという。
■オリジナルのソフトウェアを開発中!
AntiVJ "3Destruct audiovisual installation"
彼らのビジュアル・マッピングのユニークさは、インスタレーション作品でも発揮される。こちらの「3DESTRUCT」は、AntiVJの映像を使った作品。LegomanがブリュッセルのアーティストShiruことJeremie Peeters(ジェレミー・ピータース)、Thomas Vaquie(トーマス・ベキ)とコラボレーションして制作した、没入型のインスタレーションだ。蚊帳で出来た大きな半透明のキューブに3Dの映像を投影すると、作品の中を歩き廻る観客が方向感覚を失ってしまうという。近々ライブ映像のバージョンもお目見えする予定。
彼らはFlash、After effects、cinema4D、photoshop、Arkaosといったソフトウェアを使用して行っているが、カンタンにビジュアル・マッピングができるオリジナルのソフトウェアを開発中だ。それはリアルタイムのデータマッピング、XMLファイルでの書き出しやcinema 4Dなどのソフトウェアとの連携、ビジュアル・マッピング・ライブのための機能などが盛り込まれる予定。世界や日本の街角に、立体感と臨場感に満ちた映像作品が現れるきっかけになるかもしれない。これからのAntiVJからも目が離せない!
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AntiVJ