2008メディア・アート最前線「アルス・エレクトロニカ」
2008.07.14.Mon
Category : WS Pickup

Ars Electronica(アルス・エレクトロニカ)」は、世界最大規模を誇るメディア・アートの祭典。1979年から毎年オーストリア・リンツで開催されている。CGを利用した作品を表彰する「コンピュータアニメーション、映画、VFX」や学術的な要素を含むメディア・アートの「ハイブリッドアート」、「デジタル・ミュージック」、「インタラクティブアート」、「デジタルコミュニティー」、「アンダー19フリースタイル」、学術論文の「メディア・アート・リサーチ」の7部門で構成されている。 世界から作品を募り、最高賞の「ゴールデン・ニカ」、準グランプリの「Award of Distinction」とそれに続く栄誉賞「Honorary Mentions」が決定される。今年は62カ国から3,000を超える応募があり、審査員によって賞が選定された。

これまで日本から明和電機(2003年)や坂本龍一・岩井俊雄 (1997年)などが受賞し、今年は「ニコニコ動画」が栄誉賞に輝いたことでアート・ファン以外からも話題を集めたアルス・エレクトロニカ。2008年注目の受賞作はこちら!

■コンピューター・アニメ部門で木村卓氏が準グランプリ!
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「Kudan」 dir: Taku Kimura、Links DigiWorks inc.
コンピューター・アニメーション部門でを勝ち取ったのは、カンヌ国際映画祭でもベスト・ショートフィルムに輝いた「Madame Tutli-Putli」。カナダのアニメプロダクション「Clyde Henry Production」(クライド・ヘンリー・プロダクション)が制作。アニメーション、造形、コラージュ、脚本のすべてを手がけている。瞳の部分に実写をはめ込み、リアルな質感を生み出している。準グランプリは日本のCGプロダクション「リンクスデジワークス」の木村卓氏が演出を手がけるアニメーション「KUDAN」。人面牛身の妖怪「くだん」に変身した父親を主人公に、父と子の心の交流を描くドラマ。公式ページにて予告編を見ることができる。

■花形が集結!インタラクティブ・アート
「Absolut Quartet」
アルス・エレクトロニカの中でも、最も注目される「インタラクティブ・アート部門」には驚きのハイテクアートが勢ぞろい!グランプリ作品の「Image Fulgurator」は、カメラと銃が一緒になったような形状のガジェット。人の目には見えないが写真には写る特殊な光線が投射される。そこになかったものが写真に写りこむので、写真を見た時にオーディエンスにかなりの驚きをもたらす。写真を”証明”として使う現代人に、疑問を投げかける作品。

準グランプリの「Absolut Quartet」は、巨大サイズのスゴいロボット・オーケストラ。酒類メーカー、アブソリュートのWebプロジェクトで、カンヌ広告祭のサイバー部門ではゴールドに輝いた。長さ6 メートルのマリンバに、2本の腕を持つロボット40体がゴムボールを跳ね上げて自動演奏!35のワイングラスも同時に鳴らされる。一体どうなっているんだ!?制作はニューヨーク在住の Dan Paluska(ダン・パルスカ) と Jeff Lieberman(ジェフ・リーベマン)。Webサイトにて体験できる。

■日本から11作品が受賞の快挙!
N. Hirakawa: "a plaything for the great observers at rest"
今年は日本人が11作品で受賞を果たした。デジタル・コミュニティ部門では動画共有サイトの「ニコニコ動画」、中村勇吾氏の「FFFFOUND!」が栄誉賞を受賞。インタラクティブ・アート部門ではHIRAKAWA Norimichi氏による地球と太陽のモデルを操る作品「a plaything for the great observers at rest」が準グランプリを獲得した。地心座標と日心座標を自在に動かし、天体のダイナミックさを体験できる装置だ。 ほかにも、日本勢ではインタラクティブ・アート部門にて「動き出す色の世界"Dance with Colors!"」展に参加中の武藤努氏の作品「Optical Tone」、 藤木淳氏の「Extended Cognitive Tools」などが受賞している。

海外の映像作品では映画「Ratatouille(レミーのおいしいレストラン)」、ケミカル・ブラザーズの「サーモン・ダンス」ミュージックビデオ、LUXのCM「(Shine) Neon Girl」などが栄誉賞を受賞した。

どれも個性的な、最先端のメディア・アートたち。授賞式は9月、リンツの「アルス・エレクトロニカ・センター」という研究機能やアーティスト・イン・レジデンスをも併設した総合文化施設にて開催される。

「アルス・エレクトロニカ」
1979年から始まった、世界最大規模を誇るメディア・アートの祭典。CGを利用した作品を表彰する「コンピュータアニメーション、映画、VFX」や学術的な要素を含むメディア・アートの「ハイブリッドアート」、「デジタル・ミュージック」、「インタラクティブアート」、「デジタルコミュニティー」、「アンダー19フリースタイル」、学術論文の「メディア・アート・リサーチ」の7部門で構成されている。


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