40年を総括「森山大道展」
2008.05.25.Sun
Category : WS Pickup

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内覧会にて自らの作品について語る森山氏。 森山大道:1938年大阪生まれ。フリーの商業デザイナーを経て、写真家・岩宮武二および細江英公のアシスタントとなり、1963年に独立。1998年からは、ニューヨーク・メトロポリタン美術館を始め、全米で2年に渡る大規模な巡回回顧展が行われるなど、世界的な評価も高い。一貫して路上から見た日常の断片を撮り続け、その力強い作品群は国や世代を超えて高く評価されている。
1960年代から「アレ・ブレ・ボケ」と呼ばれる強烈なモノクローム写真を撮り続け、カリスマ的な人気を誇る写真家、森山大道。ミュージシャンやファッション関係者などからも支持が高く、ヒステリック・グラマーやアンダーワールドのカール・ハイドも彼の熱心なファンの一人。偉大な写真家、森山氏のこれまでの足跡と今を探る回顧展「森山大道展」が東京都写真美術館にて開催中。40年間の活動を網羅した「レトロスペクティヴ1965-2005」と最新作「ハワイ」で構成される、彼の写真人生の総括とも言える展覧会だ。

■40年を振り返るレトロスペクティヴ
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「光と影」1981年 レトロスペクティヴのキュレーションは写真美術館が手がけた。森山氏は「僕は自分の写真を他者にゆだねるのがけっこう好き。人を通して生き返る写真はいっぱいあるから、編集やデザインの担当者に投げだすこともある。」と語る。
レトロスペクティヴは1965年から2005年までの活動を総括。平坦ではなかった彼の写真作家としての40年間を当時の雑誌と実際の作品や未発表作を含む約200点で追う。

初期の作品には60年代の時代背景が色濃く映し出されている。寺山修司と作り上げた「にっぽん劇場」、"写真とは何か"を問う運動「プロヴォーク」などは今でも人気の高い作品。当時森山氏は「100メートル歩くとフィルム1本無くなる位、たくさん写真を撮っていた」という。しかし「プロヴォーク」以後、森山氏は深刻なスランプに陥った。その後80年代に入り復活を果たすまでの苦しい時期の写真(「北海道」など)も数多く見られる。

叙情性をたち切り、凄みを増した90年代のファッションブランド「ヒステリック・グラマー」とのシリーズや2000年代の「新宿」「ブエノスアイレス」。都市から日常の断片をスナップショットで切り取った写真は、見る者の感情を揺さぶる。

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「Osaka Daido hysteric no.8」1997年


■森山大道にしか撮れない「ハワイ」
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「ハワイ」2007年
2階展示室では2004年から3年をかけて撮った「ハワイ」を、森山氏自身が構成を行った約60点が展示されている。そこにある「ハワイ」の風景は、私たちの知っているハワイではない。光が強ければその分影も暗いと言わんばかりに、ハイコントラストのモノクロームで南の島の明るさと暗がりを描きだす。

会場ではハワイ撮影の記録映像も上映。彼自身撮影したトカゲがモチーフになった壁紙が敷き詰められ、照明の落とされた空間で上映される。画面にはせわしなく動き回り、まばたきをするようにシャッターを切る森山氏が現れる。自身は撮影スタイルについて、あまり考えず、動き回りながら撮る「一種スリ的な行動」だと語る。

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開放感のあるスペースに展示されている。
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展示風景。

今後については、「外国を撮ることが多かったので、日本に帰りたいという思いがある。今後はまた東京を撮りたい」と語る森山氏。パリ・カルティエ財団など世界中で個展を成功させるいわゆる"巨匠"となった今でも彼は都市をうろつき、ヒリヒリした熱狂と冷たさをモノクローム・フィルムに写し続けている。開催は6月29日(日)まで。

■「森山大道展Ⅰ.レトロスペクティヴ1965-2005/Ⅱ.ハワイ」
主催:東京都写真美術館/産経新聞社
日程:2008年5月13日(火)~6月29日(日)
休館日:毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)
時間:10:00~18:00 (木・金は20:00まで) ※いずれも、入館は閉館の30分前まで
入場料:一般 1,100(880)円/学生 900(720)円/中高生・65歳以上 700(560)円
※( )は20名以上の団体料金
会場:東京都写真美術館 2階‐3階展示室
〒153-0062 東京都目黒区三田 1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
問合せ:03-3280-0099
■関連出版物「森山大道論
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出版社名:淡交社
仕様:A4判 総208頁(Wトーン104頁/モノクロ104頁)
価格:2,520円(本体 2,400円)
発売日:2008年5月20日
ISBN: 978-4-473-03516-5
本展覧会の図録。多彩な執筆者による論評に加え、美術館で一般より公募した論文1編を掲載。未発表作を含む写真53点を収録した、注目のアンソロジー。執筆者はカール・ハイド(underworld)、大竹伸朗(美術家)、鈴木一誌(ブック・デザイナー)ほか。
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