フランスのスーパールーキー、ディレクターズ・デュオ Jonas/Francoisが登場!
2008.01.18.Fri
Category : +PEOPLE , Features / Interview , WS Pickup

2007年話題をさらったミュージックビデオ(以下:MV)の一つ、ジャスティスの「D.A.N.C.E」。映像監督を務めたのはフランスのディレクターズ・デュオjonas/francois(ジョナス/フランソワ)。リアルに迫る有機的なグラフィックと実写の融合を、若干24歳で学生だった彼らが成し遂げたことに世界の映像ファンが驚いた次第!


2007年春先に発表となった「D.A.N.C.E」は業界や耳の早いファンの注目を集め、その秋には世界的ラップスター カニエ・ウェストのMV 「The Good Life」の監督に抜擢される。「D.A.N.C.E」での動くTシャツ・デザインと実写の融合というコンセプトを踏襲しつつ、よりリアルに表現の幅を広げ、一躍時代の寵児となった。続いてSONYがウォークマンのCMに彼らを起用。日本のお茶の間に彼らのモーショングラフィックが流れたのは記憶に新しい。

ジョナスとフランソワの出会いは6年前、美術学校「Beaux Arts in Poitiers」にて。当時お互いの希望する進路は違っていた。フランソワはグラフィック・デザイナーか、コミック作家を志望。一方はジョナスはデザインを学びプロダクトやモノ創りを希望していた。が、二人が在学中に一緒に手掛けた仕事がきっかけで、二人の将来のビジョンが一致した。「そうだ!ビデオを作ろう!」。以来二人はメディアを研究し、数秒の短いアニメーションを創り始めることになった。ビデオ制作において二人がソロで制作することはない。構成、脚本、制作までいつも共同作業だそうだ。

現在、フランスのプロダクションSoixante Quinze Productionsに所属し活躍する二人に「D.A.N.C.E」と日本で制作した「SONY ウォークマン CM」について話を聞いた。

So Meとの出会い

アートディレクターSo Meと手掛けたコンピレーションアルバム「EdRec vol.2」のティーザー。レーベルの全部のジャケ写を使用したアニメーション。
「ED REC vol II」はDAFT PUNKのマネージャー、 ペドロ・ウィンターが2003年に立ち上げた音楽レーベルED BANGERからの依頼。 この仕事で初めてSo Meと知り合ったが、リアルに会ったのはウィンターから「D.A.N.C.E」のトラックを渡されて、ビデオ制作の依頼をされた時だった。So MeはCDジャケットはもちろんED BANGER関連すべてのアートワークを手がけるアートディレクター。アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックのポスターを現代に蘇らせたような、ドローイングスタイルのグラフィックが特徴。クールでカッティングエッジなレーベルカラーを決定づけるアートワークを発表し続けている。So Me と彼らは「D.A.N.C.E」、「The Good Life」、「SONY ウォークマン CM」とコラボレーションしていく事になる。


「D.A.N.C.E」の制作の裏舞台
―― 話題をよんだこのビデオですが、コンセプトを教えて下さい。
Jonas (以下: J):ペーター・フィッシュリ&ダヴィッド・ヴァイスによる「事の次第」という30分ほどの映像作品があるのですが、仕掛けによる連鎖反応で、タイヤが上り坂を転がったり、炎が燃えて次のアクションが起こったり、とにかくネバーエンディングストーリーなんです。(同作品にインスパイアされたHondaのCMもvideo of todayにて公開中) 視覚においし~い映像の連続!実はこれがこのビデオのコンセプトです。単なるカラオケビデオじゃないものを目指しました。
Francois(以下:F):それと僕たちのトリックをシンプルでリアルに感じてもらいたかったんです。誰でも出来ちゃうような。でも実はほぼ不可能な表現も仕込んでいるんですよ(笑)。出来そうで出来ない…という側面も狙いの一つでした。

―― このTシャツのグラフィックが動くというアイデアをどう映像化するか、ソリューションは最初からみえてたんでしょうか?
J:通常、僕らはプリプロの段階で凄い量のスケッチやドローイングを書いて準備するんですが、今回はTシャツが動く短いテスト映像を創り、どうやって実現していくのがベストか試行錯誤したんです。同時に最初から最後までこのビデオが楽しくなくてはいけないので、その辺も注力しました。

―― 使用したソフト、制作期間やスタッフ数を教えてください。
F:基本、アドビのAfter Effect(以下: AE)で編集、カラコレ、エフェクトなどを行いました。PC1つで作業が完結するって言うのはとても好きですね。撮影は1日でポスプロは3週間。スタッフは最少人数で行い、僕ら以外に4人のテクニカルスタッフだけでした。撮影後、僕たち二人がそれぞれAEでアニメーションをほぼ毎日、毎夜仕上げていきました。

―― 影響されたカルチャーはありますか?

J:僕たちは共通するアイデアやグラフィック、映画などの影響はあまり受けていないんです。そのせいで、より強いアイデンティティを生み出していると思います。
F:YoutubeやMTV世代としてやっぱりミシェル・ゴンドリーやスパイク・ジョンズに影響されました。彼らはMVを次なる領域へ推し進めてきた フィルムメーカーですからね。他にも影響された監督は沢山いますが一部名前を挙げると、デイビッド・リンチ、デイビッド・フィンチャー、ジョルジュ・メリ エス、ジャック・タチ、ハーモニー・コリンやビデオアーティストのアーウィン・ワーム、シルヴィー・フルーリ、ズビグ・リプチンスキー。そして何よりパ レ・ド・トーキョーで行われるアートイベントです!

―― SONYのウォークマンのCMは、「D.A.N.C.E」のMV体験を広告という媒体に拡大する試みがなされていますね。
ほぼ同じ方法で制作しましたが、今回はTシャツの動きだけでなく、セット全部をキャプチャーしたんです。Puffyの背景にデザインを配置するために、グリーン(クロマキー)で撮影しました。音楽がヴィジュアルに変化し、リズムを刻んでいるような世界感を目指しました。

―― 今回は日本でのプロダクションでしたが経験されてどうでしたか?
J: 日本にいるときには驚きっぱなしでした。日本のスタッフはプロジェクトに対して自身を凄く投資している印象を受けました。次々に繰り広げられる打ち合わせや、深夜まで制作の詳細を確認したりとか。今回のプロジェクトに関してそれらがすべて良い結果となったと思います。僕たちの性にもあっているし。ただ、グラフィック処理に時間がかけられなかったことが心残りです。ジャスティスやカニエ・ウェストのMVの場合、最後の瞬間まで最高のスポットを探してグラフィックを変更したり動かしたりしてましたから。
F:今回は広告(CM)でMVではないという、プロジェクトの性質によるところが大きいですよね。時間も限られているし、躊躇したりテストしたりすることはなかなか難しい。MVよりよりコントロールされていますからね。

―― 最後にお気に入りの映画を教えて下さい。
F:最近見たアントン・コービンの「Control」は素晴らしかったですね。
J:たぶんヤン・シュヴァンクマイエルの「Alice」かな。

年末の忙しいときに答えてくれたジョナスとフランソワ。ジョナスはまだ在学中という、スーパールーキーたち。ポップな表現の裏に広がる実験映像やアートへの考察がリアルなカルチャーと結びつき、強いアイデンティティを放っている。今後とも目が離せない!

Videography
- She Swam in the Nude- "Chippings on the roof" (2006)
- Kavinsky - "Testarossa Autodrive" (2006)
- bless_promo single(2006/12)
- ed banger promo (2007/3)
- justice - "D.A.N.C.E." (2007/5)
- KANYE WEST feat. T-PAIN - "The Good Life" (2007/9)
- Unklejam - "Stereo" (2007/10)
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