今年のアートシーンはこれを見ずには語れない-東京都現代美術館「SPACE FOR YOUR FUTURE -アートとデザインの遺伝子を組み替える」
2007.11.05.Mon
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ユニークなエキシビジョンを数多く企画してきた東京・木場にある現代美術専門の美術館「東京都現代美術館」で、現在刺激的な展覧会が
開催されている。その名は
「SPACE FOR YOUR FUTURE - アートとデザインの遺伝子を組み替える」。
2007年10月27日(土)から2008年1月20日(日)の期間開催されるこの展覧会には、アート・ファッション・建築・デザインとさまざまな分野を
超えて活躍する13ヶ国34アーティストとクリエーターが参加。建築界からは人気建築チームのSANAA、ファッション界からはBLESS、
フセイン・チャラヤン、アート界からはカーステン・ニコライ、オラファー・エリアソンなど、それぞれのジャンルで今勢いのあるクリエイター
たちが集められた。
建築家でありアーティスト、などボーダーレスに活躍するクリエイターが増え、ジャンルの垣根がなくなりつつあるいまの時代のニーズに
マッチしたエキサイティングな展覧会である。さまざまなジャンルのアートをまとめあげた長谷川祐子氏の率いるキュレーターチームの
高いキュレーション力もみどころだ。開会前日に行われた内覧会の模様を、会場の写真とともにお届けする。
※記事中、写真上部にアーティスト名:作品タイトルを記載
蜷川実花:「my room」 2007年 協力:小山登美夫ギャラリー
造花と金魚をモチーフとした写真を空間全体に埋めつくすインスタレーション。ビビッドな色彩を全身で浴びる。
フセイン・チャラヤン:「LEDドレス」 2007年
Courtesy : Hussein Chalayan in collaboration with Swarovski.
自動で動く服など、テクノロジーとファッションを融合させたコレクションを発表しているファッションデザイナー、フセイン・チャラヤンの作品。
LEDチップをドレスの表面につけ、ドレスそのものが映像を映す。
エリザベッタ・ディマッジョ:「無題」 2007年 Courtesy of the artist
ファッションブランドFURLAが取り組む芸術賞「FURLA PER L'ARTE」を受賞したイタリアの女性アーティスト。外科用メスを使用し、きり絵により薄い紙をレースに変身させる。美しい影も作品
の一部となっている。
マイケル・リン:「無題」 2007年
一見すると白い壁に作品がかかっているが…
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じつは壁には鉛筆でびっしりと花の模様が
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伝統的な台湾テキスタイルのパターンをペイントした作品で人気のマイケル・リン。一見すると部屋の一番奥の一面だけに
絵が飾られているようだが、よく見ると部屋全面に鉛筆で同じ花柄が描かれている。リン氏は今回この展示のために2週間会場に
通って制作した。ひとつの壁面しか彩色していないのは空間のひろがりを感じてほしいと思ったためで、鉛筆でやわらかい印象を
出したかったという。できればじっくりと空間を含めた作品全体を感じてほしいと語っていた。
マイケル・リン氏
SANAA:「フラワーハウス」 2007年
「金沢21世紀美術館」などを手がける建築ユニットSANAAの作品は、草花に囲まれた自然共生型の個人邸宅という
建築プラン。曲線を描くガラス張りの家の中にかわいい家具が。
カーステン・ニコライ:「フェーズ」 2006年
ミュージシャン/ビジュアル・アーティストのカーステン・ニコライの作品。微細な霧の粒子が空気中をただよい、
投影される映像によってスクリーンに光が映し出される静謐なもの。
COSMIC WONDER:「magic village」 2004年
アーティスト前田征紀が1997年からスタートさせたプロジェクト。このインスタレーションは、山や木々や住宅が広がり、桃源郷を思わす
空間にその住人が静かにたたずむもの。いわゆる自然の模倣や自然回帰とはことなり精神の自由を空間におとしこんでいく。
タナカノリユキ:「100 ERIKAS」 2007年
ソニー・エリクソンの携帯CMのオリジナル作品でおなじみの沢尻エリカ100変化。CGをいっさい使わずに実写で作成している。
AMID* アーキテクチャー (cero9)展示風景
スペインの建築チームAMID*アーキテクチャー(cero9)による代表作のモデルとテキストによる展示は
常識破りのプレゼンテーション。
アシューム・ヴィヴィッド・アストロ・フォーカス(avaf):「anatato vuivui attoteki fukusayo」
(展示風景) 2007年 協力:hiromi yoshii
avafによるほったて小屋の内部
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ブラジルを思わせるカラフルな色彩の内装
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アーティストユニットavafの作品は、山谷などの
日本の地域にインスパイアされて制作した、廃材で作られたほったて小屋。目玉の人物がavafメンバーのひとり。
MONGOOSE STUDIO:「fuwapica future」 2007年
嶺脇美貴子:「mineorities」 1998-2007年(下記2点はその一部)
ガンダムのプラモで作られた「plamo’s」 2007年
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こちらはブローチ 「plamo's」 2007年
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プラモデルのパーツを合わせたネックレスや百円ライターをくりぬいたリングなど、身近なプラスチック素材でジュエリーを作る
アーティスト嶺脇美貴子さん。プラスチックの魅力は、普段仕事で手がける彫金とは違って作りたいときにすぐに制作できる手軽さとのこと。
ガンダムのネックレスは、プラモの箱ひと箱につき作れるのはひとつだけ。制作中に一つでもパーツがなくなると、また同じものを買って
作らなくてはならない。アルゼンチンのファッションブランドJuana de Arcoとのコラボレーション作品も丸の内会場で展示中。
嶺脇美貴子さん
かけあしで紹介してきたSPACE FOR YOUR FUTURE展。期間中は妹島和世(SANAA)や石上純也アーティストによるギャラリートークのほか、
子供むけのエデュケーションプログラムも開催される予定。ぜひお見逃しなく。
■SPACE FOR YOUR FUTURE-アートとデザインの遺伝子を組み替える
・SPACE FOR YOUR FUTURE 公式ホームページ
主催:財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 / 日本経済新聞社
会期:2007年10月27日(土)-2008年1月20日(日) 月曜日休館(ただし12月24日、1月14日は開館。翌火曜日は休館。)
開催時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 全フロア
入場料:大人1300円、大学生1100円、中高校生・60歳以上600円、小学生以下無料